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新居の何も無い床に寝転ぶ、というのをずっとやってみたかったので、今やっています。

硬い。

広い。

いや部屋自体は小さいのだけど、なににも場所を取られていない部屋って言うのは案外広い。
多分家具を置いてしまうと、まさに所狭しという感じになってしまうので今のうちしかできない。

硬い。

腰が痛い。

清掃されてワックスをかけられた、綺麗なフローリング。
普通の木の床とフローリングの違いってなんですか?わからないのでわたしは今の家の床をフローリングと認識します。そっちのほうがなんだかいい気がする。
だからあえて調べない。

硬い。

電気代がどのくらいかかるのか、が怖すぎて全電気を消している。
ガスの元栓も閉めている。
湯沸かし器のスイッチも切っている。
キッチンの手元灯の紐が切れていて、大家さんがブレーカーを入れた瞬間に点灯してしまったきり煌々とキッチンを照らしているので、キッチンだけが明るい。

床は硬い。

内見で見た時より収納が大きい気がする。
都合のいい脳内補正かもしれない。

なんか、思ったよりいい部屋な気がしてきた。時間が無さすぎて半泣きで決めた割には。
役所の人にも「いい部屋を見つけたね」と言われたが、その時には「畜生が……」としか思っていなかった。
いい部屋、見つけたんだろうか。

床はどうしても硬い。

実家がかなり住居としては最悪だったため、結構わたしはどんな部屋を見てもすごいなあ、と思う。

シャワートイレもモニタ付きインターホンも、照明のリモコンも網戸ですらも、実家にいた頃は当たり前になかった。なんならタイマー式風呂釜ってやつで風呂を沸かしていて、手桶で体を洗っていたのでシャワーがついているだけで儲けものくらいの気持ちでいる。
だから部屋を見る目には自信がなかった。でもまあ、自分がいいならいいのか。どうせ家賃だって低い。

硬い。

床の色味、淡くてかわいい。硬いけど。
床が汚かったら嫌だなあと思って汚れてもいい靴下を履いてきた。嫌な慎重さ。
ピンクの靴下にやけに似合いなライトベージュの床。
硬い。

なにもわたしは硬いことに苦言を呈したいわけではない。床なんて硬いのが当たり前、ふにゃふにゃだったらむしろ困る。
クッション性のある床に憧れない訳では無いけど、どうせわたしは床を踏んでる時間よりベッドにいる時間の方が長くなるから、床なんて究極なんでもいい。
すぐに散らかして床が見えている面積の方が狭くなるから色だって好みじゃなくてもいい。

でも、硬くて淡いなあと思う。
多分こう思うのって荷物がひとつもない今だけだ。


嗚呼。


硬い。

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