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8曲目『LOVE SPACE』(昭和52年 1977)山下達郎

 大御所の曲を立て続けに紹介します。
 山下達郎との出会いは、私が高校生の時に発売された6作目のアルバム「FOR YOU」でした。このアルバムの前に、あの『RIDE ON TIME』が大ヒットしたことで、時間も予算も心配することなくアルバム作りをすることができたことも功を奏したのか、このアルバムはソロ4年目にして初のオリコン1位を獲得しました。
 このアルバムを、私にしては珍しく、レコード屋で買って、それこそ、擦り切れるまで聴きました。お聴きになったことがないみなさんも、このアルバムに収められている曲を聴けば、大概、聞き覚えがおありになることでしょう。

 さて、今回、取り上げる『LOVE SPACE』は、山下達郎の2枚目のアルバム「SPACY」の収録曲です。シュガーベイブ解散後、ソロになった達郎は、なんと、デビューアルバム作りをNYで行います。しかし、お金と時間をふんだんに使って作った割にはセールスに結びつきませんでした。よって、2枚目のこのアルバムは、時間も予算も制限された中で制作せねばならなかったそうです。セッションメンバーの中には、村上秀一(Dr.)、細野晴臣(Bs.)、坂本龍一(Kb.)といったトップクラスのミュージシャンが参加していますが、B面の5曲のほとんどは、達郎一人で演奏して多重録音したそうです。達郎が弾くピアノやシンセに、達郎自身のコーラスを重ねて録音するこのやり方は、これ以後、予算や時間の制約に関係なく普通に行われることになります。

 『LOVE SPACE』は、お聴きになると、一見、宇宙の物語を歌っているように聴こえますが、実は、まるっきり違う《《裏意味》》があります。お知りにならない方は、この短い歌詞が何を意味しているのかお考え下さい。
 作詞は、吉田美奈子。この表現は、さすがとしか言えません。

 この曲は、聴いていても、カラオケで唄っても超気持ちいいのですが、この高音を達郎のようにファルセットなしで長く引っ張りながら歌うと、この先のカラオケの選曲はかなりの制限を受けます(笑)
 1998年の全国ツアーでの当県のコンサートチケットが奇跡的に手に入って参戦したのですが、バンドのメンバーに休憩があっても、達郎は出ずっぱりで3時間、24曲を歌いあげました。最後の曲では、ステージから一度、袖に引っ込んでしまって(どうしたのかしら…)と思ったら、袖から脚立を持参して、ステージの中央に建てて置き、その上に登ってから、マイクなしで最後の節を館内に轟かせました。

 彼の喉は、モンスターです(笑)

♪『LOVE SPACE』(昭和52年 1977)山下達郎
 作詞:吉田美奈子 作曲:山下達郎
https://www.youtube.com/watch?v=KzPkEY7iBqw