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伊東純也の件は、ほぼ解決している

不可解なことは意外に少ない

登場人物全員にとって、大阪滞在の目的は伊東純也が出演するテレビ番組の収録だった。被害者女性とされるA子・B子は、そこで「純也の関係者」という「体」(てい)で、コネづくりをする算段だった。これを計画したのが純也のエージェントのX氏だった。A子・B子は寝坊し、番組収録現場に来なかった。A子は、「枕営業を任されたとカン違いした」という「体」の言い訳をした。それでは弱かったので、後に「性的暴行を受けた」という「体」の言い訳に切り替えた。真相はたったこれだけだ。実はこの事件、不可解なことは意外に少ない。

この「体」がこの事件の重要なポイントだ。「体」はミエミエの嘘でも有効な場合がある。「出演者のマネージャーの友達」を、テレビ番組のスタッフがわざわざ相手にすることもないだろうが、「出演者の関係者」という「体」を出されたら、それがハリボテでも無下にはできない。だからX氏は、A子・B子を純也の関係者に仕立てるつもりだった。その後、X氏とA子は決裂。今度は「純也の性暴行」という「体」が、X氏にとっては痛い攻撃材料となった。それがハリボテだと全員が知っていても、係争は成立してしまう。警察沙汰になるまでは、この状態だった。

「体」を理解できない者が、事件をややこしくした。「X氏は、純也とA子B子の間にハリボテの関係性を築こうとした」と理解できない者が、X氏や純也が怪しいと見てしまった。「純也の性暴行」がハリボテの武器だと理解できない者が、雑誌沙汰、警察沙汰にしてしまった。

X氏は怪しくはない

X氏に下心があったとか、枕営業を斡旋していたとか、そんな憶測が飛び交っているが、それは無理筋だ。X氏と純也が宿泊したホテルは、状況からしてX氏が手配したものだろう。X氏に悪巧みがあったなら、なぜもう一部屋用意しなかったのか。費用は番組制作会社持ちだろうが、それでも簡単な話だ。

X氏は、A子・B子にサッカー日本代表の試合の観戦をさせた。これは純也の関係者に仕立てるための勉強会だった。それに加え、せめて自己紹介ぐらいは必要だった。番組スタッフの前で純也に「このひとだれ?」という顔をされたら、目も当てられない。だが番組収録まで純也には自由な時間がほとんどなかった。だからX氏は、強引にあの飲み会の席にA子・B子をねじ込んだ。だが大人数の席では自己紹介もままならなかったのだろう。もうカフェも閉まっている時間帯だ。X氏は、二人を純也の部屋に連れ込むしかなかった。

X氏は、D-Sports社では契約社員で、自身のYoutubeのチャンネルでの活動もある。独立志向だ。影山優佳が大成功した昨今、彼女に憧れるワナビーアイドルはいっぱいいるだろう。スポーツ選手とテレビ関係者とアイドル事務所に顔が利くのは、ビジネスとして美味しいポジションだ。自分のYoutubeでの活用も期待できる。モチベーションに下心があろうがなかろうが、この路線で頑張るのは至って理にかなった行動だ。だからあの日、大阪でA子・B子のサポートをを頑張ったのだろう。「金」にせよ「性」せよ、後ろめたい何かを実行するには、あの夜あの場はどう考えても不向きだ。

X氏は、彼女たちを朝までに彼女たちのホテルに送り届けるか、撮影現場に一緒に連れて行くか、どちらかをすべきだった。それが彼のミスであり、弱みだ。それを思い知っているから強く出られない。事務所社長との係争の本当の原因も、それだろう。

現代ビジネスの記事が決定的

マスコミ各社いろいろ言っているが、現代ビジネスの3本の記事が決定的だ。これらはわかりにくい記事だが、実は理解できる人にとってはもうこれで十分だ。女性側にまったく別の情報がないのであれば、純也は起訴されない。暗にそう書いてある。

