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GMの決算発表、EVの堅調な需要で旧型Bolt-EV生産は継続へ

 7/25にGMは2Q決算発表を行い、EV需要の堅調さ/コスト削減の動きを背景に好調な決算内容でした。
 決算発表会の中で旧型Bolt-EVの生産継続やUltiumベースのEV開発踏み込みに多くの時間を割き、今後のEV展開への積極姿勢を感じさせるものでした。ただ、最後に労組との交渉難航で事業成長が遅くなる可能性があるとも述べておりました…

https://investor.gm.com/static-files/b81b49e6-108b-4e77-a190-4ab62cbac341

1;決算発表会;決算

 売上高は44,746M/USDで前年同期比で25.5%アップ、通期見通しは[堅調な需要と値上げ]を加味して上方修正。CFOによると北米での平均販売価格は52,000USDでYoY比較で1600USD上昇、[収益性重視のスタンスで、新車でも値下げはしない]とした。
 純利益は2,566M/USDで前年同期比で51.7%アップ、通期の純利益見通しは[9.3-10.7B/USD]に上方修正。コストは設備投資の削減を継続しつつ、今期は[792M/USD;LGとの新規契約][792M/USD;Bolt-EVとEUVのリコール関連費用]が一時的にかかった
 設備投資計画は11.0-12.0B/USDとし、従来より10B/USD削減。

2;決算発表会;事業

 EVに関してラインナップ拡充を宣言、CEOは[安価/旧型のシボレーBolt(EV)の生産打ち切りを撤回][次世代バッテリーUltium搭載の新型Bolt-EV導入]を発表。[23年下半期で10万台のEVを生産、さらなる拡大トレンドに向かう]とし、[FY22-24上半期で40万台のEV生産目標で、FY25にはEVで50B/USDの売上を実現する]とした
 EVの価格戦略は収益性重視を掲げ、Teslaが値下げ/需要喚起する方向性とは逆の戦略へ。むしろ、課題はサプライチェーンであり、需要を加味した供給網整備に注力していくとも述べた。
[EV関連]
 UltiumベースのBolt-EVの上市が発表されたことは大きなトピックで、LGとの商業契約締結によりUltiumの開発/生産体制が整備されたことによると見られる。こちらの車種では現行Bolt-EVよりも生産効率化が見込まれる
 一方で、旧型Bolt-EVの生産継続も発表。こちらは1Q決算で[UltiumベースのEVに集中するためBolt-EV生産は終了する]としていたが一気に掌返し、好調な需要に対応するものと。事実、2QのEV販売;15,652台のうちBolt-EVは14,000台近くであった

3;その他

 FY23下半期にGMは5つの新型EVモデル(Ultiumベース)を上市する予定。具体的にはChevrolet Blazer EV/Chevrolet Equinox EV/Silverado EV RST First Edition/BrightDrop Zevo 400/Cadillac CELESTIQ
 一方で労働組合との交渉が難航しており、事業戦略の順調な滑り出しには労組交渉が妥結することが前提に…。CEOは[GMは従業員に報酬を与え、事業の長期的な成功を支援するために、組合と公正な契約を交渉してきた長い歴史がある]と述べている。

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