YahooとLINEの統合を考えてみる
昨日呑んでいたら、いきなりの速報でFBのニュースフィードが一気に埋まった[Yahoo/LINE統合へ]の報道。諸々考えてみると面白いところで、冷静になると双方の抱える耐えがたき課題に対して統合して飛躍しようという前向きなものではないかなと思います。
もちろん、今後のSBGによる当該株式の取扱や、統合に向けての事業整理、はたまた決済分野ではメルペイどうなるんだろうという課題/懸念はありますが…。 取り急ぎ、まとめてみました。
<概要>
・SBGとNAVERが新JVを設立、新JVがYahooを有するZHDの株式の70%程度を保有
・ZHDがYahooとLINEの全株式を保有する方式
└現在はSB→ZHD;45%保有,NAVER→LINE;73%保有
・ZHDの上場は維持する方向で、11月内の基本合意を目指す
└LINE…利用者;約8000万人/連結売上高;2071億円(18/12)/直近時価総額;1.10兆円
└Yahoo…サービス利用者は:約5000万人/連結売上高;9547億円(19/03)/直近時価総額;1.85兆円
<統合の狙い>
・機能分化して各サービスで高度化/会員獲得を行うのが日本での主流だが、海外では機能を統合して一つのPFで提供する方式が主流となってくる中、対抗する狙い??
└Tencent/Alibaba/Facebook/Grab等々では、一つの窓口で各種サービスを担う方式へ
・国内でも金融サービス(決済)で金融/通信/小売と進出が殺到しており、規格乱立する中である程度の規模を持つ両社が一気にデファクトスタンダード化して市場を席巻する狙い??
└戦国無双的に乱立規格をぶった切るイメージか。
└まわりまわってスタンダードになればデータが集まり、顧客基盤強化へ繋がって好循環成長へ。
<考察/今後>
・両社の悩みが合致して今回の統合事案が出た中、相互に取り組み余地のある事業(EC/金融/決済等)での競争力加速を狙ったものとみられる
└Yahoo;SBGが収益性を求める中で伸びしろが少なくなってきた
└LINE;収益性への課題(特に膨大なデータを分析活用しきれていない現状)
・コンテンツ配信/ニュース/法人プロモ等でのカニバリの整理は収益性向上観点で必須
・加えて、法定観点からは下記が懸念される…
└(国内)独禁法の運用;事業切出し等の指示可能性/日韓関係の影響も一定ありえそう
└(Global)PFER規制;GAFAMと同様の規定が適用さえる恐れも…
・SBG…WEWORK欠損を抱える中での資金需要がある中で切り離す可能性も
└ないとは言えないのが、当該会社の株式を投資先のAlibabaに譲渡する施策
→仮に実現するとAlibabaにとってはEC/決済分野で日本を取り込むことが可能に
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