2024.5.29 「2024年産輸入そば原料」の誰よりも早い状況予測
5月29日(水)
今日は2024年産そばの輸入原料の現在地について、私の予想も含めてお話したいと思います。
2023年産のトピックスとしては、
・ウクライナ情勢の影響
・ロシアの豊作
・中国の農薬問題
・円安
等が挙げられます。
価格はここ数年間で倍くらい上がった後、今は少し落ち着いた感じです。
2024年産はこれからの播種ですが、既にいろんな情報が入ってきています。
各国の情報を共有しながら考察していきます。
〇中国
現在降雨が順調にあり、トウモロコシ、アワ、コウリャン等が播種されました。これからも順調に降雨があると、大豆やキビも播種されます。
中国では春先に降雨がある場合、そばより収益のある作物が播種されます。雨が降らない場合はそういった作物の播種時期を過ぎてしまうので、しょうがなくまだ間に合うそばをまくことになります。
今年は雨があるので、そばの面積が大きく減少する可能性が高いです。
また、ロシア産が中国へ大量に流入しているため、中国国内の作付意欲がかなり減少しているようです。
そのため、作付面積が昨年の半分くらいになる予想も出ています。
もちろんこれから急に干ばつになる可能性もあるので、これからの情報に注意です。
〇ロシア
2022、2023年と2年連続で大豊作でした。
直接取引は難しいものの、中国経由で日本に入ってくるのでそばの価格上昇をかなり押さえてくれました。
ただし、やっぱり中国にしか輸出できない難しさから、現地の生産者には低価格を強いられるような動きもあり、今年は生産調整が入るという情報もあります。
そのため、さすがのロシア産も一部で値上がりが始まっているようです。もちろん楽観的な見方もあるため、今後の状況を注視しています。
〇アメリカ
ロシア産の大量の出回りにより、割高感のあるアメリカ産は契約数量が大きく減りました。アメリカは播種前契約であるため、今年の作付面積は半分くらいになりそうです。
今年だけでなく、今後の作付け計画が心配です。
〇ブラジル
以前から農薬問題がくすぶっていましたが、日本に入ってくる数量が少ないために大きな問題にはなっていませんでした。
最近数量が増えてきたので、モニタリング検査の頻度が高くなり、問題が顕在化すると予想されます。
ブラジル国内で認められていて使用されている除草剤が、日本でのそばに対する基準値が高い(微量でアウト)ため、輸入時のモニタリング検査でひっかかると厄介です。
また、「品質は悪いけど安い」ことがウリだったのですが、最近価格が高くなったため使いづらくなりました。
また、他の地域としてはウクライナの2023年産がまもなく入ってくるので、期待しているところです。
まとめると・・・
現在価格が下がってきていますが、各産地の作付面積が減る予想が多く、これからは価格が上がってくる可能性が高いようです。
結局ロシア頼みというような不安定な状況になりそうです。
また円安も続きそうなことも考えると、総合的に今が「底値」という思いもあって、先週今週と少し多めに契約しました。
(株を買う感覚に少し似ています。)
これからも小まめに情報をとってみなさんと共有したいと思います。
それでは本日もよろしくお願いいたします。
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