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〈オテアワセ〉③「春を待つ」

オテアワセは、アクセサリーデザイン・制作を手がけるヨコイト装身具さんとのコラボレーションプロジェクトです。
共通の「お題」でそれぞれ作品を制作し、並べて展示しました。今日はその第3作目を公開します。

タイトル「春を待つ」

 毎年2月は三寒四温の気温に振り回される日々を送っている気がする。季節は冬と春を行ったり来たり。春の気配を感じたかと思うと、冬に逆戻りする。

 立春を過ぎると、私が暮らす仙台の地でも春の足音を感じる時がある。寒さが少しずつ和らいでいき、温かい日差しが降り注ぐようになる。よく晴れた日のお昼ごろ、家の陽当たりのいい部屋にいると、「もう春が来たのではないか」と思うくらいに温かく、明るい。

 外に出ると風はまだ冷たいのだが、お店に入ると春の季節限定スイーツが並び、気持ちが高まり、つい寒さを忘れてしまいそうになる。スギ花粉症の私は、早くも目や鼻がむず痒くなるというネガティブなこともあるが、それも春が近づいている印。日に日に季節が進んでいくのを感じることが増え、ワクワクしてくる。

 けれども油断はできない。
 突然ドカッと大雪が降ったり、冷え込んだりするからだ。この時期の雪は水をたっぷり含んでいて重たい。雪かきをしていると、雪ベラの柄が折れることもあるくらいだ。さらに夜に気温が下がると厄介で、道路に残ったシャーベット状の雪が凍ってしまう。翌朝、通勤のため仕方なく運転していると、こちらの意思とは無関係にガタガタと車が揺れたり、ハンドルがとられて対向車に突っ込みそうになることも。実におっかない。ようやく職場に着くと、雪かきが待っている。2月の大雪の日の朝はぐったりだ。それなのに…雪かきを終えたとたんに晴れ間が広がり、あっけなく雪が溶けたりして。「あの苦労は一体何だったんだろう」と力が抜けそうになることも、多々ある。


 春と冬が入り乱れるこの時期は、もどかしさを感じてモヤモヤすることもある。だから、冬から抜け出せない日が続いたら、寒い時にぴったりの深煎りのホットコーヒーと、春を思わせるイチゴのスイーツでも食べながら、ゆったりと「春待ち」をしようと思う。

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