私に刺さった言葉のナイフ -インスタグラマーに起きた本当にあった怖い話【誹謗中傷編】-
「すずさんって、歯並び悪いんですね。笑」
「投稿内容から、もっと優しい方だと思っていました、残念です」
「自分のこと大好きですよね」
「最近宣伝多くないですか?スパムみたい」
「DMを晒すのは、大人としてどうかと思いますよ」
「影響力のある方なんだから、発言に気を付けてください」
「SNSの世界でいつまで生き延びていられるか見ものですね」
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2016年から2021年の約5年の間に、実際にフォロワーさんからインスタDMで受け取った言葉。
これはほんの一部であって、胸クソ悪いDMやコメントは他にももらったことがある。
私は楽観的主義者なので、もうそのときのDMやコメントは、何が書いてあったかさえ忘れてしまった。
某場所ではもっと酷いこと言われています。
(ここに書いてる)
「誹謗中傷」
改めて考えてみると、この言葉はインターネットが普及してSNSが発達した今だからこそ作られた現代用語。
「誹謗中傷」は、「誹謗」と「中傷」を合わせた言葉である。
「誹謗」 - 他人を悪く言うこと。
「中傷」 - 根拠のない事を言いふらして、他人の名誉を傷つけること。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
冒頭に私のDMに送られた言葉と、某場所で書かれている言葉。
れっきとした「誹謗中傷行為」。
誹謗中傷を受けても、SNS上ではあまり大きな声では話しておらず、一部の友人に話をして私のメンタルを安定させていました。
たまに飛び交ってくる虫けらに目くじらを立てたとしても、なにもメリットが生まれないからです。
最近は、私のことを怖いと思ったのか、揚げ足をとってもつまらないと気づいたのか、そういったDMやコメントは今はほとんどなくなりました。
そんな私がこのnoteをわざわざ書いているのは、発信者ではない人に今起きている現状を知ってもらいたかったから。
これは私の話ではありませんが、こんな言葉をたまに見かけます。
そんなの放っておいたらいいじゃないですか。
アンチコメントを晒されているのを見ることが不快です。
冒頭のコメントといい、上記のコメントといい。
なぜ発信者さんの発信を「自分の好きな発信だけして」とコントロールしようとしているのでしょうか。
これが有料の発信情報ならまだしも、無料で受け取っている情報なのにこんなこと言われる筋合いはあるのか。。
個人のSNSで、自分が今気づいたこと、投稿したいと思ったことを投稿したらダメなのか。。
テレビ番組が不快な場合は、リモコンを取りすぐにチャンネルを切り替えるのに、媒体がSNSになるとなぜかリモコンの切り替えをせずに、思考停止のまま同じ番組を見続けてしまう人が多い。
テレビ番組とは違うのは、SNSの発信者は一人で全ての業務をこなしていること。
テレビ番組はチームで企画・撮影・放送と段階を踏み、お問い合わせ窓口は別にある。
ほとんどの発信者はたった一人でコンテンツを企画・作成・投稿をして、たった1人でフォロワーさんからのコメントやDMに対応をしています。
当たり前ですが、発信者は人間です。
心が折れるようなDMを立て続けにもらうと、たかがDMの開封する作業でさえ、開くことがとても怖くなるんです。
今ではメンタルつよつよになった私でも、当時はDM開封前に「また変なの来たかな」と構えていたし、私のインスタの治安とメンタルを守るために鍵アカウントにして非公開にするかも本気で考えました。
そんなに辛いなら、SNS辞めたらいいのでは?
定型文で辞書登録してるのかな?
