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【おすすめ!東北ゆかりの本】サラダチキン元祖の企業に見る、仕事への真摯な姿勢~『ひと手間カンパニー~岩手の端っこで“南部どり”を育て続ける会社の話』

こんにちは!
東北暮らしの週末ライター、すずき・ちえです。

突然ですが、みなさんはスーパーやコンビニで「サラダチキン」を買って食べたことはありますか?

私は学生時代にダイエットをしていた時に、お世話になっていました。塩やハーブで味付けしてあるので食べ応えがあり、かつ低カロリーで重宝していたのを思い出します。


そのサラダチキンを初めて作った会社が、株式会社アマタケです。

サラダチキン好きとしては、どのような会社なのかが興味深く、4代目社長が執筆した本『ひと手間カンパニー』を手に取りました。


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株式会社アマタケは、岩手の沿岸部の街・大船渡(おおふなと)に本社がある、養鶏と食品加工の会社です。
家畜肥料の個人商店が前身となり、1964年に養鶏事業をスタート。業界では初めて、鶏の飼育に抗生物質を使わずに育てることに成功。
安全で美味しい、ブランド鶏「南部どり(現・フランス赤鶏)」として西日本にまで流通の範囲を広げました。

今や売上年商105億円(2020年3月期)、従業員数483名(2021年3月現在)を数えます。

そんな岩手県屈指の大企業であるアマタケですが、長い歴史の中で、安全で品質の良い鶏肉を作るため10年以上にわたる試行錯誤、鳥インフルエンザの流行など様々な困難を乗り越えてきたことがわかりました。

中でも、印象深かったのは2011年3月の東日本大震災でした。岩手県内の施設5つのうち4つと運送部門が津波の被害に遭うなど40億円もの経済的な損害があったそうです。

その後、辛うじて半年ほどで徐々に流通を再開させたものの、風評被害で思うように売り上げが伸びない状況に追い込まれます。

そこで、売り上げの変動が少なかった加工食品に力を入れる、さらにお客さんが買いやすいように鶏肉をカットして出荷するなど「ひと手間をかける」など商品を買ってもらえるように変化していく様子が伝わってきました。

この本を読み感じたのは、アマタケの困難が襲いかかっても出来ることを続けていく真摯さです。そして柔軟性を持って困難を乗り越えていく姿勢を見習いたいと思いました。

◆今日の本◆
『ひと手間カンパニー。岩手の端っこで“南部どり”を育て続ける会社のはなし』
甘竹秀企著
発行 ダイヤモンド・ビジネス企画
発売 ダイヤモンド社