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【真実】勝利の女神より大事なもの

今このタイミングで北京五輪を戦う”ロコ・ソラーレ”について書くのはあまりにもベッタベタのベタなのでちょっとばかり憚ったりもしましたがそんなことより書かずにはいられない(笑)。

限られた時間で戦術を練る頭脳戦であり、スイープに関しては間違いなくアスリートの強度が必要だし、もちろん強靭なメンタルも必要だし、なにより屋内とはいえ自然環境との戦いでもあるという点を鑑みればカーリングも立派なスポーツだとつくづく思うんだけど、

時々自分はこのスポーツを見ているのかロコ・ソラーレを見ているのかわからなくなる瞬間がある。
あの「破顔系の笑顔」にやられているのだ。


■勝利の女神

『笑う門には福来る』
有名すぎてもはや枯れた感じさえするこの言葉に対し、ロコ・ソラーレというチームは2時間ぐらいの試合でその鮮度を復元してくれる。

苦しい場面でも笑顔を忘れなければ女神がそれを見ていて、やがて自分たちに幸福として帰ってくる。準決勝進出を諦めた時の朗報がまさにソレで、女神はたとえ試合中に微笑まなくても長い目で見ればこんな風に幸福をもたらしてくれるんだと僕らも改めて目の当たりにすることが出来た。

中には真剣勝負の最中にヘラヘラするなと戦前の感性をぶち込んでくる人もいるかもしれないけど、人口11万ちょっとの市民が世界一を懸けて全世界に放送されているという事実の前では、そんな文句は弾かれたストーンより価値がない。

とにかく、
どんな時も笑顔を絶やさない彼女たちの世界観に僕らはかなり惹かれている。笑顔で画面越しに応援すればその一員になれた気がして自然と高揚する。
オリンピックが終わった後もそのままその笑顔を保持し続ければ今度は自分にも女神は微笑んでくれるに違いない。問題は試合の5分後にはすっかり忘れて眉間にしわを寄せてしまう自分のバカさ加減にあるのだけれど(泣)。


■勝利の女神より大事なもの

僕がロコ・ソラーレを拝見していて思わず筆を執ったのは、笑顔に対して勝利の女神がほほ笑むという定説を改めて書きたかったからではなく、もう一つの気付きにある。

今の僕にはコレの方がかなりガツンと来る。それは金メダルより大事なものかもしれない。

勿体ぶらずに言うとそれはシンプルに、笑顔でやった方が楽しい!ということ。
勝利の女神がほほ笑むから笑顔でいるように努めるとかそういうことではなくって、純粋に笑顔でやった方が楽しいのだ

冒頭で、
”時々自分はこのスポーツを見ているのかロコ・ソラーレを見ているのかわからなくなる瞬間がある。”
と述べたけど、その理由はどうやらここにある。
緊張感や勝ちたいという感情のほかに彼女たちの場合は愉しくやってるというのが大前提にある。

僕らはそれに自然と影響を受けて、また明日もロコ・ソラーレの試合を見ようと思うのだ。


とても簡単な事なのに、なぜかできない。
大人になればなるほど遠ざかっていく。どうせやるなら楽しくやろうよ。というあまりにもシンプルな当たり前のことなのに。

でもロコ・ソラーレは違う。
喧嘩しながら取った金メダルより楽しくやれた銀メダルの方が良いかもしれない。記録には残らないけど、当事者の記憶には鮮明に残る。とても楽しかった想い出として。

これについては勝利の女神の存在はあまり重要ではない。

弾いたストーンも弾かれたストーンも一度止まれば微動だにしない。事実としては何も変わらないことを示すかのように。
だったら笑顔で楽しくやろうよ。ロコ・ソラーレはそれを教えてくれる。

せっかくなら愉しく生きなきゃ!!




本日も、最後までお読みいただきありがとうございました!

そして、選手の皆さんお疲れ様でした。

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