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スクーターシェアリングの円滑化IoT/PF運営のSuperPedestrianが事業停止へ

米国/欧州でスクーターシェアリング向けのIoT及びPF展開を行い、自社でもモビリティを開発/運用するSuperPedestrianが事業縮小を加速させています。今回報じられたところでは米国事業の閉鎖と欧州事業の売却で、本件が実現したら完全に事業停止となります。
同社のIoTはリアルタイム状況診断/問題点のセンター共有を通じてモビリティのLTVを高めることを目的としていましたが、ここ最近の市場緊縮のあおりを受けた形となります。

1;SuperPedestrian(SP社)の現況

 SP社は自己診断SWを用いたシェアリングPFの造成/運営で知られるが、多くの事業を閉鎖する方向で動いると報じられている。
 -米国;12/31にシェアリングスクーター事業を閉鎖する予定
 -欧州;事業売却を検討している
 同社は報道内容を認めており、閉鎖理由は経済的なものとしている。公式コメントでは[投資家は現在に至るまで事業存続への資金投下してくれており、我々の努力が足りなかったからではない]とする…
 電動スクーター業界が厳しい環境にある中でSP社も他社同様にレイオフや事業縮小を実行、23/12初めにも行われた。12/15の社内メールで米国事業DirectorとCEOは[今後2週間、米国では各地のスクーターを倉庫に戻す際に必要最小限のスタッフのみ配置する]と公表した

2;直近の資金調達

 直近の資金調達は22/06に行われ、1.25億ドルを複数VCから調達。SeriesC
資金調達はCiti-ImpactFundがリードして[既存投資家:Spark Capital/General
Catalyst/Citi]に加えて[新規投資家:Jefferies/Antara Capital/SONY Innovation
Fund]等から行った
 23/07及び23/10にも非公開融資を取り付けているが、特許担保融資とのことで、JefferiesとAntaraに特許利用権は既に移管しているとのこと

3;SP社について

 2013年設立でケンブリッジ(米)を本拠に設立、電動スクーターのシェアリングPFの造成を狙っているスタートアップ。システムと車両を展開する。
 都市交通の需要が急増する中での解決策はコンパクトで小回りの利く都市型モビリティを開発することであるとのヴィジョンを掲げる
 診断/安全SW利用でBirdやTierなどの競合他社と差別化を企図し、21/07にはNavmaticを買収して技術強化を実現。歩行者防御安全システムを開発/展開、これにより歩道走行での危険な乗車行動をリアルタイム検出して対応可能に。
-車両-
(LINK)

 SP社のVISを搭載する電動スクーター、自社で設計/製造/活用されるシェアリング向けプロダクトで[電動スクーター界のVolvo]と評される
 無線更新可能なOS及び連携VISを通じ、乗車中は毎秒1,000 件の確認を実行して140 項目の重要ファクターを監視。航続距離は61マイルで、同社によると研究開発に7,500万ドルをかけたとのこと
(Copenhagen Wheel)
 自転車を電動自転車に変える後輪タイヤで、ハブ内にVIS接続して車両制御するデバイスを備える
 ブラシレスモーター/センサー/制御システム/LiBが組み込まれ、高速制御装置とアクチュエーターと組み合わせて加速力を増している。2017年に発売されたが、現在は販売停止
-システム;Vehicle Intelligent Safety System(VIS)-
 超小型モビリティが状況/問題を自己検出して対応できるセンサー/マイクロコンピューター/AIのネットワーク
 故障診断機器を搭載したスクーターを活用し、車両状況/問題点などをリアルタイムでセンターに共有し、故障連絡を不要としつつ車両の耐用年度を高めることが可能

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