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「田舎暮らし」に舵を切ったきっかけ〜キンチョール事件から始まる新生活〜

移住への道のり

移住をしようと考え始めた私たちは、さまざまな情報を探していました。まだ方向性が定まらず、起業された方々の話を見聞きする日々が続きました。そんな中、ある日福島で農業をしている女性たちを紹介するオンラインセミナーに参加する機会がありました。

情報収集とオンラインセミナーとの出会い

私たちは、どんな生活を送りたいのか、どこで暮らしたいのか、具体的なビジョンを持てずにいました。しかし、さまざまな方々の話を聞く中で、少しずつ自分たちの求める生活のイメージが見えてきました。そのセミナーで登壇されていたのが、大熊町のエミリーさん西会津町の小川美農里さんでした。彼女たちの話を聞く中で、「自然に寄り添う暮らし」と「パーマカルチャー」という言葉に出会いました。

新しい農業の視点とパーマカルチャー

農業といえば、トラクターで耕し、ズラリと並んだ野菜を大量に収穫して出荷するというイメージでした。しかし、エミリーさんと小川さんの話に出てくる農業は、生活の一部としての畑作りであり、まるでライフスタイルそのものでした。

これまでの私たちの農業のイメージは、大量生産・大量消費を支える「仕事」というもの。しかし、彼女たちが語る農業は、自然との共生を重視したもので、生活そのものが農業と一体化しているように感じられました。特に夫は、この話に強く感銘を受け、「これだ!」と感じたようで、その後、パーマカルチャーに関する本をたくさん借りてきて、一心不乱に読みあさっていました。。私たち夫婦にとって、新しい生活の可能性が開けた瞬間であります。

コンポストとの再会

パーマカルチャーを調べる中で、コンポストの話が出てきました。実は、数年前に『ゼロウェイストホーム』という本で紹介されていた「キエーロ」を試したことがあったのです。コンポストの経験が再び役立つ時が来るとは、その時は思いもよりませんでした。 

わが家のキエーロ。現在は倉庫化している。

「キエーロ」は、生ゴミを消滅させるタイプのコンポストです。数年前に試した際、実際に生ゴミが土の中に消えてなくなるのを見て、私は感動!しかし、その時の夫はそこまでの興味を示さず、私一人で喜んでいたのを覚えています…

キンチョール事件とその教訓

しかし、私たちのキエーロ生活は順調ではありませんでした。ある日、虫の卵がついた野菜くずをキエーロに入れてしまい…その結果、見たこともないほど美しい銀色の大きなハエが大量発生。コンポスト内を飛び回るハエに、夫は大慌てでキンチョールを噴射しまくりました。

「あぁ、違う、ダメなのに……」と思いつつも、住宅街の集合住宅であんな虫が飛び交うのは良くないので、私は何も言えませんでした。夫がキエーロにキンチョールを撒きまくる度に、コンポスト生活は下火になり、最終的にはやめざるを得ませんでした。

新しい暮らしへの挑戦と未来への展望

そんな人たちが、パーマカルチャーに興味を持ち、虫に話しかけ(私だけですが笑)、毎日せっせと生ゴミをコンポストに入れ、堆肥を作っているなんて。あの時の私たちでは想像もできない未来に今います。

なにより、夫が私の興味を持っていた方向にまさかのタイミングで向いてくれたことが嬉しかったです。

畑をやりながら、自然に囲まれて、創意工夫しながら暮らしを創って行く。

私たちの描いている「田舎ぐらし」はそんなカタチです。パーマカルチャーと言えるか分からない気ままな生活ですが、毎日自然に寄り添い、観察しながら、試行錯誤して暮らす毎日を楽しんでいます。

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