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TeslaのEV充電部門がまさかの閉鎖へ…理解しがたい状況に

衝撃的なニュースですが、TeslaがNACSやSuperChargerを擁する充電事業部門を閉鎖すると発表しました。
先般のレイオフに連なる動きですが、EV車両販売の不調が伝えられる中で、他社にも展開して今後充電インフラとして安定収益を稼ぎ出すと見られた事業の売却…
今後の投資と利益を勘案すると、現段階での売却が最も事業価値が高いと判断したのかもしれませんが、事業譲渡先が気になります。

https://www.theinformation.com/articles/musk-plans-more-layoffs-as-two-senior-tesla-executives-depart

1;Teslaのレイオフ

 4/30にMusk氏は経営陣に向けたE-mailで新たなレイオフについて発出、内容は下記の通り
 [人員削減/コスト削減について徹底的に精査してほしい]
 [必要性/信頼性/能力に関して基準に達しない従業員は有無を言わさず削減]
 幹部レベルではEV充電担当シニアディレクターRebecca Tinucci氏と、新型車責任者Daniel Ho氏が辞任した

2;充電NW部門の閉鎖

 Teslaのスーパーチャージャーネットワーク(SC-NW)は競争上の優位性創出のための仕掛だったが、今回のレイオフはEV充電事業部門がメインターゲットとなった。
 広い範囲(地理的)で利用可能で利便性高い充電NWを要する部門。他の充電NWよりも高稼働率で不具合も少なく、何より顧客満足度の高さが様々な調査結果からも明らかなのだが…

 EV充電チームの幹部;Will Jameson氏はMusk氏の指示でEV充電事業部門が閉鎖されたと語っており、Xに[充電組織全体が消失した]と投稿している
 充電NWはTeslaの競争優位性の源泉でGlobalな課金組織全体が解体されたことを各メディアが確認。
 GMやFord等の大手OEM各社は一様に[理解しがたいし、誰しもが驚愕している]としている
 
 上記Jameson氏はXへの投稿で[NACS/充電NWを始めとする充電業界で我々が行ってきたことはエキサイティングだったが、何の意味があったのだろう…]とし、虚無感満載な状況
 事業部の解散は既に完了しており、Musk氏は下記のように投稿してSC-NWの拡大遅延を示唆している。
 -[Teslaは重要な場所には新しいSC建設を続け、現在建設中のものは完成させる]

3;その他

 Musk氏はTeslaの公共政策部門も解散させる予定で、2週間前に公共政策担当幹部は既に退職している。退職したRohan Patel氏はメディア取材に対して[公共政策チームは業界最高のチームだった][自身が偏見を持っていることは認識しているがチームメンバーは最高だった]としている
 公共政策チームはTeslaが進める電動ビッグリグ構想(西海岸のEVトラック充電網)に関してインフラ法に基づく補助金獲得できなかった責任を取らされたとみられる
 今回のレイオフは24/04にMusk氏が全従業員の10%レイオフを発表して2週間で実行に移され、TeslaのEV販売不振の最中に事業再構築のために行われている

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