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ぬくぬく再雇用者、ぴりぴり働き盛り

会社員のすずきです。
大企業でぬくぬく働いています。

年度末に差し掛かり、会社では「期末面談」というイベントの真っ最中。
ぼくには8名の部下がいるので、面談でフィードバックをする立場。

  • 2023年度の成果

  • がんばり、成長

  • 申告事項

部下のまとめたシートを見て、あーだこーだと偉そうに指導しました。
そんな中での、エピソードをご紹介。

キャリアに悩む若手、定年制度に気を揉む老人

ぼくの部下は世代が真っ二つ。
30代以下の若手が5名、60歳前後が3名。
ぼくがギリギリ30代なので、40代が1人もいません。

まさに大企業の労働人口分布という感じで、急成長時の大量雇用の世代が多く、就職氷河期世代がいない状態。

そんなメンバー構成で面談を1人ずつやりました。

負債となってしまった再雇用者

ぼくの勤務先は再雇用制度があります。
60歳の定年退職者が、再雇用というカタチで継続して働けます。

給料はざっくり50%OFF。
原則は65歳まで。
優秀な人だと67歳まで延長した事例があります。

定年前なら年収700万円くらいは少なくとももらっています。
半額になっても350万円…新入社員を雇った方がいいですね…。

70歳までの雇用を国は努力義務としていますが、企業としてはたまったもんではありません。

ぼくの勤務先では、65歳までとしています。
本音としては再雇用なんてしたくないだろうに…。

終身雇用制度の崩壊と言われている中、定年を決めること自体がナンセンスです。
ちゃんと成果を出せるなら80歳でも働いていいし、役に立たないなら40歳でも解雇できるのが健全です。

つらつらと再雇用制度と大企業の実態について書きましたが、そんな社会的な背景はつゆ知らず、部下の1人は呑気なもんです。

「自分の世代は定年が60歳だけど、もう少し下の世代は定年が65歳になるんだ。そうしたら、再雇用で給料が減らないからいいよな。」

きょとんとしてしまいました。
そんな人事制度は知りません。
やんわり否定しましたが、聞く耳を持っていないようだったので話題を変えました。

あとで調べてみると、やっぱり勝手な解釈をしているだけでした。

65歳定年延長は義務?

「65歳定年制が義務化される」と誤解されることがありますが、定年延長は65歳までの雇用確保のための一つの策であり、義務化されるわけではありません。

つまり、2025年4月までに「65歳までの定年延長」「65歳までの継続雇用制度の導入」「定年制の廃止」のいずれかを行うことが義務化されたのです。

ネット記事

ただでさえ、スキル不足の老人が溢れかえっているのに、これ以上しがみつかれても邪魔でしかない。というのが、ぼくの本音。

自分たちの置かれている状況がわかっていないのかな…?
明らかに若手よりも仕事ができていないんだから、少しは申し訳なさそうにしとけばいいのに。

なんて、面談では言えないので、労いの言葉をかけています。

割を喰う若手の心境

やっぱり若いうちは昇進昇格が気になります。

「同期より昇進が遅れたらイヤだな」
「先輩が28歳で昇進したから、自分も…」
「去年は上がれなかったから今年こそ」

いろんな想いを、みんな抱えています。

そんな中、部内(もしくは社内)ではサイレントで異変が起きています。

昇進・昇格の人数が減少中。

数字として確認できるので間違いありません。

成果に応じてボーナスや給料が決まるようになってから、昇進・昇格のペースが明らかに落ちています。

ぼくが気づくといくことは、若い子たちは当然気づいています。
今までの先輩たちのようには出世できないという、なんとも言えないやるせなさを感じているようです。

いつまでも居座るボリュームゾーンの50〜60代の社員が一掃されるまで、昇進の年齢は引き下げ続けられるかもしれません…。
(ちなみに高卒に限る)

ぼくには成果を査定する権限はないので、部下のがんばりをどれだけ上司にわかりやすく伝えるかに注力しています。

やったもん負けをいつまで堪えるか

大企業にしがみつく老人。
それをジャマだと思いながら働く若手。

もう出世もないから頑張らない老人。
どれだけがんばっても出世できない若手。

年金がもらえるまで会社が面倒を見るのが当たり前だと思っている老人。
将来の年金がもらえるか不安の中でも高い社会保険料を納める若手。

いっそのこと、定年制度を廃止してくれないかな。


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