自信家が嫌い
昔から、それこそ小学生ぐらいの時分から、
自分は自信家という人種が大嫌いだ。
勉強でもスポーツでも結果を出し、
大人たちに取り入って媚び諂うのだけは上手く、
誰にでも優しい爽やかなスーパーマンを演じながら、
内心能力が劣る人間を見下している……
あー!!
嫌だね。ほんと、やだやだ。
お察しの通り自分はクラスの中でもとりわけ運動や勉強が出来る方ではなく、
かと言って何も出来ないとかいじめられていたとかもなかったが、
みんなが目指している一方向のキャリアレースとは無関係に過ごしていた。
早い話が当時から変わり者扱いだった。
自信家の人間たちというのは、スクールカーストと呼ばれる物の中でも上位にいることがほとんどだ。
(そんなしょうもない尺度、くだらないからさっさとやめればって思うけどね)
ネットによると、あと大体上位にいるのは勉強は出来ないけどスポーツ万能な筋肉バカとか、ちょっとヤンキーぶってるのとか、要するに「陽キャ」たちらしい。
ファッションブランドのアバクロは、そういう人たちだけにターゲッティングしているから、それ以外の人は買うなみたいなことを言っていた。
ご心配なく。こちらから願い下げだよんッ
とりあえず、
こちらが自信家たちを嫌いなのは書いた通りだが、
同じように向こうもこちらを良く思っていなかった。
要するにお互い様やね。
小学、中学、高校と、どこに行ってもその手の奴らはいたが、
いずれも折り合いは悪かったと思う。
小学4年の頃、クラスに転校してきたT君という男の子がいた。
どこかの私立に通っていたか何からしく、親の転勤の都合でうちの公立小学校に来たようだった。
端正な顔立ちと爽やかな挨拶で、1日目からクラスに馴染むことに成功したT君。
噂通り、勉強もよくできて、クラス会でも積極的に発言したりみんなを取りまとめるようになった。
この時の担任は、非常に浅はかな男性教師だったので、世間的なステータスが高い彼を堂々とえこひいきしていた。
またT君は保護者たちからも好評らしく、親に「あんたもT君ぐらい勉強できるようになりなさいよ」とか言われたような気もする。
大人たちからもクラスメイトからも一目置かれていたというわけだ。
「社会一般的に言われる理想を体現した人間」というのを、この歳にして目の当たりにしたのであった。
残酷ゥ!!
不思議なことに、1ミリも羨ましいとは思わなかったけどね。
そんなT君と自分が同じ班にいたことがあった。
体育とか理科の実験では班ごとに固まることになっている。
自分は顔を合わせるごとに、他の人に聞こえないような声でT君から悪態をつかれていた。
「お前、いつもトロいんだよ。みんなが迷惑してるだろ。」
「鼻すするのやめろよ。ほんと汚い。」
「このタスクの失敗はお前が原因だからな。」
文字にするとなかなか酷いが(笑)、いじめというほどではなかった。
ただただ自分に対して不快感丸出しで苦情を物申してくる感じ。
そんな彼が、唯一自分に対して笑顔を見せたのは、腹痛で授業を抜けた自分がトイレから戻ってきた時だった。
「出なかった」と言うと、「便秘薬ぶち込んでやろうか?」と大笑いしていた。
蔑笑かよ!!
(ちなみに本当に出なかった)
そんなことはあったが、
自分は自分で、他にたくさん友達はいたしあまり気にもしなかった。
だが、やはりこいつとは仲良くなれないわぁと子供ながらに感じてはいた(笑)。
また中学のとき、絵に描いたようなパーフェクトヒューマンみたいなのがいた。
Y君とする。
勉強の成績はクラストップ、運動能力も抜群、音楽や美術もやる気MAXで取り組んでいた。
クラスのほとんどの者たちに優しい。
明るくよく喋る。
先生たちとも仲がいい優秀な生徒。
まあーーそんな人間と自分が仲良くなるわけもなく(笑)、
必要なやり取り以外はいっさい交流無し。
クラス業務の関係でどうしても口を利かなければならない時は、
彼は爽やかな口調から一転、冷たく突き放すような言い方ばかりしてくるのであった。
なぜかってそれは明白で、
彼からしてみれば自分(朱雀)は「出世街道に興味のない不出来な放蕩者の遊び人」だったのだ。
一方、自分から見た彼も「いい子ちゃんぶってる鼻持ちならないやつ」と悪印象ではあったが、
やり取りする時って普通嫌いでも建前上仲良く話さない??
