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祝20周年!

飲食業において、ラーメン業界ほど入れ替わりの激しい世界も無いだろう。それ故に永くやっているお店はリスペクトされるべき存在となっている。20周年と言えば人間なら成人式、大人になるという記念の節目にあたる。

豆でっぽう。おおよそラーメン屋と思えぬ名前のこの店がラーメン不毛の地・我孫子は天王台の地に誕生したのが2004年。つまり今年20周年を迎えたという。そこで勝手ながら、ひっそりとこっそりと、お祝いがてら豆でっぽうの事を記したい。

豆でっぽうのご主人は、かつて町おこし企画の一環として立ち上げられた「らーめん寺子屋」の卒業生だそう。ルーツを示すのは汁なし麺の光麺(こうみん)くらいで、あとは他所の寺子屋卒業生の店と違う、オリジナリティの高いラーメンを提供してきた。

基本は醤油・味噌・担々麺である。全て自家製麵であり、しかもそれぞれ作り分けている。醤油は甘じょっぱいながらもキレのあるスープが旨い上品系、味噌はコクたっぷり、野菜たっぷりのガツン系、そして砕いたナッツをふんだんに使った何処にもない独創的な担々麺、という構成。特に担々麺は某サイトでは千葉県担々麺ランキング1位を得るまでになっている。そう、今や押しも押されぬ、千葉県屈指のラーメン店なのである。

想い出深いのは、東日本大震災の翌年の発災日。世の中は薄気味悪いほどの外出自粛ムード。人気店である豆でっぽうなのに、私以外客は一人もいなかった。こんな事は初めてです、と言っていた店主。日本独特の空気感という化け物にひどく怯えたものである。それは数年後、コロナ渦という形で再び蘇るのだが。

つけ麺やチャーハンをやらないところも昔からずっとである。そして夏のほぼ二か月だけ、冷やし担々麺をやるのもそう。この冷やし担々麺がとにかく絶品。キンキンに冷えた器にたっぷりナッツのプースー。冷水で締められた麺はほそうちながらもピンとよう撓う。食感最高、お味も最高。あまりにも旨すぎるので行列が普段以上に長くなってしまうのが難点である。

地元の誇りと言っていい名店・豆でっぽう。
20周年おめでとうございます。
これからも変わらぬ味をよろしくお願いします。

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