現代ビジネスに劣悪な記事がないとは言わないが、文字通りビジネス誌なので、さすがに芸能雑誌や写真週刊誌とは立場が違う。読者の関心は、本当に「中出し」したのかとかそんな話ではない。純也の関連会社、新潮社とそのスポンサー、それぞれのビジネスの行方だ。もっと言えば、プーマや新潮社の株を持っていても大丈夫なのか、そのような情報だ。その現代ビジネスで一連の記事を書いた西脇氏は、東大出身でテレビ朝日の法務部から独立した弁護士である。絵に描いたようなエリートだ。だから間違いがないとは言わない。だが彼のキャリアを考えれば、今これだけ注目される事件について、この雑誌の記事に嘘を盛ることは、超ハイリスク・超ローリターンだ。逆に、ハッキリ書けないことは多いだろう。そのためか、その一連の記事は後半、読者の関心とズレた方向へ行く。

1報目は、純也の弁護士の話なので、実はFLASHの記事と近い。純也の「絶対にしていない」という言葉も載っている。繰り返すが、この記事を書いている西脇氏も弁護士だ。

2報目はA子・B子の事務所社長の証言、主に流出したラインスクショの中身についての話だ。記事は曖昧な感じでX氏を悪者にする形で終わる。しかし、このスクショの内容が本物なら状況は決定的だ。A子が本当に「枕営業の指示が出された」と受け取ったなら、行為は「同意」があったものにしかならない。4人もいる部屋でどう考えててもそれは無理なので、この「枕営業カン違い」は寝坊の言い訳のためのウソだった可能性が高い。そうだとすると、これは性的暴行を受けた直後の被害者の言い訳はとしてはあまりにも不自然だ。こんな画像がどこから流出したのか。なぜ社長はこれを否定しないのか。つまり社長はX氏に対する憤りは表明するが、A子・B子の側に立つ気がなさそうだ。

3報目は西脇氏によるX氏へインタビューだ。X氏が「私が女性を手配するわけなどない」と言っている。「いや、X氏は白でも黒もどっちでもよい、純也が白か黒か聞けよ」とすべての読者が思うだろう。しかしこれは、エリート弁護士がビジネス誌に書いた記事だ。聞いていないのではなく、書けないのだろう。話の焦点が純也対A子B子から、社長対X氏へと移っている。「そこから読み取れ」ということだ。

A子とB子を守れ

そもそもA子・B子は、純也の部屋で30分も会話すれば十分だったはずだ。少なくともX氏はそう思っていた様子だ。荷物はX氏の部屋に置いたままだ。なのに彼女らはそこに居座った。理由は簡単、完全に舞い上がっていたのだ。日本にいるアイドルと称される若者の大多数がそうであるように、彼女らは有名ではない。そのとき目の前にいた男は、大観衆の大歓声の中で大活躍していたスーパーヒーローだ。それを先程まで、生で、至近距離で、見ていた。この男のコネを使って、翌日は有名なテレビ番組のスタッフに会いに行く。完全にシンデレラ状態だ。スターへの階段の第一歩だと感じただろう。舞い上がってジャージに着替えてしまう。ここから帰りたくない。だが、東京からはるばる吹田スタジアムまで移動し、サッカー観戦で盛り上がった後、また大阪市内まで移動し、飲み会。そしてもう朝だ。彼女らに体力は残っていなかった。夢は壊れ、彼女らも壊れた。

世間は彼女らを許さないだろう。しかし純也にとって、そしてサッカー業界にとって最も危惧するべき事態は、彼女らが「取り返しの付かない行動」をとってしまうことだ。うまく起訴・勾留されたり、早い段階で有罪判決がでればよいのだが、それは難しそうだ。極めて厳しい状況に立たされる彼女らが早まった行動をおこさないよう、誰かがなんとか守られなければならない。週刊新潮がこれ以上頑張ろうとすることは、極めて危険だ。新潮社は勝ち目のない戦いから手を引いて、早急に責任の所在を明確にするべきだ。編集者は何を考えてあんなポルノ小説を載せたのか。「A子のスポンサーを称する男」とは何者なのか。

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