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人生の発表会 。


「 星の数 。」という記事。

これを 書いたあとに、出てきた言葉。


人生の発表会 。

広い部屋に、沢山 並んだ椅子と机。
まばらに座っている人達。
大きなスクリーンの横で、自分の過ごした
人生を 1人1人 発表していく。

何てことない 平凡な 人生でも、
言葉に出来ない 苦しみも、喜びも。
たんたんと 説明していく。

人生が終わった後、
私も その部屋に入り、自分の番が来るまで、座ってその発表を聞く。


後から来た人に、

「やぁ。となり良いですか?
     ついに来ましたね。この時が。」

なんて言われながら。

説明が終わると

どんな人生にも、
最後は みんなで拍手を贈る。


あぁ 思い出した。小さい頃から
私は 神様 になりたい 。そう思う事があった。

今、" 神様 " と聞いて 思い浮かんだであろう
その神様ではない。


私が いう 神様 は、
真っ白な 小さな部屋で
イスに座っている人だ。

部屋には 窓も無く、一面に 
四角く仕切られた 画面が 沢山並んでいる。

その一つ一つに 1人1人 の人生が 
映し出されていて、人との 出逢いや 別れも、
画面の中で 繰り広げられている。

動いていないように見える画面は、
落ち込んで 何も出来ずにいるから。

イスに座っている人は、
背が高く ひょろ っとしている。
その無数にある 画面の一つを じっ と
眺めている。

顔は 無表情で、画面の中が どんな人生でも
クスリ とも笑わず、涙一滴も 流さない。

ただ 眺めている。

動作といえば、たまに  机に
置いてある コップの取っ手を掴んで
口に持っていくだけ。

私は 何処かに そんな人が いるのだ
と思っていた。
いろんな人の人生を眺めている人が。

それが出来るのは 神様だろう。
ということにして、私の中には、
平凡な生活の 神様が誕生した。


私は、いつからか 
この人を 羨んでいた。
私も、そんな事をしてみたいな
と思った。

人生の 傍観者になりたい。 と。


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