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中国のEV墓場から学ぶ教訓

 中国でのEV放置(EV墓場)が一時期話題になっていましたが、この背景と学びを考えてみました。色々と批判はあれど、EV先進国である中国から学ぶ面も多いと感じます。

1;中国の放置EV

 多くのWebサイトで投稿/指摘されるように中国都市部の周辺でEV墓場多く出現、[EVの過剰生産]や[官民での台数操作]との声があるが得られる教訓は多い
 特にEV否定派は[EV=紛い物]で産業としての失敗を主張するが、その主張に意味はなく分析して活かす必要がある

2;放置の背景

 中国の都市周辺に数千台~数万台のEVが放置されているのは事実で、殆どは国内で失敗したカーシェア/配車サービスの残滓…EV墓場にはBJEV EC3(北汽集団)や Neta V(哪吒汽車)が打ち捨てられており、これらは上記用途で使われていた。
 ここ数年、カーシェア会社数社が数千台の長距離EVを都市部に配備した後に倒産、EVは行き場を失った状態に。放棄EVの殆どは新車でEV補助金を悪用しているとの声も
 放置EVをよく見ると損傷が激しいものが多く、カーシェア利用中に十分なケアがされず中古市場でも買い手が付かなった可能性が高い

3;教訓と学び

 今回の事例では[1;EV全体へのシェアは小さく、EV市場の悲観に至るものでない][2;放置EVの殆どは航続距離が200Km以下であり利便性が低い]という点がある。
 カーシェア会社は都市部内の利用で有れば、航続距離が短くとも普及させれば事業成立すると感がたが、そうは問屋が卸さず…。低コストは、効用/体験価値の低さを補完しえなかったし、特に都市で公共交通機関を使用したほうが早い場合には尚更だった
 少なくともICEよりも優れた差別ポイントを強調して展開すべきで、カーシェア/配車サービスと組合せても車両本体の品質の悪さを補うことはできない

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