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転倒虫と成長痛

 先日、学生の時のバイト先で仲良くなったサナ。サナが月に二回ほど行う、ヨガレッスンで知り合ったしんのすけさん。お二人からのお誘いでバーベキューに参加させてもらった。

初対面の方も多数おられるため、私とサナは初めに二人で待ち合わせをすることに。
ところが私はうっかり遅刻。サナには先に参加しててもらい、ひとまず現地集合という流れになった。

道はやや渋滞していたものの、開始時刻くらいに会場へ到着。他のバーベキュー客の中からサナがいる集団を探す。
思ったよりすぐに見つけられたことに安堵し、自然と小走りになる。すぐ目の前に皆さんの姿が現れ、ようやくたどり着いたと思ったのが束の間、、、

目の前の世界(視界)がひっくり返り、気づいたら私はダイナミックに転倒していた。

体の痛さもあり何が起きたのかを把握するのに時間がかかった。

その時の私はタイトなロングスカートを履き、小走りで駆け寄った。そして隣のお客が設置するタープに足を引っかけ、気が付くと地面にうつ伏せの状態で倒れていたのだ!

数秒後、皆さんからのどよめき、「大丈夫ですか」のお声と共に、しんのすけさんからの「てか誰!?(笑)」
それもそのはずで、登場がてらに土下座以上の体を張った挨拶を披露していたのだ。
サナ曰く「掴みバッチリ!」らしいので、恥ずかしさより「かましたぜ!」なんて気分にいたったのだが。。笑


 思えば私はよくコケる。

昔から私のことを知る友人であれば、危なっかしい場面に遭遇したことも 一度や二度あるかもしれない。
また身体のあちこち、気づかないうちにできたあざや傷を発見することもしょっちゅう。

おっちょこちょいと言えば、それもそう。
人に迷惑が掛かりそうな場面は慎重さを心がけるようにするが、特段自分のコケることに関して直そうと考えたことは無かった。(正確には、いつ そのコケる時がやってくるか分からないので気を付けようが無かった)

それにしても、久しぶりの大コケをこれほど大人数の方から目撃されたのは初めて。
自分の失敗だからなおのこと、この一件をおっちょこちょいで終わるのは何となく勿体ない気がした。

私は、この「コケる」という現象について、もうちょっと何か連想できないかものかと思い “転ぶ” にまつわる言葉を挙げてみることにした。

すぐに思いついたのは、
「躓く(つまずく)」「転倒」「足をすくわれる」「失敗」

思っていた通り、ネガティブな意味合いの言葉たち。
実際コケたときやっぱりちょっと痛かったし、納得はする。

つづいて、言葉の響きとして 良いじゃん?と感じるものも出てきた。
「ひっくり返る」「七転び八起き」「逆転」

また、「転ばぬ先の杖」(失敗する前に準備しよう)ということわざも 転ぶ が入っている。
やっぱり転ぶのは 痛い から未然に防ぐのは大事だけど、上の3つのワードにあるように、実際転んでみても案外悪いことばかりではない、気もする。

そこで“コケる”ことを
汎用性の高い“失敗”、“エラー”することに置き換えてみる。すると、わたしの好きな ある本を思い出す。


 それは、丁度1年前に友人から教えてもらい、数回にわたる輪読会(自然消滅してしまったが)をも実施するくらい、その熟成した発想に魅了されたデザイナーの太刀川英輔さん著書『進化思考』だ。

この本の内容を簡単にまとめると

生物の進化 と 人間の創造性 は共通して「変異(エラー)と適応」の往復によって洗練される。生物進化のしくみから、創造性を紐解くことで、天才だけではなくどんな人でも創造に挑戦することができる。

太刀川英輔,2021『進化思考 生き残るコンセプトをつくる「変異と適応」』海士の風

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当時、深く知りたいと思いノートをまとめていたので導入部分だけ載せておきます。

暗闇での懐中電灯を使った玉入れは、
とてもわかりやすい例えです。

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「生物の進化」と「人間の創造」のしくみが一緒だなんて、面白い発想だと思いませんか?とってもワクワクする内容です。

そして私が知りたい“失敗”、“エラー”について、この本が教えてくれたこと。それは

・進化や創造には 変化 が必要で、
その変化はランダム(偶発的)なエラーをきっかけに起こる。

・エラーは偶然の発生確率を高め、結果として創造性を高める。
肝心なのはエラーへの挑戦の数なのだ。

どうでしょうか。少し勇気が出ませんか?

