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【読書記録】心が通い合う温かさと優しさを感じられる本


『雨降る森の犬』は、長野県の蓼科高原が舞台の、中学生の雨音と飼い犬ワルテルを中心とした物語です。
雨音は、父親を亡くし、母親が恋人を追いかけてニューヨークに行き一人になり、蓼科高原の登山写真家である伯父・道夫の家に移り住みます。
そこで道夫と飼い犬ワルテルとの3人での暮らしがはじまります。最初はワルテルと距離感がつかめず、苦手意識がある雨音。
また隣の別荘にやってくる高校生の正樹とも話すようになります。正樹も父親や、父の若い再婚相手とうまくいかずにいました。
やがて雨音は、徐々に道夫や、ワルテル、正樹とも「家族」のような関係を築いていきます。
そこへニューヨークから母親がやってきて…

この本を読み、印象に残ったのが次の言葉です。

見返りを求めず、愛し、見守り、寄り添う。
シンプルなそれだけのことがどれだけ難しいかを知れば、他人に対する鬱憤や不満は薄らいでゆく。

犬の人への愛に触れた主人公の思いです。
言葉にはうまく言い表せないのですが、心にスッと入ってきたところでした。

私は、犬を飼ったことがなく、初めて知るところも多かったのですが、犬がいる暮らしも素敵だと思いました。

読み終えた時、優しさと温かさに包まれたような気持ちになりました。
また、登山のシーンが多くて思わず山に登りたくなりましたし、信州に行って物語の舞台を見てみたくなりました。

個人的には、犬好きな方におすすめしたい本です。





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