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EV充電プロバイダのChargingPointが稼働性/信頼性向上へ注力!!

 米ChargePoint(CP)が自社充電NWの信頼性を向上させるために機械学習&SNS活用を行うと表明しました。CPは[NW全体で充電器稼働時間を100%に近づける]としており、今後進む公共充電NWでの補助金獲得&顧客満足度向上に向けたものとみられます。

1;CP社の稼働率向上策

 CPは現在243,000のアクティブな充電ポートを保有、安定稼働/稼働率改善が重要と認識して施策を打ち出し。現在はNWオペレーションセンター(NOC)と常時連絡をとり24/365での監視を行って、ステーション所有者への障害通知/保守チーム派遣/対応の実行を行っている。
 CP社は機械学習/SNS活用を通じて不具合監視(24/365での監視+ダウンしたステーション把握)/対応の迅速化を図るとする。具体的にはステーションの不具合の事前察知やSNSでの言及、双方を解析(ビッグデータフィードの解析)するために機械学習を用いる
 EVユーザーがCPポートの不具合をSNSで投稿した際にクローラが回収して機械学習で解析する
 リリースではSNSの特定はしないが、PlugShare(公共EV充電ステーションAPP)やXなどが想定される

2;今回の施策の背景

 EV充電に関する顧客満足度調査でCP社のスコアが低かったことが背景として大きいとみられる。JDPower/PlugInAmericaの2社による調査が現在進行中だが2022年の調査ではCP社の評価は不芳…
[2022年の調査]
 公共充電NWの課題として下記3つを明らかにした
1)住宅用充電サービスを使えない人の充電インフラアクセスの悪さ(交通量/人口密度による偏在)
2)充電中のユーザ体験を考慮していないこと
3)ステーションの信頼性
 JDPのユーザ満足度は1000点満点で、各社ランキングは以下の通りだがTeslaが他社を引き離す構図。
 Tesla(SC) 739
 Tesla(Dest) 680 
 Volta 667
 CP 639
 PlugInAmericaの調査は、EV所有者/EV関心者の双方を対象として実施され、対象の90%近くが購入に[概ね満足]していると。一方で公共充電NWには[壊れた充電器の存在]を要因として、46%の対照が不満と回答。

3;公共充電NWについて

 公共充電NWは政府資金も入るので充電プロバイダにとっては事業継続に必須のドメインだが、諸々の対応コストは高い…。バイデン政権のIRAやNEVIといった一連の電化政策に関して米国での円滑な事業展開には[一定稼働率の担保]が求められるため、顧客満足度も重要ながら事業継続に向けて対応が求められる

3-1;稼働率の担保

 連邦政府がNEVIに基づいて資金提供する充電NWには[最低97%の稼働]が求められ、CP社はNEVI公式ページでの情報公開も行う。一方で稼働算定における単一基準が存在せず各社にゆだねられているのが現状で、CP社は下記で測定
 -各充電ポートの動作時間の総和で、単一住所の全充電ポート平均ではない
 -この指標だと公共充電NWは96%の稼働時間を実現し、CPAssure(企業向け)では98%稼働しているとする

3-2;IRA法対応

 IRAでは[EVインフラへの75億USD投資]/[Made-in America]等の様々が含まれるが、IRAの定める特定要件がエライ面倒…。対象となるEV充電器は[米国内での製造(最終組み立て)]が求められるとともに[構成部材の55%は国内製である]必要があり、そこへの対応が求められる

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