彼の「軽蔑してます」感全開でそれを隠そうともしない接し方には心底驚いた。
彼が優しく明るく振る舞うのは
同じような上位の者たちや、助けると「いい人」って思われそうな困りごとをしてる中間層の者たち、すなわちメリットのある者たちだけだった。
自分含め、カーストとは別枠の人間や、
成績ビリ・陰キャなど最下層とされる人間にはゴミを見るような目つきだった。
(マンガでしか見たことなかったよ)
そういう本当の弱者に手を差し伸べてたら長い目で見て印象アップしてただろうに、馬鹿だねぇ。
きっと政治家とか向いてないわ。
ただ、Y君は見た目はなかなかカッコよかったので
2人きりになると本当は優しくしてくれてそのままベッドで抱いてくれて……みたいな妄想はよくしていた。(ぉぃ)
高校時代にも自信家はいた。
幸い同じクラスにはいなかったけれど、部活の、それも後輩で憎たらしいのがいたのだ。
U君は、学年が1つ下だったが、部活の練習ではめきめきと上達し、我々の学年の者たちと肩を並べる実力になった。
また、兼ねてから強気でモノを言う性格もあり、
部活内でもガツガツ発言していた。
部長たちやエースからは「貴重な意見もはっきり言ってくれるし良いやつ」と好印象だったようだが、
自信家が嫌いな朱雀ちゃん17歳は当然それを面白く思わない。
ある時、自分の判断で置いていた練習道具の置き方にU君が文句を言っているのが聞こえてきた。
どうやら同期の子に愚痴ってるらしい。
「いやいやこれおかしいでしょ。
普通はこう置くべきなのになんでこんな置き方してあんの?
効率悪すぎだって。
誰置いたの。頭悪いだろフツーに。」
(^ω^#)<ワタシですけど
なんか名乗ったら名乗ったであの高圧に触れるのがめんどくさいから黙っていた。
その間もずっと彼は「誰だよこれ置いたの。バカでしょ」とブツブツ言っていた。
自分たち3年の引退も近づいているという頃、
次期幹部を決める話し合いが行われた。
まず3年で集まって、2年の中で誰がどのポストにふさわしいかなんとなく決める。
その後、彼らを1人ずつ呼び出し、本人なりの希望があれば確認するという形だった。
我々の話し合いで最も有力な部長候補はI君という子だった。
真面目で実力もある、後輩の面倒見もいいし穏やか。
そこでI君を呼び込む。
I君は「え、自分なんかが!?いやいや出来ますかねぇ、責任が重いですね。任命されたら頑張りますけど」と不安な返事。
そうかー。。となっているところで、
次にU君を呼び出す。
我々が尋ねる。
「これから幹部を決めていくんだけど、やってみたい役職とかある?」
U君「もしできるのなら俺が部長をやりたいです。
どうせやるんならトップ張りたいじゃないスか」
カーっさすが自信家は言うことが違うわ。
それで人徳さえあれば1発決定だったのにね。
「責任が重い」という真面目なI君と
「どうせならトップで」というU君。
我々は、I君を部長にすることに決定した。
こんな感じで、自分に過剰な自信を持っている人間とは仲良くやってこれなかった。
おそらく彼らの中にある他者を見下す感情が、なんとなく読み取れてしまっていたからだろうと思う。
そういう人はそういう人同士惹き合うんだろう、
自分はごめんだ。
ちなみに小学校のT君はその後東大へ進み、医者になったらしい。
中学校のY君も東大へ行き、今では経営者だそうな。
…なんか、予想通りすぎてやっぱりという感じだ。
小さい頃から勉強もできて自信満々な子というのは、こうして定石どおりのエリートコースを歩んでいくのだ。
今いる「意識高い系」みたいなビジネスマンなんかも多くは小さい頃から自信家だったんだろうか。
社会に貢献して素晴らしいと思うが、決してああなりたいとか近付きたいとかは思えない。
確かに自分は捻くれているし(笑)、勉強もスポーツも彼らほどは出来なかったが、
これは僻みや劣等感ではないよ。
大学は一応、誇れるような所には入ったし、
単純にわかりやすい出世コースに興味がないのだ。
それに、一流やトップと言われている人でも、
それを鼻にかけず飄々としている面白い人とはかなり仲良くなれる。
要するにエリートに関わらず、どの業界においても、自信満々で独善的なバリバリ系とは相容れないのだ。
やっぱり今でも、自分は自信家が大嫌いだ。
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