「二人称は”社長”」事件に引き続き、電車男になり損ねた話。

都営線の駅のプラットホームで電車を待ってたんです。夜10時過ぎくらい。そしたらどこからともなく、ベビーカーに荷物をいっぱい乗せた背の高いおじさんがあらわれた。(赤ちゃんはのってなくて、荷物だけのってた)

で、同じく電車を待っていたおねえさんに話かけてる。聞くともなしに聞いていたら、「新宿までいって駅前のネットカフェを利用したいから2000円貸してくれ。これが自分の住所」とかいっている。おねえさんは「駅員に相談してください」「警察はどうですか」と普通に応対するんですが、「もう駅員とか、警察とかは話してもダメなんです!」とかいってなぜか威張ってた。

物乞いがなに威張ってんだよ、と思ったんですが電車も来そうだったし駅員呼びに行くのもめんどくさかった。で、小銭入れをみたら300円あった。

2000円よこせってやつに300円じゃあ、逆にからまれるかな?と思ったんですがとにかく、「お嬢さんが困ってるから、これあげるから行って!」と文字通り“シッシッ”ってやりながら300円見せたら、礼も言わずに300円受け取って行っちゃった。お嬢さんもあっさり電車待ちモード復活。
まあ、300円おじさんも何かの不運があって今は物乞いなんでしょうから、もうすこし思いやりのある対応をしても良かったんじゃないかと思いました。

これで思い出したんですが、カンヌに行ったときに裏通りを歩いていたら普通にみえる身なりのおじさん(40代くらい)に呼び止められて「すみませんが、1ユーロもらえませんか?」と言われたことがあった。1ユーロならいいかな、とおもって小銭入れをあけたらおじさんが中を覗き込んで、「2ユーロでもいいですか?」とかいいだした。やったことがある方は分かると思うんですが、”物乞いにお金を恵むために財布を取り出す”ってかなり無防備な態勢になるから警戒心が高まるし結構敏感になる。そこへ値上げリクエストですよ。途端にこっちはキレて「1ユーロっつっただろうが! 値上げするって何様だよ!」と怒鳴りつけて1ユーロ渡してその場を離れた。

地下鉄おじさんにしても、カンヌおじさんにしても、もう少し優しくしてあげてもよかったかもしれません。人間って一人では生きていけないし、自分の身にだって明日なにが起こるか分からない。なのに、日本人って”自己責任”とか言い過ぎで、そこはもう少し余裕をもって応対してもいいんだろうなと反省しましたけれども。

…っていう話をさっき奥様にしたら、「奥様も…お腹が空いて死む…ご飯代を…5億円欲しい…」と申しております。 

(@。@)そこまでの余裕はありませんけれども。

#自己責任 #痴漢