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デジタル通関Flexportがトラック版UBER;Convoyの事業買収へ

米国のデジタル通関事業者であるFlexportがトラック版UBERとして一世風靡したConvoyの一部資産買収に動きました。
Convoyは事業切り売り中で、本件資産買い入れでFlexportは顧客基盤拡大/サービスラインアップ拡大で事業価値を挙げる算段であります。
日本での事業ネタにもなると思われるところ、共有いたします!!

1;Flexportとは

 2013年創業のデジタルフォワーダーで、荷主からの見積依頼/輸送業者の手配/書類作成/書類提出/通関業務等を全てクラウド上で完結させ、荷主/輸送業者を巻き込む標準的な通関業務を構築
 これまでフォワーダーが独占した情報をデジタル上でオープンにして輸送業務を行う点が荷主に新たな価値として評価。主に[輸送状況の可視化]を通じて価値を提供
 └1;発送荷物の現在地や輸送状況の把握といった荷主要望への打ち出し
 └2;フォワーダーのサービス品質の明確化/評価
 これまでに24.9億USDを調達しており、Post評価額は80億USD(22/03時点)。

2;FlexportによるConvoy社の資産取得

 Flexportはデジタル貨物NW;Convoyの資産取得することで合意。Flexportは今後数週間以内に顧客向けにConvoyのトラック輸送物流サービスを再開する予定。
 FlexのCEO:Petersen氏は[事業/負債の承継はしないが中核プロダクト/一部エンジニアを受け入れる]としている。報道によるとConvoyの共同創設者兼CEOのDan Lewis氏がFlexportに参加する可能性があるとのこと
 Convoyはトラック版Uberで荷主と運送業者を効率よくマッチングするサービスを提供し、EC需要急増で課題となった[運送の手間/無駄][人材不足]の解消することを目指す
 22/04のラウンドではベゾス氏/ゲイツ氏を含む投資家から1.6億USDの出資と1億USDの融資を獲得し、事業価値は38億USDをたたき出した。しかし、10月末のWSJ報道では[大量/低利益率の貨物輸送への注力と需要低迷への備え不備による急速な事業不振]により調達に失敗し、事業切り売り/建て直し中のとこと

3;Flex社の事業拡大

 Convoyの事業基盤はFlexportのサービスにも恩恵をもたらす可能性が高く、Petersen氏は関連する通信事業者を含めた自社/顧客のコスト改善に役立つとみる。
 Convoyの強みは[40万人のトラック運転手][8万社の運送業者]のNWに加え、予約荷物の98%に対して供給側を完全自動化する[高度な調達技術スタック]であり、Peterse氏は[顧客に陸海空/鉄道を含む複合陸送など、フルライン&one-stopのサービスを提供すべく準備を進める]とし、Convoyの事業ポートも大幅に変更するべきと述べている
 本件の取引額は不明だが[価値に比べて買収価格は控えめ]とされ、Petersen氏の得意分野である業務効率化/財務健全化が活かされそう。Petersen氏は22/10にCEOに復帰して以降、肥大化した事業/業務を[従業員20%解雇]等のドラスティックな施策を通じて財務改善を主導。
 本件はConvoyの良質な技術を獲得することでR&Dコスト圧縮/事業拡大を同時に実現することを狙うもの。Petersen氏は[今回の買収はConvoyが構築した素晴らしい技術スタックに加え、Flexportに対する顧客ニーズ充足(あらゆる物流ニーズに対応するワンストップ化)のためである]と語っている

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