この本で“エラー”は「悪いことじゃない」発想を超えて、むしろ進化や創造にとって なくてはならない「大切なもの」なのだから。
 追い風きた~!
(もちろんそのエラーを受け、次に原因を追究(適応)していくことも同じくらいダイジなことです。)


 大人は年を重ねるにつれて、あまり無茶をしなくなる。
それは、これまでの小さな失敗の数々から、今の自分にとっての最適な幸せを、経験という物差しで測るようになるからだ。
自ら失敗すると分かっている道に、進んで足を踏み入れる者など誰もいない。
けれど、その失敗が必ずしも不幸せとも限らない。。。

先に思いついた言葉のように

自分の常識を “ひっくり返す” 気づけば “逆転” しているような失敗も、もしかしたらあるのかもしれない。
それは誰にもわからない。

一つ!私が言いたいことは、失敗は痛いけど イタくない(かっこ悪くない)ということ!笑

(大胆にコケた私が言うと自分の失敗を正当化している感じもするが)

失敗が多いってことは、その分 “七転び八起き”で起き上がるコツを知ってることでもある。これは強い!

私は“誰に認めてもらいたい”とかは二の次で、自分の中で、いかに“小さな変化を積み重ねていけるか”が大事だと思っています。

自分が失敗したことを認められなかったり、誰かのせいにしたくなったりする時も もちろんあるよ、人間だもの(みつを ありがと~う)

しかし今より前に進むためには その痛みと向き合っていくしかないのだ。
人生は短いようで 痛い時ほど長いのだから。
それを乗り越えられた自分は、どんな小さなことでも笑えるような気がするのです。

何にでもよく笑う”笑い上戸”の人ほど、自分の痛み(弱い部分)と向き合ってきた時間が長いんじゃないかしら。どんな小さなことでも可笑しくて笑っちゃうって幸せなことだと思うなぁ。 あなたは誰の顔が浮かぶ?


少し熱い話になっちゃいましたかね。
あと少しだけお付き合いください。。(かたじけない)

他人(ひと)がこれまでどういう失敗をして、それにどのように向き合い、今どんな姿であるのか
という話はとても興味がある。だってそれは、その人にしか話せない物語だから。

みんなの素敵な物語を聞きながら、自分にしか話せない物語もきっと面白くできるように、そんな大人に私はなりたい。

その物語の中には 転んだり、時に傷ついたりすることもあるかもしれない。

しかしその痛みも、大切な何かに気づけたのだと思えばダイジなことだと思うんだ。 (物語でおなじみの「起承転結」にも“転”入ってますね~!)

長くなりましたが、最後に!好きな映画の台詞で終わります。
「ALWAYS 三丁目の夕日'64」で
六ちゃん(堀北真希さん)が 仕事で火傷をして、その治療に行ったとき
医者の菊池(森山未來さん)が掛けてくれた言葉

「火傷もしみもしわも、一生懸命生きている人の証だから 美しいのです」

「ALWAYS 三丁目の夕日'64」山崎 貴(2012)

この後、六ちゃんは菊池に恋をするのだ…
ああこの台詞、言われたい。 いつ言われてもいいように傷だらけになっとこうかな、それはさすがにチガウか😂てへ

では、
バーベキューが終わった時の秋空とともに、、
チャオ!

いつも皆さん、ありがとう。


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