と思うくらい、この言葉も見かけますね。
これは、多分実際に発信者になってみないと理解は出来ないと思います。
なんでそれでも発信者はSNSを辞めないで続けるのか。
それは単純なことで、
いくら傷つくコメントをもらうことがあったとしても、
自分が届けたい発信を待っててくれる人がいるから。
自分の生み出した発信内容で過去に救われた人がいるから。
「ありがとう」と感謝をしてもらえるから。
なによりも発信をすることが「生きがい」になっているから。
「生きがい」とは「生きる喜び」
それはいくらお金を払ったとしても、誰もが手に入れることは出来ない。
手に入れることが出来た人は、それまでコツコツ積み上げた努力と信頼関係を築いた人のみ。
そんな「生きがい」を「辞めたら?笑」の一言で終わらすことが、1人ではなくてたくさん存在している。
これは、大袈裟だと思われるかもしれないけど、日本の現代社会の闇だと思う。
1つの現象のみにクローズアップしてしまい、その事実が起きた背景を全く考えることが出来ない日本人。
「相手の言葉を理解する読解力」が明らかに足りていないのだ。
だから、多分このnoteを書いたところで、本当に伝えたい人には届かないことも私は誰よりも知っている。
いつもフォロワーさんから、たくさんの嬉しい言葉をもらっている。
「すずさんのおかげで生活が整ってきた」
「すずさんの発信を通して少しポジティブになってきた」
「いつも役に立つ情報を発信してくれてありがとう」
「これからも応援しています」
それなのに、たまたま通り魔に出会って、“言葉のナイフ”で振りかざされてえぐられた傷の方が深く記憶に残り植え付けられる。
「SNSの世界でいつまで生き延びていられるか見ものですね」
冒頭のこの言葉は、約3年前にTwitterの質問箱に匿名でもらったものだ。
未だに鮮明に覚えてしまっている。
ちなみに匿名ではあるが、私は勘が鋭いので、前後の行動から匿名の人物が誰であるか分かってしまった。
私に皮肉な言葉を投げかけた匿名人物は、私がインスタを始めた当初、インテリアアカウントだった時にインスタで知り合い仲良くしていた方。
同じ発信者として、コメントやタグ付けもしあっていた仲だった。
きっと、私の無意識にしている発信や態度が鼻についたのであろう。
だからと言って、人間としてやっていいことと、悪いことがある。
彼女は私と同じくらいの年齢で、小さな子供が2人いる。
昼はパートに出ているどこにでもいる普通の主婦。
そんなお母さんが匿名人物だと分かったときの衝撃。
「SNSの世界でいつまで生き延びていられるか見ものですね」
という、どうやったらそんな思考になるのか?ってくらいの言葉を
家事を一休みしている、
貴重なひと時の時間を使って、
わざわざスマホで入力しているのである。
その背景を想像してみたときに、彼女に育てられている子供に害はないのか心配をした。
同一人物と分かったときに、反論したい気持ちはあったが、辞めた。
私と彼女は同じ世界を生きておらず、理解してもらうことが無駄だと気づいたからだ。
彼女のインスタから、私のフォローが外れていたのに気づいた。
私もそっと、フォローを外した。
それから一切連絡は取っていないが、彼女は今でもそのインスタアカウントで細々と発信を続けている。
そして、そんな小さな出来事は彼女はもう忘れていると思う。
でも、心が苦しくなるような、息が出来なくなるような言葉を受け取った側は、何年経っても覚えている。
きっと、これから素敵な出来事がたくさん私の前に訪れても、ふとした瞬間にこの言葉が頭をよぎるのであろう。
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ここから先の話は、書いていてとても苦しくなるから、本当は書きたくない。
けれども、この事実を書くことによって、誰かの命が救われると思ったので私は書くことにした。
とってもとっても暗い話になるので、この先はお日様が出ている時間に読んで欲しいと思う。
気持ちが引っ張られると思うから、真夜中には読まないで欲しい。
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数年前、同じ時期に2人の友人と物理的に会えなくなってしまった。
2人とも家族ぐるみで仲が良かったし、一緒に旅行にも行く仲だった。
2人の友人には、私の息子と同じくらいの小さな子供が2人いた。
1人の友人は突然の病気。
もう1人の友人は、自ら旅立ってしまった。
そのことを知った時
「なんで?」
「なんで?」が頭の中をループしていた。
彼女は2人の子供にも恵まれ、楽しそうな日々を送っていた。
私は離婚を選んだので、幸せな家庭を持つ彼女を羨ましくも思っていた。
それなのに、「なんで?」
彼女のインスタグラムには、毎日とても楽しそうな、キラキラとした日々が投稿されていた。
彼女とのLINEを読み返した。
なにもおかしなことはないと思っていたが、今となっては違和感を感じる箇所がいくつかあった。
それを知ったところで、後の祭だ。
「なんで一言相談してくれなかったんだろう。。」
彼女が一体何に悩み、何に苦しみ、なぜ生きることを諦めたのかはもう誰も分からない。
知ったところで、戻っては来ない。
ただ、時間が経った今となって私が確信出来るのは、彼女は「双極性障害(躁うつ病)」だったんだと思う。
うつ病は、気分障害の一つとしてよく知られている。
日本人の約100人に6人が、生涯のうちにうつ病を経験しているという調査結果が出ている。
一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといった精神症状とともに、眠れない、食欲がない、疲れやすいといった身体症状が現れ、日常生活に大きな支障が生じている場合に、うつ病の可能性があるといわれている。
引用:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」
「双極性障害(躁うつ病)」という気分障害は、知らない人が多いと思う。
私は専門家ではないので、詳しい症状は下記を見て欲しい。
「双極性障害(躁うつ病)」は、うつ状態と躁状態(軽躁状態)を繰り返す病気で、日本では約100人に1人と言われている。
うつ病だと思いながらも、極端に調子がよくなって活発になる時期がある場合は、双極性障害(躁うつ病)かもしれません。
双極性障害では、ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態を繰り返します。
躁状態になると、眠らなくても活発に活動する、次々にアイデアが浮かぶ、自分が偉大な人間だと感じられる、大きな買い物やギャンブルなどで散財するといったことがみられます。
躁状態ではとても気分がよいので、本人には病気の自覚がありません。
そのため、うつ状態では病院に行くのですが、躁状態のときには治療を受けないことがよくあります。
しかし、うつ病だけの治療では双極性障害を悪化させてしまうことがあります。
本人だけでなく、周囲の人も、日頃の様子や気分の波を見守り、躁状態に気づくことが大切です。
引用:厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」
この病気の怖い所は、うつ状態がずっと続くわけではなくて、躁状態はいたって健常者と同じような行動をしているから、周りが全く異変に気付かない所だと思う。
また、うつ病よりも、自分で人生を終わらせてしまう可能性が高い病気。
そんな、周りからも気づかれにくくて、
たった1人で苦しんでしまうような心の病気が
日本人の約100人に1人が疾患を持って、
今もその病気と戦っている人がいるということ。
100人に1人って、学年に1人は必ずいる計算。
これ、絶対に忘れないで欲しい。
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孤独なインスタグラマーは多い。
誹謗中傷で悩まされたとしても、周りに頼れる人がいない。
そもそも自分がインスタグラマーであることは、誰にも言っていない人もたくさんいるだろう。
そんな人が誹謗中傷に遭い、心の病気を元々抱えていたら?
