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力試しに手話通訳士試験「障害者福祉の基礎知識」を解いてみた③〜社会福祉の試験対策に〜

問16.障害者総合支援法の「訓練等給付」

障害者総合支援法の「訓練等給付」に含まれるものを、下の中から一つ 選びなさい。

1.育成医療
2.移動支援
3.共同生活援助
4.生活介護

第34回(令和5年度)手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)

3.が正しい。
1.の育成医療は自立支援医療に含まれる。
2.の移動支援は地域生活支援事業に含まれる。
4.の生活介護は介護給付に含まれる。

【自立支援給付】は「介護給付」、「訓練等給付」、「相談支援」、「自立支援医療」、「装身具」からなる。

「訓練等給付」は自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助、共同生活援助」からなる。

厚生労働省

問17.障害福祉サービス

次の文の( )にあてはまる障害福祉サービスを、下の中から一つ 選びなさい。

( )とは、障害者支援施設やグループホーム、精神科病院等を利用していた障害者で一人暮らしに移行した者に対して、定期的な居宅 訪問、相談の要請に対する随時の対応を行うものである。

1.共同生活援助
2.就労定着支援
3.地域定着支援
4.自立生活援助

第34回(令和5年度)手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)

4.が正しい。

 厚生労働省

共同生活援助(グループホーム)

障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において行われる相談、入浴、排せつ又は食事の介護その他の必要な日常生活上の援助を行います。

就労定着支援 

生活介護、自立訓練、就労移行支援又は就労継続支援(以下「就労移行支援等」という。)を利用して、通常の事業所に新たに雇用された障害者の就労の継続を図るため、企業、障害福祉サービス事業者、医療機関等との連絡調整を行うとともに、雇用に伴い生じる日常生活又は社会生活を営む上での各般の問題に関する相談、指導及び助言等の必要な支援を行います。
【対象者】就労移行支援等を利用した後、通常の事業所に新たに雇用された障害者であって、就労を継続している期間が6月を経過した障害者(病気や障害により通常の事業所を休職し、就労移行支援等を利用した後、復職した障害者であって、就労を継続している期間が6月を経過した障害者も含む。)

地域移行支援

障害者支援施設、精神科病院に入所又は入院している障害者を対象に住居の確保その他の地域生活へ移 行するための支援を行う。

地域定着支援

居宅において単身で生活している障害者等を対象に常時の連絡体制を確保し、緊急時には必要な支援を行う。

自立生活援助

居宅において単身等で生活する障害者につき、定期的な巡回訪問又は随時通報を受けて行う訪問、相談対応等により、居宅における自立した日常生活を営む上での各般の問題を把握し、必要な情報の提供及び助言並びに相談、関係機関との連絡調整等の自立した日常生活を営むために必要な援助を行います。

問18.障害者雇用率制度

障害者雇用率制度に関する記述として正しいものを、下の中から一つ 選びなさい。

1.精神障害の診断書があれば、精神障害者保健福祉手帳がなくても雇用率に算定できる。
2.公務部門のうち都道府県の教育委員会については、特例的に法定雇用率が適用されない。
3.厚生労働省が指定する難病については、障害者手帳がなくても雇用率に算定できる。
4.法定雇用率未達成の企業は、障害者雇用納付金を納めても雇用義務は課せられる。

第34回(令和5年度)手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)

4.が正しい。

障害者雇用率制度

従業員が一定数以上の規模の事業主は、従業員に占める身体障害者・知的障害者・精神障害者の割合を「法定雇用率」以上にする義務がある。(障害者雇用促進法43条第1項)

民間企業の法定雇用率は2.3%(令和3年3月1日から)。従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用しなければならない。
国、都道府県、市町村などの公的機関と独立行政法人等の法定雇用率は2.6%、教育委員会は2.5%です。
雇用義務を履行しない事業主に対しては、ハローワークから行政指導が行われる。

特例子会社

障害者の雇用の促進及び安定を図るため、事業主が障害者の雇用に特別の配慮をした子会社を設立し、一定の要件を満たす場合には、特例としてその子会社に雇用されている労働者を親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率を算定できることとしている(特例子会社制度)。

「障害者」の範囲

障害者雇用率制度の上では、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者を実雇用率の算定対象としている(短時間労働者は原則0.5人カウント)。

