短歌 新作7首 『他者という名の世界』
東京にはこんなにたくさんの人がいるのに、ときどき自分は独りなんじゃないかと思う。
友達だって少ない方じゃないし、故郷に帰ればちゃんと家族はいてくれるのに、ほんとうはみんな僕のことなんかどうでもいいと思ってるんじゃないかって、たまに考える。
考え始めると止まらないので、そんなことないそんなことないって、飲みの席で不自然に大笑いしながら、友達の肩を強めに叩いてみたりする。
それで、ああ大丈夫だ、って思う。
そうしてまた何週間か経つと、また同じことを考える。
そんなループをぐ