【 ZOOM・slack・Discord 】 慶應SFCで3ヶ月実践してわかったオンライン授業ツールの暫定解
はじめまして!
SFC 鈴木寛研究会(通称 すずかんゼミ)の広報の大河原と申します。
すずかんゼミとは、慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパスを拠点とした卒近代におけるソーシャルプロデューサーの養成を目指すゼミです。ゼミ生一人一人が多様なプロジェクトを遂行しながらPBL(Project Based Learning)を行い、日々学び合っています。
そんなすずかんゼミではこの度、ゼミの活動を発信するためにnoteを開設いたしました!
現在、コロナ禍において、オンライン授業の推奨など新しい教育の在り方が模索されています。私たちが拠点とする慶應義塾大学SFCにおいても、春学期中は原則オンライン授業となるなど、感染拡大防止に努めながら学び続けることが求められています。
そのような状況下において、すずかんゼミとしてポストコロナ時代の「学びの一例」をここに示すことができたらと考えております。
ご覧いただけるととても嬉しいです!
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今回は、2部にわたってすずかんゼミでのオンライン授業の方法をお伝えしていきます。#1ではオンラインツールに絞ってご紹介していきたいと思います。
学生も教員の皆さんも、ZOOMを中心としたオンラインツールを使った授業が日常になりつつあるのではないでしょうか。リモートワーク・テレワークでも多く使われていることかと思います。
すずかんゼミにおいても、授業設計部という部署が中心となって、様々なツールを実際に使用しながらより良い授業設計を模索しています。
今回は授業設計部をリードする、授業設計部長の上杉修平さんにZOOMでお話を伺いました!
講義にはZOOM、議論・グループワークにはDiscord
―― まず、すずかんゼミで使用しているツールを教えてください。
上杉 業務連絡などにはslack、授業中はZOOMとDiscord、熟議の際(※1)にはmiroを使っています。
―― Discordというとe-sportsなどのイメージ強いですが、なぜ導入したのでしょうか。
上杉 初回はZOOMのみを使用していたのですが、自由なグループ移動がしづらい、グループメンバーの迅速なコントロールがしづらいなど、大人数のグループワークには向いていないことがわかってきました。
Discordの場合、それぞれのボイスチャンネルへの移動がワンクリックで可能のため、先生やTA、ゲストがグループを巡回するのも非常に容易です。1回の授業でグループを変えたりすることもあるので、その点においても使いやすいです。授業設計部として、1対1での対話や1対数人の発言の場をつくりたかったという意図もありました。
授業後に毎回アンケートをとっているのですが、Discordをはじめて使ったゼミ生が多かったのにもかかわらず、好評の声が多く、導入以来DiscordとZOOMを併用しています。
(グループワーク中の様子)
新しいツールはとりあえず、小さくやってみる
―― 新しいツールの導入となるとハードルが高い印象ですが、どう乗り越えたのでしょうか。
上杉 すずかんゼミ内の雰囲気として、「とりあえずやってみよう」の精神が強くあります。そのため、新しいツールに対しても抵抗感なく、まず使ってみるということができたのだと思います。また、N高などでオンライン授業を実践しているゼミ生がいたため、その知見を取り入れることができたのも大きかったです。
また、オンライン作業部屋というボイスチャンネルをつくり、実際のゼミ意外にもDiscordを使う機会を設けました。ゼミ生は自由に出入りし、各々の作業を行ったりご飯を食べたりするなど、たまり場となっています。
コロナ禍で人と会うことが制限されてしまった中ですが、気の向いたときにふらっとゼミ生と話せる、新しいコミュニケーション方法になったのだと思います。
―― ZOOMとDiscordはどのように使い分けているのでしょうか。
上杉 主に誰かの発表を聞いたり、先生やゲストの話を聞いたりする1対大人数の場合はZOOMに集まります。少人数での議論の際には全員でDiscordに移動し、適宜ZOOMに戻るといったかたちです。
ーー続いて、miroはどのようなツールですか?
上杉 miroはオンラインで使えるホワイトボードです。リアルタイムで編集が可能で、議論する際に意見を可視化がしやすく、まとめるのにとても便利です。
ーー複数のツールを使用するのに苦労した点などありますか?
上杉 miro、ZOOM、Discordを行き来するなど、運用によってはPCなどのデバイスに負荷がかかり、重くなってしまうことです。特にmiroはZOOMで画面共有をしながらビデオオンにしてしまうと動きが重くなってしまうことが多々ありました。そのため、それぞれの班ごとにボードをつくり、ZOOMはビデオオフにするなどの工夫が必要でした。
また、すずかんゼミでは5人程度の班に分かれており、班長の裁量に任せることで、班ごとの臨機応変な対応がなされ、授業のスムーズな進行につながりました。
ゼミの風通しをよくするslack
ーー最後に、slackについてです。大人数のコミュニティだと熱量を維持することが難しいですが、すずかんゼミではslackがアクティブな印象です。slackを使い始めて何が変わりましたか。
上杉 1対大人数ではなく、班、趣味、ゼミ内のプロジェクト、授業や執行部ごとのチャンネルなど、様々な切り口でコミュニティをつくりやすくなり、一人一人が発言しやすくなったと感じています。様々な軸でゼミ生とつながりを持てるようになったのが良かったです。
複数のプロジェクトが並行する中で、全てのチャンネルがオープンに誰でも見ることができるというのも利点だと感じています。ゼミでの決定事項やそのプロセスを誰もが見ることができ、すぐに反応・意見を伝えることができます。
slackの前はLINEで連絡をとっていたのですが、どうしても業務連絡にだけになってしまい、あまりアクティブではありませんでした。
また、ゼミ生それぞれがtimesというチャンネルを持っており、個人の学びや気づきなどを気軽に投稿しています。クローズドなTwitterのようなイメージです。
対面で一度も会ったことのないゼミ生の人柄や、思っていること、考えていることなどを知ることができるきっかけとなっています。
さて、今回はすずかんゼミで普段使用しているツールについてご紹介しました。私たちもまだまだ試行錯誤しながら、学びのより良い形を探っています。皆様のオンライン授業の工夫もぜひ、コメントで教えてください!
次回は『#2 授業コンテンツ』に続きます。引き続き、授業設計部長から、実際の授業のコンテンツや学生が授業を設計する意義について聞いていきます。またご覧いただけると嬉しいです!
※1 熟議とはすずかん先生が提唱する「熟慮して、議論すること」。自分の属するコミュニティの問題について、当事者として考え、意見を出し合い、解決策を考える取り組みのこと。
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