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インドのUberが乗車料金入札システムを導入へ

インドの配車サービスはUberやOlaといった大手だけでなくEV専業やリキシャ専業などの当地ニーズに適応した様々な業態が進出しています。
当然ながら価格競争が激化していますが、Uberはこのほど推奨価格での入札方式での差別化を図るべく実験を開始したとのことです。
苛烈な価格交渉がデフォな同国でのドライバー/ユーザー双方の満足を担保すべくの実験、面白き取組です。

1;Uber Flexの事業展開

 Uberはインドの複数都市で、ユーザーが乗車料金を特定料金で入札/利用できる柔軟な料金設定サービスを展開。対象はスーラトやオランガバードなどインド国内12都市、当初はタクシー向けに展開、その後オートリキシャの乗車にも拡大
 特定地域の需給や交通量を勘案して価格が変動するダイナミックプライシングとは異なる
 
 Uber Flexは、デフォ価格が選択された状態で他に9つの候補価格が提供され、ユーザーは近くのドライバーと共有される運賃を選択可能。価格選択方式の入札で、提案運賃に基づいてドライバーは乗車の許諾判断を行う。
 競合であるinDriveドライバーが直面する[低運賃問題]への対抗として自由入札でなく推奨価格入札方式を導入
 サービスは[UberGo(手頃料金)][都市間タクシー]で利用可能で、一部都市では[Premia-Taxi][Auto-Rikisha]でも提供される

 Uberによると[第2級/第3級の都市で試験展開している]とのことで、同様の取組はレバノン/ケニア/ラテンアメリカ諸国などでも試験中。インド国内ではデリー/ムンバイなどの巨大都市圏でも取り組みを検討している

2;InDriveの事業

 インドのUber競合である[inDrive]では、ユーザーが乗車料金を手動入力して運賃交渉が可能なシステムを導入。inDriveでは多くのドライバーがユーザーの提示料金の低さに不満を持っている…
 上記課題に対して運営者は直接的な激しい交渉の抑制などの措置はとっていないが、下記のようにコメントして対応を喧伝する
 -[独自アプローチにより、ユーザーは手頃価格での配車体験を楽しみ、ドライバーは公正な報酬が確実に支払われる]とし、具体的にはドライバーに乗客料金に逆入札するオプションを提供し、ドライバーが値上げできるオプションを設定

3;業界の課題

 インドの配車サービスは急拡大しており車種を問わず様々な事業者(BluSmart/Evera/Ola/Uber/inDrive…)が参入して競争が激化、ドライバーは利用PFに関係なく低報酬/低安全性で大きな苦労を強いられている(ドライバーはサービスへの適正な報酬を期待するが)
 競合他社の料金にぶつけるのが手っ取り早い競合施策となっており、例えばinDriveでは[アプリ内推奨価格を他アプリ額よりも若干下回る水準提示]をし、更にドライバーへの手数料水準を他アプリの半分の水準にまで下げている

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