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Gogoroは政策不確実性に絡んでインド事業計画を延期、Rapidoと実証開始へ

インドでの事業展開を大々的に発表したGogoroですが、インド政府の電動化補助政策の遅れに伴い若干スケジュールを後倒ししました。
2025年の事業本格展開に修正しつつ、足元ではバイタク配送PFであるRapidoと連携して実証を進めるとのことです。
インド政府に拠るFAME3は電動二輪/三輪/リキシャに相当なインパクトが想定されるところ、スタートダッシュを図るべく頃合いを見極めています。

https://investor.gogoro.com/news-releases/news-release-details/gogoro-releases-second-quarter-2024-financial-results

1;Gogoroのインド深耕は補助金待ち

 8/15にGogoroはFY24-2Q決算と同時に事業計画を発表、インドでの事業展開を若干延期するとしている
 インド政府によるバッテリー交換に係るインセンティブ施策の詳細がまだ決定しておらず、事業拡大には決定を待つ必要がある。それまでは電動スクーター製造/販売とバッテリーパックの生産を拡大をしつつ、Rapidoとのバイタクの実証を行う

 CEOのHorace Luke氏は補助金施策を待ってのインド事業拡大を説明した
 -[インド事業化は2024年を予測していたが、バッテリー交換車両を含む補助金実施の遅れにともない、大半は2025年となる]
 -[現在、インドの重工業省が進めるFAME3は以前にEVに与えたのと同様にインパクト/メリットを交換型バッテリー車両とインフラに与えうる]

 決算発表と同時にバイタク配車PFであるRapidoとの実証計画の開始/実効を発表したが詳細は明らかにしていない。Rapidoサイドは共同実証の中身次第で事業拡大を両社で検討/決定するとのことで下記のようにCEOのAravind Sanka氏は語っている
 -[共同実証は現在ニューデリーで実施、Gogoroの車両を約1,000台導入する予定]

2;インド政府による電動化促進施策

 インド政府は2019年に国内EV購入者への補助金(FAME2)として11.9億の予算措置を実行して電動化を促進。24/03に終了したが予算執行額は130億ドルにまで拡大。
現在は後続施策としてFAME3を準備中で従前対象だった[BEV/PHEV/EV/電動バス]は外れ、以下が内容となる想定
 (目的)先進バッテリーを搭載した、[電動二輪/電動三輪]を対象とすることで大衆レベルでの電動化を促進
 (対象1)[電動二輪車=1万INR(33万台)][電動リキシャ=2.5万INR(1.3万台)][電動三輪=3万INR(2.5万台)]の補助金想定
 (対象2)報道によると[燃料電池車(FCEV)][バイオ燃料混合車]も支援対象になるとのこと

3;Gogoroとインド

 Gogoroはインド市場に強気で、23/12に実行した[バッテリー交換NW&車両リース]をベースに更なる拡大を目指す。CEOのLuke氏は下記のように語る
 -[当社はまだ赤字での事業展開だが、成長への投資を続けている。当社のターゲット市場は電動モビリティによる破壊的変化を迎えている認識を持っている]
 -[インド/東南アジア/その他市場は、電動モビリティが新しい時代を切り開きつつあり、早期対応が雌雄を決する]

 インドでの事業展開では現地事業者との連携をベースに進めており、Luke氏は下記のように語っている
 -[インド国内の電動二輪OEM5社と積極協力しており、GogoroのNWソリューションと連携した車両を展開するための実証を行っている]
 -[この協力により、低価格で様々な製品を市場に投入できる。実証は当社プレゼンスを拡大し、インドのB2B顧客への事業展開の前進を示している]

ちなみにこれまでのGogoroのインド関連施策は下記
 -2021年;インドの四輪大手であるHero MotoCorpと提携して市場調査/初期導入を開始
 -2023年;インド西部マハラシュトラ州(ムンバイ)に製造拠点を整備、同時にEV車両管理SaaSのZypp Electricへの出資も実行

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