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双極性障害と診断されてから1年経って気づいたこと



双極性障害って知っていますか。

最近だとLittle Glee Monsterの芹奈さんが公表されていましたね。

「躁うつ病」とも言います。こちらの方が聞いたことがある方が多いでしょうか。

双極性障害はハイテンションでとても活動的な躁状態と、気分が落ち込み無気力な鬱状態を繰り返します。

気分の波は誰にでもある自然なことですが、その度合いが極端であることが双極性障害の特徴です。

僕は地元の信用金庫に就職してから一年と経たずに休職をして、そのまま退職しています。その時に、双極性障害と診断されました。

診断されたときは、長年の疑問に一つの理由が明かされた気持ちになって、ショックというよりは納得しましたね。


僕がしていた勘違い。

①人と関わるって死ぬほど辛いのが当たり前。

とにかく家族以外の人と会うのが辛かった。

過去を振り返って見ると、ほとんど対人関係で辛くなっていたのだと思います。

家族以外の人と会うと、エネルギーが吸いとられる感じがしました。

きっと気を遣いすぎたり、相手に共感しすぎたりして、相手の感情と自分の感情に振り回されていたのです。

そんな状態で人と関わるにはそれなりの覚悟がいりました。

でも、友人たちは僕が思っているほど辛くなく、むしろ会うことを楽しみにしていると知って、ショックでした。

信用金庫の窓口業務や営業など人対人の仕事は全くできませんでした。

少しずつ慣れていくことはできたかもしれないですが、それよりも僕の心が折れてしまう方が早かったです。


②生活ができないのは自分の意志が弱いから

大学生の時一人暮らしをしていました。

大学1年は比較的ちゃんとしていました。

決めた時間に起床、ご飯、歯磨き、洗濯、掃除等、生活ができていました。

が、2年の9月くらいから、それらが全くできなくなりました。

朝、どうしても起きれなくなり、歯磨きをしなくなり、ご飯を食べるのも億劫になりました。

ついには、トイレに行く時、水を飲む以外にはベッドから動けなくなっていました。

気分はどん底で辛いのですが、ふとした瞬間に鏡に映った、やつれて目が充血している自分をみて癇癪を起こすこともありました。

今思えば鬱状態になっていたのだと思います。

けれど、当時の僕は自分が弱いから生活ができないのだと思い、自分を責めました。

大学の後期の単位は、ほとんど不可でした。ベッドから起き上がれないので授業に出ることすらできなかったからです。

なぜできないのか。必死に考えましたが、生活が送れなくなってまともな食事をしていない頭では無理な話です。(食事をスーパーに買いに行くことすらできず、家にある食料をほとんど食べきってしまった後は、乾燥わかめをしゃぶっていることもありました)

常に未来は暗く、絶望感に支配されていました。


③調子が良い、は『躁』だった。

反対に、すこぶる元気で、チャレンジ精神に溢れた時期がありました。

大学2年の4月。筋トレすら碌にやったことがないのに、ジムのトレーナーのアルバイトを始めました。

僕はいつだって人と関わることに後ろ向きで、いつもネガティブでしたから、バイトで自分を変えようと思ったのです。

おどおどすることが多かったですが、自分自身も筋トレが楽しくなっていきました。

筋肉がついて、帰省した際は家族から驚かれました。

しかし、だんだんと歯車が狂いだします。

8月。夏休みになり自由な時間が沢山できた時、もっと頑張ろうという気持ちが内側から湧き出てきたのです。

朝活をしようと思い立ち、いきなり朝10キロのランニングを始めたり、部活に没頭したりしました。

夜になっても眠気が起きず、マンションの自分の部屋で、一人で何時間も歌い続けることもありました。

当時の8月の日記には、「エネルギーが有り余っている」と書いてありました。

なんでもできるような気がして気分はハイになっていたのです。

一見問題無さそうですが、睡眠時間は短くなり体は疲労を蓄積していきました。

徐々に疲れを感じ始め、生活のリズムが乱れていきました。

その行き着くところは鬱状態です。

そう考えると、9月から鬱状態になったのは調子が良すぎた8月までの反動だったのでしょう。


どうやって双極性障害と付き合っていくの?

①とにかく、習慣が大事!

生活のリズムを整えることを重視しました。

起きる時間、寝る時間を一定に保つ。一日にやることを明確にして、同じ時間だけ行う。

規則正しい生活が体調を早く元に戻すことに繋がります。

当たり前のことかもしれませんが、僕にとって非常に難しいことでした。

タスク表を作って管理したり、家族にチェックしてもらったり、試行錯誤の連続です。

ですが、やってみると少しずつ楽しくなってきて、ちゃんと生活することが苦にならなくなっていきました。

②日記をつけてみる。

毎日、文章で気持ちを吐き出すことが大事です。

僕は話すことが好きなのですが、家族以外の人には異常に緊張して全く話せなくなるので、話したいのに話せないというストレスが強かったです。

そこで、日記を毎日書くことにしました。それまで毎日は書いていませんでした。

辛いことを日記に吐き出すと、少し冷静になれます。抱えていた大きなストレスが、日記に走らせた鉛筆の文字の分だけ軽くなる気がします。

③気分の波を記録する。

自分の気持ちはいったいどの程度なのか、数字で記録することが大事です。

双極性障害は気分の波が度を越えて大きくなってしまうと述べましたが、本人はいったいどの程度の気分なのかわからなくなることがあります。

そこで0から100で気分に点数をつけるのです。

0・・・・・・非常に落ち込んでいる。
50・・・・・ふつう。
100・・・・これ以上ないくらいハイ。

こんな感じで。

すると、自分の気分がどのくらいの程度なのか認識できるようになってきます。

データがたまったら、いつ気分がハイになりそうか、もしくは落ち込みそうか事前に判断もできるのです。


④無理だけはしない。

躁の時は無理して(本人は無理だと思ってない)長時間同じことに没頭っしてしまったり、睡眠時間を削って作業をしてしまったりしやすいです。

せっかく作ってきた生活のリズムを壊してしまうと、どんどん気分は不安定になっていきます。

だから、無理だけはしないように、絶対に夜十時には布団に入るなどのルールを作ると良いかもしれません。

⑤薬は大事。

出された薬は正しく飲んでいくことが必要不可欠です。

ある程度飲むと気分は安定してきて、薬を飲まなくても大丈夫ではないかと思いやすいです。

しかし、それでやめてしまうと、再発してしまう原因になります。

ちゃんと飲むこと。これが大事です。

最後に

僕は人とどこか違う。でもそれが何かわからない。

人より劣っているのだと思い込む。

誰にもいえない。恥ずかしい。

大学から社会人一年目。僕はずっとそんな思いを抱えていたように思います。

今の自分が、昔の自分に伝えたいことは、そうやって苦しむのはなにも恥ずかしいことではないということです。

結果論になってしまいますが、その苦しさと一緒に生きてきたからこそ、今の自分があるわけです。

確実に自分の糧になっているはずです。

双極性障害が僕を強くしてくれるのです。

一か月前にも、どうやっても感情が抑えられずに仕事を休んだことがありました。

けれど、すぐにリカバリーできました。

着実に強くなってきている。その実感がさらに僕を強くしてくれるでしょう。

謝辞

最後まで読んでいただきありがとうございました。

双極性障害の理解の一助になればうれしいです。


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