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努力することが怖かった。

「どんな時でも自分を守ることばかりだった」
息苦しかった高校~大学時代の自分にいま伝えたいこと。

臆病

挑戦せず、努力することをやめてしまえば、失敗することは無い。
自分は大したこと無い人間だ、と気づいてしまうのを無意識に恐れて逃げてばかりいた。

本気でやらなければ言い訳できる。

そもそも、行動しなければ、自分にあると信じている才能に酔うことができる。

努力することは格好悪い。
結果が出ているあの人は、才能があるのだ。

ずっと、そうやって弱い自分を守ってきた。

けれど、なにも得ることができなかった。生まれたのは、他人への嫉妬と、肥大した自尊心だけ。
理想ばかり高く、完璧主義となったぼくは、人との差にストレスを感じ、次第に人から離れていった。残ったのは何もない醜い自分。

どうして、自分ばかりが苦しいのだろう。
本気でそんなことを思っていた。

マインドセット

キャロル・S・ドゥエック著、『MINDSET「やればできる!」の研究』によれば、「硬直マインドセット」と「しなやかマインドセット」、どちらの世界を信じているかで生き方も感じ方も大きく変わってくるという。

「硬直マインドセット」の人とは、

自分の能力は石板に刻まれたように固定的で変わらない

と信じている人のことだ。

対して、「しなやかマインドセット」の人は、

人間の基本的資質は努力次第で伸ばすことができる

という信念を抱いている。

出典
キャロル・S・ドゥエック『MINDSET「やればできる!」の研究』草思社、2016年、13頁。

ぼくは完全に「硬直マインドセット」だった。
「硬直マインドセット」の世界に生きていると、つまずいたらもう失敗。自分が他人から評価されるか(賢さを証明できるか)どうかがすべてだ。

「しなやかマインドセット」ではどうだろうか。同書によれば、新しいことが学べれば成功。努力し、学んで、自分が向上するかどうかが大事とある。

「しなやかマインドセット」にとっては、失敗は教訓を与えてくれるものだ。その失敗をバネに前に進んでいく事ができる。

人からの評価で自分をがんじがらめにしていたぼくに足りなかったのは、自分の成長に結びつけられる考え方かどうかだった。

人と比べても良いことなど一つもなかった。常に他人との差ばかりが目について、息苦しい。

そんなところで限られた時間と自分の体力を使ってしまうのはもったいない。少しでも自分自身を変えることに力を使った方が良い。

マインドセットは性格ではない。心の在り方だ。だからこそ、変えることができる。

信念を本当の意味で変えることは難しいかもしれない。けれど、気づいた時が勝負だ。

変わることを恐れないで、少しずつ行動から変えてみよう。

ぼくは家族にすら自分の弱さを見せまいとしていた。だから、まずは家族にありのままの自分を伝えるように心がけることから始まった。
初めの一歩は小さかったが、それがすべての始まりだ。

今まで恐れていたこと、自分を守るために必死に避けてきたことを受け入れるのだ。

新しいことに挑戦すること、努力を続けること、失敗を得ること、批判に耳を傾けること、挫折すること。

自分を成長させるタイミングは、きっと無限にある。

最後に

『MINDSET「やればできる!」の研究』を読んで、2年経った。いまのぼくは「しなやかマインドセット」に完全になれたとは言えない。マインドセットを変えることは容易なことではない。

小手先のテクニックで変えられるようなものではない。マインドセットが変化するということは、ものごとの見方が根底から変化することなのだ。

出典
キャロル・S・ドゥエック『MINDSET「やればできる!」の研究』草思社、2016年、345頁。

けれど、「失敗から学ぼう」、「自分が成長できるチャンスを逃さないようにしよう」と日々の生活で心がけるようになって、確実に良い方向に変わったことがある。

不思議と「苦しさ」が消えていた。
自己嫌悪もあまりしなくなった。
周囲から、「なんか丸くなったね」と言われるようになった。

どれも、かけがえのない自分の成長だった。

努力することは怖くないんだと、あの頃の自分にも伝えてあげたい。

少しの勇気を持つだけで良い。それだけで自分が変わるのだ。

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