【エッセイ】思いがけず始まったカメラライフ
最近、趣味がひとつ増えた。
それは、写真を撮ること。
特にその土地の風景や食を撮りたい。
なのでドライブに行くときはカメラを持ち歩くようになった。
使っているのは、CanonEOS(キャノンイオス)。
先日、実家の父から譲り受けた。
現在67才の父は、50代の頃にカメラに詳しい同僚の影響で一眼レフカメラを買った。
その人に手ほどきを受けながら、庭の草花や風景、家族や職場の人たちの写真を撮っていた。
うちの家族は全員、写真に写ることが苦手なので逃げ回っていたのだが……
当時20代だった私は、一眼レフカメラをかっこいいとは思っていたものの「写真を撮ってみたい」とは思わなかった。
その時は、趣味が音楽で、バンド活動に夢中だったから。
それから10年以上の月日が経った。
結婚し、趣味は音楽から書くことへ変わり、取材記事も書くようになっていた。
そこでコンプレックスを感じたのが写真だった。
初めは、取材の撮影は先方了承の上、スマホで行っていた。
一眼レフカメラは、カメラに詳しい人が使うものだと思っていたし、価格的にも気軽に買いずらい。
けれどもスマホの写真には、限界があった。背が高い建物の全景は全て写らなかったり、商品写真も濃い陰が入る。
もっと綺麗な写真を掲載できれば、取材先のお店などの魅力がより伝わるのではないか。
そう考えるようになり、「一眼レフカメラを買い、使えるようになる」ことが目標になつた。
そしてタイミング良く譲られたのが、CanonEOSだった。
そんな縁があり写真を撮り始めた今思うこと。
それは、
写真撮るのって、楽しい!
その季節にしか見られない自然のうつろい、思わず他の人に伝えたくなるカフェやレストランなど、好奇心の数だけシャッターを押す。
何度も行ったことがある場所でも、撮影という視点で見ると新たな魅力に出会える。
例えば、通勤の途中にある山を撮るときに、ベストポジションを求めて場所を変えて撮り続ける。
最近は、正面から雪が残る山をメインに撮るか、それとも麓の田んぼの田植え風景を入れて撮るか……色々な視点でやってみる。
すると今まで知らなかった風景が見えて、毎日眺めている山が多彩な表情を持つことに気付かされる。
もしかしたら、父がカメラにこり始めたのも同じ理由かもしれない。
今度聞いてみよう。
そして、これからは文章はもちろん、写真でも地元の魅力を発信し、多くの人たちに伝えたいと思った。