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調べてわかることは覚えない 「グーグル効果」

「認知バイアス大全」マガジン

わたしたち人間に不合理な行動をさせる認知バイアス。これは、人間が進化の過程で獲得した生き延びるための工夫のバグ部分です。そんな認知バイアスを236紹介しているのが「認知バイアス大全」マガジンです。


グーグル効果

グーグル効果 (Google effect)

インターネットですぐに検索できる情報は記憶しようとしない傾向

デジタル記憶喪失(digital amnesia)とも呼ばれる最近のわたしたち人間に見られる記憶の傾向です。我が身をふりかえってもなんとなく心当たりが在るきがします。グーグルがあるせいでわたしたちの記憶力は低下しているのでしょうか。

人間は、集団で記憶をシェアする仕組みを持っている(みたい)

人間は、どうも集団で記憶(など)をシェアする仕組みを持っているようです。これは論拠が、こちらの記事なだけで深堀りしていないんですけど、記事の論拠にしているSparrow博士の論文にも近いことが書かれているので、ほわっとわたしは信じています。今のところ。

わたしたちは自分で直接すべての記憶を保持しなくても、「誰がそれを知っているか」知っているいれば良いと判断する傾向を持っているということです。極めて合理的な認知資源の節約方法です。そんな合理的な記憶システムを持つわたしたちの生活にグーグルが入り込んできて、その記憶の持ち主の役割を一手に引き受けてた状態になっています。ハーバード大学のウィリアム・ジェームス記念ジョン・リンズリーの故ダニエル・M・ウェグナー博士は、このグーグル効果が、人々に記憶しようとする動機を捨てさせ、その結果情報の価値が下がったと説いていました。


インターネットを使って得た記憶は自分のものと錯覚しやすい

後ほど触れるコロンビア大学のスパロウ博士らの研究結果によると雑学問題を解いた被験者たちは、インターネットを使わずに解答したひとり、インターネットを利用して回答した人たちのほうが、自分たちの記憶力や知能を優れていると評価していました。(※1)(※2)


Googleは、わたしたちの記憶を低下させていないかも

しかし、さきほど触れましたが、わたしたちは記憶を「誰かが覚えているなら、その覚えている人だけを覚える」ようにして使っています。メタというやつです。その一方で、自分しか知らないことは自分でその記憶を保持しようとします。この場合、自分で保持している記憶に関しては、その出どころを忘れる傾向にあります。つまり「覚えている人」を覚えていれば良い、一方で情報源にアクセスできないなら、それをさっさと忘れて自分で記憶するという傾向も持っているということです。
 反対に、私たちが記憶をとどめているときは、どこでそれを得たかを覚えていることが少ないと報告書は指摘しています。つまり、情報を記憶できないときは一般的に、それがどこで見つかるかを覚えている。しかし情報を記憶している場合、どこでその情報を得たかを思い出せるとは限らない。20世紀に最もダウンロードされた楽曲はジャーニーの「Don’t Stop Believing」だったという話はご存知でしょうか。私は先週どこかのニュース番組で見たのですが、どこだったかは思い出せません(笑)。



アインシュタインに倣ってもいいかも

アルバート・アインシュタイン
Source: N Opinion “Are we losing the ability to remember, or are we lazy?”

アルバート・アインシュタインは、こんなことを言っていたそうです。

「調べればわかることは、覚える必要はない。」
“Never memorise something that you can look up.”

対策

気にしない。


応用

勤勉こそが最上というのは、けっこう頭の悪い考えで、すべからく自分で記憶すべしってことはないかもしれません。ビル・ゲイツが言っていたという言葉にうろおぼえですが、こんなのがあります。

難しいプロジェクトを任せるなら、サボりがちな人に任せる。サボる人は、無駄なことをできるだけしないで、仕事を成し遂げようとするから。

これ、この本だっけかなぁ。たぶんこの本に書いてあった気がします。

わざわざ無駄なことをしないで幸福を得る、仕事を成し遂げるという考えは、西村博之氏の哲学にも通じます。わたしは著書を読むまで、なんだか下品な人なんじゃないかと思っていましたが、数冊読んでも大好きなままです。この本が最初に読むには、もっともおすすめ。

ということで記憶の構造を知っていればいいなじゃないかなーと思います。わたしは調べたことをことごとくnoteに書いて、それも自身のサイトにもアップしとEvernoteにも保存しています。そして「あれ、なんだっけ?」というときにGoogleで、「その言葉+おおたしじみ」で検索するとだいたい出てきます(笑)。便利!そのうち、記憶していないと不便なものは(釣り糸の結び方)、勝手に記憶します。その他、記憶は基本的にすごい勢いで消えていくという事実もおすすめの知識です。

関連した認知バイアス

最小努力の法則

ある目標を達成するのに複数の方法があるとき、最も少ない努力で済む方法を選択する傾向


参照


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