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手話通訳者全国統一試験「手話通訳技術のトレーニング」2020過去門⑰解説〜シャドートレーニング〜

2020年度手話通訳者全国統一試験の過去問について、参考文献をもとに独自に解説をまとめたものです。

問17.手話通訳技術

手話通訳技術のトレーニングについて述べています。そのうちシャドートレーニングについて、下記の(1)〜(4)の中から正しいものを1つ選びなさい。

(1) 同じ言語で言い換えることで、話し手の伝えようとしている意味や内容を損なわないことが必要である。
(2) モデルが表現した手話の単語を1語〜3語遅らせて、モデルの手話表現のあとを追うように真似るトレーニングである。
(3) 手話表現において真似るときは、手話の動作の強弱・スピード・方向・大きさ・位置・表現・体の向きなどできるだけ同じになるように表現する。
(4) 表現された内容を理解する力、内容を再構成して表現し直す力を高める表現方法である。

2020年度手話通訳者全国統一試験 筆記試験 問17

問題解説

(3)が正しい。手話通訳の技術・技法は大きく手話通訳技術と手話通訳実践技術にわかれる。手話通訳技術はさらに表現技術と翻訳技術にわかれる。

シャドートレーニングとは

シャドーイングトレーニングとは、モデルの手話や音声による表現を、ほとんど同時に真似て表現するトレーニングである。手話表現に置おいて真似るときは、手話の動作の強弱・スピード・方向・大きさ・位置・表情・体の向きなどできるだけ同じになるように表現する。手話を正確に読み取る力を高め、同時にさまざまなモデルの手話表現を身につけることを目的に行われる(手話通訳Ⅰ,p45)。

デカラージ・シャドートレーニングとは

モデルが表現した手話の単語を1〜3語遅らせて、モデルの手話表現のあとを追うように真似るトレーニングである。1〜3語遅らせて真似るためには、読み取った手話の内容を一定時間記憶しておく力や、1〜3語遅れて手話を表現しながら、モデルがその時点で表現している手話にあわえせて読み取るという操作を頭の中で次々と行わなければならない。(手話通訳Ⅱ,p23)

サマリートレーニングとは

「サマリー」とは要約するという意味である。表現された話のポイントを押さえ、要約して表現し直すトレーニングである。表現された内容を理解する力、内容を再構成して表現し直す力を高める練習方法である。表現された話を通訳の対象者が正しく理解できるように、翻訳する力を身につけることがこのトレーニングの重要なねらいである。(手話通訳Ⅰ,p31)。

イントラリンガルトレーニングとは

メッセージ内容を把握した後にそれを別の言葉に置き換える練習をいう。

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