「ペンタグラム 悪魔の烙印」

 かなり前の話だが、テレビで「ペンタグラム 悪魔の烙印」という映画を見た。ルー・ダイヤモンド・フィリップス主演の、90年のアメリカ映画だ。

 ストーリーはわりとシンプルで、主人公扮する刑事が連続殺人犯を逮捕し、その男は死刑になるのだが、なぜか主人公は死んだはずのその男に追い詰められていく、というものであった。

 黒魔術的な要素と猟奇殺人的な要素が混じっている刑事モノで、かつ主演は「ヤングガン」などで見知っていたルー・ダイヤモンド・フィリップスだということもあり、個人的には結構お気に入りなのだが、映画としてはまさにB級映画。

 「羊たちの沈黙」とほぼ同時期に製作された映画なので、やはり当時の流行りの猟奇殺人ものという流れがあったか。94年の「セブン」くらいまでそういう時期がありましたよね。日本のテレビドラマだと「沙粧妙子」とか。

 映画の中の主人公はタバコを路上に投げ捨てたり、頻繁に喫煙したり、現代の社会感覚ではなかなかのNG場面が多数登場し、また、彼の扱う銃器(Beretta M92F)の銃撃音がひと昔前のイフェクト音だったり、銃を上に向けながら警戒して歩く90年代のハリウッド映画刑事スタイルだったり、突っ込みどころも結構ありで、そういう観点からの楽しみ方もかなりある。

 ちなみに映画の原題は「The First Power」で、これはキリストの復活を意味する最初の力を表しているということから、実はかなり真面目なタイトルがついている作品なのである。

 しかし如何せん、キリスト教文化に馴染みの薄い日本では、そのような宗教的な意義は通じにくく、なので邦題は、「ペンタグラム 悪魔の烙印」。

 ということでふざけた感じの内容になってしまいましたが、お気に入りの90年代映画の1本です。ホントにマジで。

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