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南青山BAROOMのDISK-Over Session Vol.6『林美雄と荒井由実~2022年のパックインミュージック』(8/24)のご案内

さて、コロナ禍にも負けず地道に続けておりますスージー鈴木のライフワーク、南青山BAROOMでのDISK-Over Session(ディスカバーセッション)、第6回は『林美雄と荒井由実~2022年のパックインミュージック』というテーマにて開催します。

TBSラジオの伝説のパーソナリティ=林美雄の傑作評伝『1974年のサマークリスマス』(集英社)の著者である柳澤健さんをお迎えし、林美雄と、彼が出演していた番組「パックインミュージック」のお話をお伺いしつつ、DENON高級プレーヤー(DP-1300MKII)×良音爆音でレコードをプレイしながらの、スージー鈴木による荒井由実作品解説という二本立てでお届けします。

まずは林美雄の声でも聴いていただきましょうか。林美雄「金曜パック」最終回(1974)から。

『1974年のサマークリスマス』は、2010年代に読んだ本の中で、ラジオ好きかつユーミン好きのわたし的には、おそらくNo.1に面白かった本です。参加される方は、事前に読んでいただけると、楽しさ倍増するはずです。

個人的に興味を感じるのが、まずは林美雄が「パックインミュージック」に出演し始めた1970年当時のTBSラジオについてです。

林美雄に加えて、久米宏、宮内鎮雄(以上3人は同期)、小島一慶、小川哲哉という才能が集まっていたことがまず驚き。

特に、林美雄と久米宏の関係は、いろんな意味で対称的で、『1974年のサマークリスマス』の帯に寄せた久米の言葉は、とても多くのことを匂わせます。

また林美雄の「パックインミュージック」デビューにも久米宏が絡んでいるのです。『パック・イン・ミュージック 昭和が生んだラジオ深夜放送革命』(DU BOOKS)という本より。

ちなみに久米宏自身が、『小説すばる』連載時の『1974年のサマークリスマス』を語っている音源が残っています(2013年『久米宏 ラジオなんですけど』の音源?)

加えて、私はなぜか彼らの先輩である桝井論平(上の最終回音源にも出てきます)という人が1970年に著した、この本を持っているのですが。

これがすごい。例えば、こんなページが入っていたりします。驚きます。

1970年当時のTBSラジオはどんな感じだったのだろう。その中で、林美雄と久米宏が、どのように意識しあい、どのように別の道を歩んでいったのだろう。そのあたりが、私の興味の焦点の1つです。

そしてもう1つは、もちろん、今回テーマにも掲げた荒井由実のことです。

『1974年のサマークリスマス』で、ある意味最も衝撃的なシーンは、林の勧めで『MISSLIM』当時の荒井由実ファンになった人物が、次作『COBALT HOUR』に幻滅し、ユーミン本人に苦言を呈するところ。

「『ルージュの伝言』は好きになれない。ユーミンでなければ書けない曲が聴きたい。次のアルバムでは詞をちゃんと書いてほしい」

『1974年のサマークリスマス』

この言葉に対して、荒井由実が「いかにも荒井由実な返し方」(笑)をするのですが、それは本を読んでいただくとして(イベント当日もご紹介します)、「パックインミュージック」的/『MISSLIM』的世界と『ルージュの伝言』的世界との断層、前者から後者への劇的な変化に、強烈な興味を感じるのです。だってこれ、日本音楽屈指の転換点だと思うから。

などなど、当日は、荒井由実のLPを聴きながら、そんな話をしようと思っています。どうでもいいことですが、おそらく令和初、LP『YUMING BRAND』の立体メガネ体験会も開催します!

スージー鈴木自前。メガネがついていて、それで見るとジャケットが立体に!?

あ、すいません。今回は配信無し、会場チケットのみでの販売となります。コロナの動向は分かりませんが、ディスタンスを意識しつつ、30名程度のこぢんまりとした会にしたいと思います(8/1時点で既に17名の予約が入っています)。

ちなみに開催は、林美雄の誕生日=8月25日(サマークリスマス)のイヴとなる8月24日。ちなみに今年は、林美雄の没後20年。ふるってご参加ください。


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