ただし、障害者雇用に関する助成金については、手帳を持たない統合失調症、そううつ病(そう病、うつ病を含む)、てんかんの方も対象となり、またハローワークや地域障害者職業センターなどによる支援においては、「心身の障害があるために長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な方」が対象となる。

「難病」とは

「難病」とは、2015 年1月施行の「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」により、 下記1から3のとおり定義されており、国をあげて治療研究を進めるとともに、患者の医療費負担の軽減と、患者が治療を継続しながらも社会参加できるような総合的支援を進めることとされている疾病である。ただし、がんや精神疾患、感染症、アレルギー疾患等、個別の施策体系が樹立されているものは含まれない。

①発病の機構が明らかでなく
②かつ、治療方法が確立していない希少な疾病であって
③当該疾病にかかることにより長期にわたり療養を必要とすることとなるものを いう。

障害者手帳を所持しないと障害者雇用促進法による障害者雇用率の算定対象等には該当しないが、それ以外の様々な支援を活用することで、難病のある人の支援ニーズに対応する。

難病のある人の雇用管理マニュアル

https://www.mhlw.go.jp/content/10905000/000517555.pdf


問19.令和3年度使用者による障害者虐待の状況等

次の文は、厚生労働省の「令和3年度使用者による障害者虐待の状況等」 の調査結果に関する記述である。( )にあてはまる正しい語句の 組合せを、下の中から一つ選びなさい。

虐待が認められた障害の種別では( ア )が最も多く、虐待の種別では( イ )が8割近くにのぼり、次いで( ウ )の順であった。

1.ア:精神障害 イ:心理的虐待 ウ:経済的虐待
2.ア:精神障害 イ:経済的虐待 ウ:心理的虐待
3.ア:知的障害 イ:経済的虐待 ウ:心理的虐待
4.ア:知的障害 イ:心理的虐待 ウ:経済的虐待

第34回(令和5年度)手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)

3.が正しい。

虐待の定義(障害者虐待防止法第2条第8項第1号から第5号)

<身体的虐待>
障害者の身体に外傷が生じ、若しくは生じるおそれのある暴行を加え、または正当な理由な く障害者の身体を拘束すること。

<性的虐待>
障害者にわいせつな行為をすることまたは障害者をしてわいせつな行為をさせること。

<心理的虐待>
障害者に対する著しい暴言、著しく拒絶的な対応または不当な差別的言動その他の障害者に 著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

<放置等による虐待>
障害者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置、当該事業所に使用される他の労働 者による上記3つの虐待行為と同様の行為の放置その他これらに準ずる行為を行うこと。

<経済的虐待>
障害者の財産を不当に処分することその他障害者から不当に財産上の利益を得ること。

「令和3年度使用者による障害者虐待の状況等」ポイント

①通報・届出のあった事業所数は、前年度と比べ3.7%減少し、1,230事業所。 通報・届出の対象となった障害者数は、前年度と比べ1.6%増加し、1,431人。
②虐待が認められた事業所数は、前年度と比べ2.2%減少し、392事業所。 虐待が認められた障害者数は、前年度と比べ0.8%増加し、502人。
③認められた虐待の種別では、経済的虐待が420人(77.6%)と最も多く、 次いで心理的虐待が61人(11.3%)、身体的虐待が32人(5.9%)。

令和3年度使用者による障害者虐待の状況等

https://www.mhlw.go.jp/content/11909000/000985124.pdf

問20.障害基礎年金

障害基礎年金に関する記述として正しいものを、下の中から一つ選びな さい。

1.同居する家族の所得が一定以上の場合、受給できない。
2.年金の等級と障害者手帳の等級とは、連動していない。
3.20歳より前に発した障害については、受給できない。
4.老齢基礎年金と併給できる。

第34回(令和5年度)手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)

2.が正しい。

障害基礎年金の受給要件

次の1から3のすべての要件を満たしているときは、障害基礎年金が支給される。

1.障害の原因となった病気やけがの初診日が次のいずれかの間にあること。
・国民年金加入期間
・20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間
2.障害の状態が、障害認定日(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日)に、障害等級表に定める1級または2級に該当していること。
3.初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。
ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。
また、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。

日本年金機構


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