「金持ち父さんの投資ガイド 上級編」(ロバート・キヨサキ著、白根美保子訳、筑摩書房刊)

 金持ち父さんで知られるロバート・キヨサキの著書第4弾。あれ、でも帯には第3弾と書いてある。どっちだ?まぁどちらでもいいか。

 さて、本書は入門編に比べてかなり実務的になっていて、実際にビジネスを進めるにあたって必要となる(と思われる)具体的な事柄についてかなり踏み込んだ説明をしている。入門編ではやや冗長になっているような印象を受けたが、本書上級編はやや違った切り口になっているので、新たな刺激を求める諸兄にとっては久し振りにお腹がくちくなるのではないだろうか。

 ギリシャの海運王アリストテレス・オナシスが大きな契約を取ったとき、実は船を一隻も持っていなかった。そこからいかにしてビジネスをスタートさせたかという話。著者ロバート・キヨサキがセールスマンとして初めて訪問販売を試みたとき、訪問先の店主から最悪のセールスマンだと言われると同時に、続けることの重要性を教わる話(やめてしまったら私みたいな人生になってしまうぞ)、などなど。

 本書に登場する「群れの先頭に立つ犬でなければ、見えるものはいつも同じだ」という格言めいた言葉は、あれが気に入らないこれが気に入らないと言っては短期間で転職を繰り返す私の知り合いを思い出させる。そんなに文句があるなら同じことばかり繰り返してないで、そろそろ自分でビジネスを始めたらいいではないか?というのが私からのアドバイスであった。むろん、本書からヒントを頂戴している。

 「自分が求められていないところには行くな」という言葉にも大いに賛成である。選べる立場にあるのなら、求められていないようなところにわざわざ行く必要などは無い。私は最近、ある仕事を断った。相手は何やらごちゃごちゃ言っていたが、要するに求められていないと感じたのである。

 ということで少々脱線したが、具体的にビジネスを検討しているという人にとっては何かしら得るモノがあるのではないだろうか。

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