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都バスとベビーカーと不妊治療

ふと、noteに目を通していると、こんな題名が目に飛び込んだ。
「悲願達成!ついに「双子ベビーカーを折りたたまずに乗車OK」都バス一部路線で実現へ」

なぜ気になったのかというと、最近、東京都の都営バスが、今月(6月)7日から全線で、ベビーカーを折りたたまずに乗ることができるようになると発表されたニュースを見たからだ。
その時は、何となくニュースを見ただけではあるが、関連して思い出したのは、2019年名古屋でベビーカーのバス乗車を拒否されたという出来事だ。たいてい私は「他人事」として見てしまい、そこにあるモラルや制度などを知らずに、「この運転手ひどいな」と憤慨した記憶がある。そこで改めて、自分自身の「他人事」として見てしまう姿勢を正そうと(いまさらになってだが)思う。

 冒頭のnoteを書いた方を見てみると、「多胎育児のサポートを考える会」の市倉加寿代さんだということが分かった。多胎児(たたいじ)とは、同じ母親の胎内で同時期に発育して生まれた複数の子供。つまり、双子(ふたご)・三つ子などの総称である。
 自分自身、1人の子どもの場合でも、ベビーカーを折りたたんで抱っこするという行為は大変であるのに、いざ双子の子どもを一度ベビーカーから降ろして、ベビーカーを折りたたみ、2人を抱えてバスに乗り込むという一連の動作は、力のある大人の男性でも、かなり難しいのではないだろうか。女性ではなおのこと然りである。今は車いす用のリフトもあるのだから、折りたたまずに乗れるようになったことは、子育てをするパパ・ママ世代にとっては朗報と言えよう。

 「他人事」として見てしまう自分を変えるためのものであったが、もう一つ気になることを見つけてしまった。それは、多胎児というワードから引っ掛かったのだが、不妊治療で行う体外受精などで生まれる子どもの、双子の出生率が高いというということであった。それは、医学的生殖補助や、晩婚化が影響しているのではないかと書いてあるものを見つけた。
医学専門誌『ヒューマン・リプロダクション』に発表された研究によると、世界中で誕生している双子は、年間160万組以上だそうだ。ほぼ40人に1人の割合である。さらに双生児の年間出生数トップはアフリカとアジアだという。

日本でも、菅内閣総理大臣が政策のひとつの目玉として、不妊治療の保険適用を打ち出し、来年には保険適用になるという話題は目新しいだろう。芸能人でもいるのかと調べてみたら、仲間由紀恵さん、いろいろあった杏さんらも双子を生んでいるそうだ。
番外ではあるが、「ローラだよ」で有名なローラさん自身が双子。さらに、妹と弟、母親も双子であるらしい。これはすごい双子遺伝子だ。

 せっかくなので不妊治療の保険適用がどう進んできたのかを記載しておこう。

■2020年9月8日
自民党総裁選にて「不妊治療の保険適用を実現する」と表明。
■2020年9月15日
自民党・公明党連立合意の中に、「四、全ての人が安心して暮らせる全世代型社会保障の構築を急ぎ、とりわけ深刻な少子化を克服するための取り組みを強化する。」と明記
■2020年9月16日
菅内閣発足
■2020年10月26日
所信表明演説にて「所得制限を撤廃し、不妊治療への保険適用を早急に実現する」と表明
■2020年12月20日
「不妊治療への保険適用」などを盛り込んだ全世代型社会保障改革の最終報告を閣議決定
■2022年4月から
不妊治療の保険適用を実施。それまでの期間は現行の助成制度を拡充する。

「自民党 不妊治療の保険適用」と検索してみたところ、上記に記載した、菅総理が総裁選で表明した記事、野田聖子議員の不妊治療の体験談の記事が出てきた。男性議員からのモラハラ、マタハラにもほどがある内容だ。怪しからん。

「公明党 不妊治療の保険適用」と検索してみると、ニュース記事がたくさん出てくる。一本だけ見てみると、「20年来の主張実る」とあった。1998年から「基本政策大綱」に掲げて取り組んできたそうだ。不妊治療助成制度がスタートしたのは公明党の坂口厚労大臣時代だったらしい。

「立憲民主党 不妊治療の保険適用」と検索してみると、一つ目に塩村あやか議員が出てきた。ここには「10年以上動きのなかった「不妊治療の保険適用」の議論。野党第1党が動き、世論の後押しがあれば、党を動かし、そして、政府が動きます!野党だから出来たことです!」と書いてあったが。なぜ、立憲民主党の前身、民主党政権の時に実現できなかったのだとは思うが、いまは言わないこととしておこう。

 話がそれてしまったが、不妊治療の保険適用がなされ、子どもがなかなか作れずにいた人も、安心して子づくり、子育てに専念することができる時代。そして、双子などの多胎児が多くなりつつある今日、ベビーカーに乗せたまま、バスに安心して乗れるというような、小さなことかもしれないが、若者世代へ、育児世代へもしっかりと恩恵が受けられる時代へと変わってきたとしみじみ感じる今日この頃である。

p.s 深田恭子さん主演の『隣の家族は青く見える』も一度見てみたいと思う。


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