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【ブックレビュー】作家から会社員まで、多くの女性の仕事観が見えるエッセイ集~『女と仕事』

こんばんわ!
東北暮らしの週末ライター、すずき・ちえです。

今日は久しぶりにブックレビューを書きたいと思います。
タイトルは『女と仕事』。一見、カタくて難しいタイトルだと感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

私もその一人でしたが、蓋を開けてみると仕事についてのエッセイ集で、現在の仕事にたどり着くまでや、職場でのエピソードなど、身近な内容に感じました。

◆本について

『女と仕事』は、“すべての愉快な仕事人にささげるリトルマガジン”『仕事文脈』の2012年11月から2016年5月刊行号に掲載された文章の再録を中心としたものです。

私が本書を知ったのは、執筆者のひとりで、エッセイストの太田明日香さんがきっかけでした。

昨年、所属している「京都暮らしの編集室オンラインサロン」で太田さんのエッセイ講座を受講。作品を読みたくなり、購入したのです。

本には、太田さんを含む22名が書いたエッセイが掲載されています。

22人のプロフィールを見ると、エッセイスト、ライター、写真家、IT会社の経営者、本屋店主、そして一般企業の会社員など職業もバラバラ、活動場所も首都圏、地方都市、海外まで……と様々。共通しているのは「女性」ということのみでした。


◆感想

執筆者ひとりひとりの人生や想いに触れられた上、励みになる言葉にも出会えました。

前出の太田明日香さんは、バンクーバーでの求職活動とパート経験について書かれています。(バンクーバーと仕事 初めてのパートより)

スーパーでのパート中、外国での慣れない仕事に怖い顔でレジに立っていたという太田さんに、副店長が、「Take it easy」「Smile」と声をかけてくれたそう。

そこで太田さんが感じたのがこちらの内容。

仕事の基本はどこでも同じ。できない自分にがっかりしたり恥ずかしくなったりすることもあるけれど、それさえ忘れなければどこにいたってなんでもできる。

『女と仕事』より引用

この文章を読み、共感と清々しさを感じました。

……というのが私自身、この4月から会社では新部署に異動になり、ライター活動では新たにあるメディアで書かせてもらうことになるなど、変化の時を迎えるからです。

新しい場所ではワクワク感が大きいものの、4月が近づくと不安な気持ちもムクムクとわいてきます。
環境が変わり、仕事を覚えてやっていけるだろうかなど。

そのような時に「仕事の基本はどこでも同じ」という一文を読み、自分の中に一本芯が通った気持ちになりました。
「Take it easy」「Smile」、いつも心に留めておきたいなと。
そして、そのことは仕事だけに限ったことではなく、生活すべてに当てはまることなのでは……と気がつきました。

誰ひとりとして同じものがない、22名のエッセイ読みごたえがあります。共感できるものも見つけやすいかも。

タイトルに“仕事”とついているものの、仕事の有無にかかわらず、読んでみると新たな発見があるかもしれません。

そして、例のウイルス以前の内容なので、リモートワークなど新しい働き方に触れた文章も読みたいと思いました。

◆今日の本

『女と仕事 「仕事文脈」セレクション』
著者 仕事文脈編集部
発行 合同会社タバブックス

購入は「タバブックス」ホームページから
https://tababooks.stores.jp/items/5a61601727d1cc2992003f39





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