新卒1年目で退職したぼくが小説を書くまで。
はじめに
ぼくの文章で、自分の気持ちが分からなくなって立ち止まってしまった人が、少しでも元気になっていただけるようでしたら、幸せです。
やりたいこと
先日、新卒で入庫した地元の信用金庫を退職しました。ちょうど1年前、社会人としてのスタートを切ったばかり。早すぎる離脱でした。もちろんぼくは、真面目に働き、無難に2年、3年とキャリアを積んでいくものだと思っていました。それが当たり前の社会人としての姿だと信じていたから。
いや、それ以外の選択肢をぼくは持っていなかったのです。漠然とした「あるべき自分」が、いわゆるサラリーマンでした。
はじめての職場、はじめてのお客様、はじめての上司。アルバイトとは違う、責任という重み。
ぼくはそれらすべてを受けとめようとして、失敗しました。
気が付けば、入庫半年にして休職。意欲がわかず、寝てばかりの日々。不安と気分の落ち込みを、薬でコントロールせざるを得ない自分に苛立ちました。
そんな時でした。
「ぼくは、何がしたかったの?」
あまりに素朴な問いでした。休職というきっかけが、ぼくのこれまでの生き方に警鐘を鳴らしてくれたのかもしれません。
体調が良くなり、意欲が次第にわいてくると、自分のできる「何か」を見つけなければならないと躍起になりました。そんな時思いついたのが小説です。
小学生の自分がそう教えてくれました。
『宇宙の大冒険』
たしかそんなタイトルだったと思います。小学生の自分が書いていた小説のタイトルです。ぼくは長らく小説を書いていたことすら忘れていましたが、ふっと思い出しました。
きっと、きっかけなんてこんな些細なことでいいのです。
すぐにぼくは、気軽な気持ちでパソコンを起動して、思いつくまま文章を書き始めました。
季節は冬。文章を書くと、不思議と心を静めてくれました。不安も、苛立ちも、気にならない。もちろん、書けない時は苦しい。けれど、その苦しさは何故か清々しさを伴っていた気がします。
こうして、あたりまえのように小説を書き始めました。
おわりに
今のぼくは、アルバイトしながら、ちっぽけな小説を書いています。人からどう思われようと、今の自分の方が好きです。
きっと、自分の目指す方向が「あるべき姿」から「ありたい姿」へと変わったからでしょう。
とはいうものの、今のぼくは何の実績もありません。アルバイト以外の収入もありません。それでも自分のやりたいと思う事、価値があると思うことをできるだけ続けてみようと思います。それが、一番自分に素直に生きることだと思うから。
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