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生成AIと量子Cによる電解質性能を向上させるAionics

量子コンピューティングx生成AIでマテリアルズインフォマティクスを高度化するスタートアップ;Aionicsの紹介です。
同社はLiBの電解質改良/改善における組合せ発見に特化しており、従前のテキスト/論文をベースに無駄を省いてトーナメント方式で最強の組合せを見つけます。とかく、ChatGPTにばかり目が向くところですが、産業用途への援用も進んでいます。

1;LiB製造における組合せの妙

 LiBの世界では如何に新しい多くの組合せを生み出し、試すことができるか重要。特に電解質材料の適切な組合せを見つければ、EV/Grid/住宅などを含めた[より高速充電][より高いエネルギー密度]のLiBを実現できる…だが、これまでの欠点として、組合せに[10年以上の歳月と何千回もの失敗が必要]になってきた。
 AIの活用/量子コンピューティングの活用での組合せ生成モデルは、シミュレーション結果予測/分子候補の選択に貢献すると見られてきた。繰り返し学習(教師無し)で実行するたびに、より多くのデータが生成され、問題解決が向上する

2;Aionics社について

 Aionics社は2020年創業のAIスタートアップで自社AIツールが組合せの生成/物事をスピードアップできると主張、Porsche系のLib製造; Cellforce Groupや蓄電システム;FormEnergy,昭和電工,Lib製造;Cubergと協業体制を構築。ファイナンス面でもUP.Partnersを含む複数投資家から総計350万USDを調達。
 同社はLibを構成する正極/負極/電解質のうち、電極間のイオン伝達者たる電解質に重点を置く。AIツールを使用して発見を加速し、最終的にはより優れたバッテリーを提供することに貢献。
 具体的にはLiBに対するパフォーマンスプロファイルからプロセスが開始され、[生成AI&量子コンピューティング]をベースに、数十億の既知の分子DBで実験を実行。毎秒10,000の候補を検討できるようになった

3;生成AIによる加速

 生成AIを分子組合せに組み込むことで新しい候補の創生を実現。カーネギーメロン大学の研究所で開発されたソフトウェアを使用。当該ソフトウェア開発を先導したViswanathan氏は同社の共同創業者/主任科学者を務める
 既存のLiB材料データに基づく生成AIモデルを使用して、特定用途を対象とした新しい分子を作成/設計に成功。従来は数十億の既知の分子に依存した組合せで、既存の延長線上であった
 上記に加えて、OpenAI:GPT4ベースの大規模言語モデルの使用を開始、DBで組合せ設計を行う前に数百万の定式の絞込みを支援。このツールは、Aionicsが選択した教科書/論文に基づいて訓練され、特定用途では役に立たない特定分子を排除することに貢献
 基本的な構図としては、科学論文をキュレーションする人間と何も変わらず、次のインタラクションを提供しているだけとする。トレーニングに使用されたソースを参照することで全てが検証可能(特定事実を探すのでなく、設計原則を探す)

4;具体的な動き

 何十億もの候補がスクリーニングされ、[2つへの絞り込み]か[生成AIモデルを使用して設計]が為される。トーナメント方式で考えると分かりやすく、[最初のラウンドに進めなかった場合、勝者にたどり着くまで繰り返し、実証試験を実施して証明する]。そのうえで、勝ち組合せを見つけたら、製造事業者と協力して量産化&市場投入を行う
 このプロセスはセメントなどのいくつかの新しい分野でも使用。共同働創業者のViswanathan氏が設立したChement社は再生可能電力/原材料を利用して化学反応を促進、ゼロエミッション製品なセメントなどを製造している

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