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【東北の方言】共通語だと思っていた…「ゴミを“投げる”」

 こんにちは。東北暮らしの週末ライター・すずき ちえです。みなさんは「共通語だと思って使っていた言葉や表現が、実は方言だったこと」に気づかされた経験はありませんか?

 岩手県と宮城県にしか住んだことがない私は、もちろん経験ありです。その一つが「ゴミを“投げる”」という表現。こちらでは「投げる=捨てる」の意味で使っています。私の両親も東北人なので、子どもの頃から当たり前のように使っていました。ゴミ収集日の日の朝、母親に「ゴミ投げてきて~」と言われると、何の疑問も感じずにゴミ置き場に持って行ったものです。

 方言だと気が付いたきっかけは、テレビ番組でした。全国放送でその地方ならではの名物などを紹介する番組で、取り上げられていたのです。スタジオにいた東北地方出身者以外の出演者が驚いていました。それもそのはず冷静に考えると、「ゴミを投げる」と言われたら、「ゴミ袋を何かに向かって投げる」という発想になるよなぁ…。その時初めて、「共通語だと思っていたのに実は方言だった」ということに気が付きました。

 ちなみに、地元の年配の人と作業する時、ゴミを「捨てる」よりも「投げる」と言った方がスムーズに伝わった経験が何度もあります。それだけ当たり前のように耳に馴染んでいる言葉なのですね。

 同じように共通語と勘違いして使っていた言葉に「うるかす」があります。例えば米を炊く前、水を入れて浸しますよね?あの状況を「米をうるかす」と表現しています。こちらも共通語だと思い込んでいました…。もちろん、地元のおじいちゃんおばあちゃんには「うるかす」で十分伝わります…前に「浸す」と言ったら「なぬ(何)?」と聞き返されました(笑)

 こうしてみると自分の暮らす世界の狭さに恥ずかしくなるものの、長年、地元で使われ続け、今も生き続けている言葉があることの尊さを感じます。そしてこれからも残るといいなと思います。

 なので、私は「ゴミを投げる」と「うるかす」は使い続けるでしょう(…というよりかは、無意識に口にしています…もはや抜けない)

 全国各地にあるであろう、方言や独特の表現。興味深いです。

※「ゴミを投げる」「うるかす」は北海道でも使われているようですね。(北海道出身者の方より)