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EVけん引で中国が自動車輸出No1へ

 みんなが気になる中国のEV動向ですが、シンガポールの調査会社;Canalysが中国の自動車輸出が日本を抜いて世界一の台数になり、うち3割以上がEVになる見込みとリリースしています。二次情報になってしまいますが…

サマリ

 既に東南アジア/欧州ではBYD/MGなどの中華系EVが大量に走行しており、視覚的には席巻しとる感がありますが、数値としても出てきたところです。
(1)中国の自動車輸出が2023年には日本を抜いて世界1位の440万台に達する見込みで、そのうち30%以上がEVになる
(2)中国製EVの普及率は25年までに欧州;16.5%/東南アジア;12.8%に上昇する見込みで市場席巻される可能性が大きい

1;調査内容

1-A;中国の自動車輸出

 中国の自動車輸出は2023年で累計440万台に達し、そのうちEVが30%以上を占める見込みである。現時点の中国自動車輸出は現在世界2位、[1;日本/2;中国/3;ドイツ]となっているが、EV輸出がけん引して23-1Qで中国は輸出量で世界1位に躍り出た。
 中国自動車協会(CPCA)によると直近の自動車輸出台数は下記の通りで、大幅に増加している。
 →23/04;42.2万台で、前年同月比;142%/前月比;10%Up
 →23/1-4月累計;149万台で、前年同期比71%Up

1-B;輸出先

 輸出先はEV増加で色合いが変わり、[アフリカ/中央アジア/南アジア]から[欧州/東南アジア]へのシフトが鮮明になった。Canalysの調査では、2020→2022の変化度では[欧州;5.9%→22.0%][東南アジア;7.6%→14.3%]に。
 平均出荷額は11.2万RMB(2021)から14.0万RMB(2022)に上昇、EV特にTeslaの上海工場からの出荷が貢献。着地の普及率観点では、直近の東南アジアが2.6%のところで2025年には12.8%まで上昇する見込み。欧州では2025年に16.5%になると見込む

2;調査からの洞察

 今回調査では、欧州の販売価格と中国からの輸出額は高い相関性があり、中国のEVの需要性が高いとみられる。特に欧州の軽自動車/乗用車におけるEV普及率が高まっており、コスパが比較的良い中国生産EVの支持が高いことは影響していそう
 COVID-19の影響から、多くの地域で国境跨いだ供給網が寸断される中で、一国内で完結できる中国の強さが生産面で際立った
 中国の自動車OEMは、電動化/テレマなどで先行者利益を得ており、高い生産能力/短い製品納期はまだまだ武器となる。一方で中国以外のOEMはEV移行に遅れており、浸透度合いに比例してコア技術開発でビハインドしてしまっている

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