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『平成Jポップと令和歌謡』いよいよ発売~オーディエンス文化の確立に向けて(シリーズ「50歳から評論家になる方法」-4)

音楽評論なんて、誰からも求められていないのではないか、と思わせる状況です。

ネットに溢れる記事は、音楽家の側からの一方的なものばかりで、聴き手の側が(ある程度の知性と節度を保ちつつ)意見を交わしながら、その音楽をさらに深く楽しもうという気運が、年々盛り下がっている気がします。

思い出すのは、(帯にもメッセージをいただきました)近田春夫さんのことです。一般的には『週刊文春』の「考えるヒット」になりましょうが、私にとっては『月刊明星』の歌本『YOUNG SONG』に掲載されていた、彼の新曲批評です。

数々の新曲を、歯に衣着せずバサッと斬ったかと思えば、いい曲は大絶賛。『YOUNG SONG』のページの下の方に小さな字ながら、佐野元春『Happy Man』(82年)を熱く熱く推していたことを、忘れることが出来ません。

――ちゃうねん。ラーメン屋や映画館やライブの帰り道、詳しい人らが自分なりの意見を戦わせるのん、めっちゃ楽しいやん。ああいう言論環境をマスに作りたいやねん。

『東京スポーツ』(東スポ)で、毎週毎週、新曲を批評する連載を一冊にまとめました。足掛け5年、のべ215曲について書ききりました。

少々大げさに言います。みんなでワッチャワッチャと意見を交わしながら、「聴く力」を研ぎ澄ませていくことによってのみ形作られるオーディエンス文化の確立に向けて、この一冊を世に問います。

ぜひ手にとっていただき、ご意見・ご感想をお寄せください。みんなでワッチャワッチャやりましょう。ワッチャワッチャの後に、オーディエンス文化とやらが見えてくるはずですから。

表紙は山梨にあるデザイン会社「3-2design」(さんのにでざいん)の中澤崇さんに頼みました。ダイノジ大谷ノブ彦さんのイベントのフライヤーを見て一目惚れ。連絡先を大谷さんに直接おうかがいして依頼したものです。

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左が「平成Jポップ」の「J子」。右が「令和歌謡」の「令子」。私は「J子」推しです。帯を外すと、テーブルに置かれているものや足元でまた楽しめます。

前書きはこちら

目次はこちら。

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Apple Musicでプレイリストを作りました(他のサブスクリプション・サービスでプレイリストを作ってくれるボランティアを募集します。奇特な方はsuziegroove@nifty.comにご連絡を)

中身はこんな感じ。

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最終章「平成Jポップから令和歌謡へ」では、これからの音楽シーンについての大胆に予測しています。

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10月8日(金)発売です。ポチっとしていただけると嬉しいです。ここだけの話、例によって(?)潤沢な部数をご用意しておりませんので、ネット派以外の方は、書店注文の手間とかがかかるかもです。すいません。でも一歩一歩。


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