その危険性を、考えてみてほしいんだ。
発信者は全員が心の状態が健全なわけではない。
そもそも私が知る限り、日本人で365日心が健全である人の方が少ないと思う。
発信をしている人の中には、
不妊治療をしている方、これから出産を迎える方、生まれたばかりの赤ちゃんを育てている方。
人生の中で一番情緒不安定になる時期を過ごしている方は、多く存在する。
精神的な障害は、そういったライフイベントでのストレス(お祝いごとでも)で引き起こされることが多いらしい。
なにも考えずに送ったDMの言葉が、相手の人生を変えてしまうかもしれない。
ただ、ここで一つ言えることがある。
心が健康で、現状に満たされている人は、人の揚げ足を取るような言葉を生み出すことはないんだ。
だから、心に黒い感情が生まれてしまっている場合は、自分が何に満たされていないのか知ってあげて欲しい。
今、あなたがやることは、他人のSNSを見てあら探しをすることに時間を割くのではなく、自分自身の心と向き合ってあげることなんだ。
私は心が病んでいたときは、真っ黒な感情を持っていた。
人の不幸を見て、自分の方が幸せだと優越感に浸っていたことがあった。
そんな状況から数年かけて抜け出した私なので、その状況から這い上がれることも知っている。
真っ黒い感情を一生持って生きたいの?
それとも、そこから抜け出したいの?
自分が知らぬ間に精神障害を抱えている可能性も十分にある。
抜け出したいけど、抜け出し方が分からなくてもがいているのであれば、心療内科に相談しに行ってほしい。
精神障害って聞くと、すごく恥ずかしいって思うかもしれない。
私は23歳くらいで「強迫性障害」という病気で初めて心療内科を受診したけど、めちゃくちゃ混んでた。
電車の中で見るような、OLさんやサラリーマン、学生さん。
待合室はもちろん静かで、普通の病院となにも変わらなかった。
受診するまで数時間かかったと思う。
周りの人があまり言わないだけで、多くの人が心に不調を抱えている。
風邪薬をもらう感覚でカジュアルに受診してもいい場所。
私も、こんなになってしまって自分が恥ずかしいって思ってたけど、なりたくてなったわけじゃないから仕方ないよね。
脳内物質のバランスが、通常の方より崩れてしまっているだけ。
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「私には影響力がないから何もできない」
あのね、これは間違ってる。
人間に何もできないという言葉は存在しない。
誹謗中傷に遭って傷ついている人がいるのであれば、
その人が落ち着くまで側にいてあげたらいい。
話を黙って聞いててあげていてもいい。
自分の影響力が少なくても、今思っている感情を外に出してみたらいい。
出来ることは、いっぱいあるよ。
味方がいてくれることが分かるだけで、心の支えになる。
最近までLINEのやり取りをしていた人が、突然いなくなってしまうことを知っているので、もうそんな経験はしたくないんだ。
私はみんなと、おばあちゃんになってもスマホを片手にしわくちゃに笑いあっていたい。
たったそれだけ
どうしても辛くなってしまったときに聞いて欲しい曲を置いておきます。
価値は生命に従って付いている
ほらね君には 富が溢れている
「ありあまる富 / 椎名林檎」
もうすぐ9歳になる息子に
誹謗中傷に悩んでいるインフルエンサーがたくさんいることを話しました。
息子は、
「なんでフォローしてんの?笑」
と笑っていました。
情報は選ぶことができる
小学3年生の子供でも分かる、単純なこと。
キラキラして見えるSNSの世界の実際の裏側は、
闇を持った多くの人間に隣接している。
あなたの身勝手な意見はたった一回だけど
送られた相手はそれまでに何十回、何百回と石を投げられている。
DMを送る前に、その背景を考えてみて欲しい。
YouTubeで見たけど、誹謗中傷コメントをしていた男性の手元に開示請求の書類が届いたそうだ。
そこには、いつどんなコメントを残したか記載してあったらしい。
それを受け取った男性は、手が震え、そこでやっと自分の犯した罪に気づいたらしい。
もう、そんなつまらないこと、辞めにしないか?
間違ったSNSの使い方をする人が、1人でも減りますように。
すず
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