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カカオ100%チョコは美味しくない、という学び

高カカオチョコレートは、カカオが70%以上のチョコレートのことを言うらしい。

「チョコレートは食べると太る」とか言われるのは、チョコレートに含まれる大量の砂糖やミルクが原因なのであって、カカオ自体は健康・美容に良い成分しかないらしい。

つまり、チョコの元凶はカカオ以外の部分。

ならばいっそのこと、「高カカオ」なんて言っていないで、「100%カカオ」にしてしまえばいいのではないか。
そうすれば、何の罪悪感も健康被害もなく、チョコレートを思う存分味わえるではないか。

そう思って、100%カカオの板チョコを買ってみた。

ホンジュラス産のカカオを用いたこのチョコの金色のアルミホイルを剥くと、見た目は普段食べているチョコレートと同じ色をしていた。

表面には生い茂るカカオのような植物(カカオであって欲しいが、私は野性のカカオの姿を知らない)がエンボス加工のように浮き彫りになっていて、なかなか美しい。インドネシアのお土産さんで見つかる木彫りのトレイを彷彿とさせる。

鼻を近づけると、チョコレートの香りに少しコーヒーを混ぜたような、濃くて苦みのある香りがする。赤ワインのようでもある。

悪くないのではないか。普通においしそうだ。

少しだけ食べてみようと思い、板チョコの上部をパキッと割ると、薄いのに固くて驚いた。
これは、100%カカオと関係があるのか、秋の気候で家の中が寒いことと関係があるのか、そのどちらもなのか、わからない。

チョコレートというよりは、ひんやりと艶のある黒いガラスタイルのようなさわり心地のチョコの破片を口の中に入れた。


すると……あれ。

溶けない。
口の中でとろんと溶け出し、なめらかに広がっていく、あのチョコの舌触りがまるでしない。

噛むたびにまるでせんべいのように口の中で粉々に崩れると、破片がころころと口の中で転がった。

そして、苦い。すごく苦い。
食べてもいいのか心配になるくらいには、苦い。

チョコレートだと思って食べると、がっかりすることだろう。
これは別の食べ物、もしくは薬だと思った方がいい。

しかし板チョコで買ってしまったので、まだまだたくさんある。
どうにかして食べきらなくてはならない。

試行錯誤の結果、65%のチョコと一緒に食べて割合を中和させたり、デーツと一緒に食べたりすることで、おいしくいただく術を学んだ。

もしかしたら、慣れるとおいしいと感じるようになるのかもしれない。
カカオ100%に行くには段階を踏む必要があったのに、いきなり100%にいってしまったのがいけなかった可能性もある。

山登りのように、少しずつ難易度を上げてトレーニングをしないとならないのかもしれない。

70%くらいからはじめて、少しずつ上げてみようかな、と思う今日この頃である。


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