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認知バイアス大全

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賢い人も含めて、わたしたち人間が「頭の悪い行動をしてしまう」理由は、だいたい認知バイアスによるものです。認知バイアスとは、進化の過程で得た機能の「バグ」。この認知バイアスの良いと… もっと読む
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人は終わらせることに執着してしまう 「ユニットバイアス」

出されたご飯は残さず食べたい人は、大きさに関係なく、どんな量でも完食したいと思います。人は、その量に関係なく、何かをやり遂げることが大好きな生き物です。この「やり終えちゃいたい」という傾向を「ユニットバイアス」と言います。 ユニットバイアス ユニットバイアス (Unit bias)とは 課題を終了する事に注意を集中する傾向 何であれ、やり終える事に人間は満足を感じる傾向 対策食事にしろ、仕事にしろ、そのタスクの量や内容がゴールと関係があるのか意識して再設定するほうが良

貨幣の実質の価値なんて把握するのはしんどい「貨幣錯覚」

貨幣錯覚貨幣錯覚(Money illusion)とは 実質値ではなく名目値に基いて物事を判断してしまう傾向 本来、貨幣価値の変化を考慮した購買力によって判断しなければならない時に、金額を通じて判断を行なってしまうこと。貨幣の中立性が成立しなくなる一要因である。 本来、貨幣そのものには価値がなく、貨幣が「どれほどのものと交換可能か」ということが貨幣の価値を決めています。ゆえに世紀末を描いた映画なので紙幣を「もはや紙くず」と表現することがありますが、あれは紙幣に商品や何か物

「投資したことを途中でやめるのは難しい」 「理不尽な継続」とは

理不尽な継続理不尽な継続(Irrational escalation)とは、 信じてコツコツと継続してきたことが、間違いだということが明らかになってもそれを継続してしまう傾向 継続してきたダイエット法が効果がないことを明らかにされても継続したり、新興宗教の間違いに気づいても脱退できないなどの行動傾向もこの理不尽な継続に該当します。「サンクコストの誤謬(sunk-cost fallacy)」とも呼ばれています。「コミットメントの継続(Escalation of commit

後悔をせず、生産的になれる「サンクコスト効果」という知識

時間とお金と労力をかけてきたことをやめにくい 「コンコルドの誤謬(日本では「コンコルド効果」と呼ばれることが多い)」という人間の不合理な行動傾向があります。コンコルドというイギリスとフランスが共同開発した超音速旅客機がありました。1976年に運航が始まり、2003年に運航を停止しました。運航の停止の理由は赤字。実は開発時点で「こりゃ完成しても採算が取れないな」ということが分かっていました。研究開発費は4000億円。そんな金額と労力をかけていたので「やめたほうが良いと思います