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百円コンサルティング7月号 日本経済自殺説・後編

未来予測専門の経済評論家の鈴木貴博が好き勝手に書くWEB経済紙「百円コンサルティング」です。6月は先月に続いて「日本経済自殺説」の後編です。

「バブル崩壊後、日本経済がなぜ成長できなくなったのか?」というテーマは経済学の中では最大のミステリーのひとつです。資金が投資に向いていかないとか、生産性がなかなか改善されないとかいろいろ説がありますが、このレポートでは「経済界自身が成長を望んでいない、いわば自分で成長を殺しているのではないか?」という説を展開します。楽しみながらお読みください。

百円コンサルティングは3か月過ぎるとバックナンバーは販売停止になります。一度購入された雑誌はnoteがある限りは読み続けられます。

日本経済自殺説・後編

1990年のバブル崩壊までは世界一の経済国家になるのではないかと思われていた日本が、90年代以降、謎の失速をして、現在では新興国レベルの経済へと転落しました。

日本経済の転落の原因について、日本社会による構造的な「自殺」だったのではないかという話を先月に続いて展開します。前回のあらましをざっくりとお伝えすると、過去30年間、世界経済を発展させてきたのはネットやスマホなどITを駆使した産業構造の変革でした。

1990年代初期までは先端技術で世界をリードしてきた日本経済ですが、それ以降の世界経済の変革期においてなぜか先端技術を社会に適用させる動きをサボタージュ(妨害)し始めます。自分で経済の発展を止めたのだから経済の自殺ということになる。これが前編の基本的なあらましです。

急激に新技術を武器にしたベンチャー企業が発展すると、既存経済が壊れてしまう。だから変化はスローにスローに進んで欲しい。その典型例が昨今のライドシェアについての議論だというとわかりやすいでしょうか?問題は世界経済は日本という抵抗勢力が望むような「計画経済」では思ったようには進まないということです。

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