ストリップ劇場のお客さんにメチャクチャ怒られた話
あろはろは!
メンズストリップダンサーの朱雀ガラティアです☆
以前、
メンズストリップとは?女性のストリップとの違い徹底解説
という記事の最後で
ストリップ小屋のお客さんに怒られたことを軽く書きましたが、
それはそれはもう大きな雷でした。(笑)
(この時です→男性だけどストリップ劇場で踊った話)
長いメンズストリッパーキャリアの中で、あれほどまでに怒られたのは後にも先にもきっとこれだけだと思います。(笑)
↑こんなのは本当に可愛いモンです。
ミジンコ。
ということで今回は、
わたくし朱雀が若かりし頃に犯してしまった失態と、怒られまくった時のことを思い出せる限り事細かに書いていこうと思います。
以前の記事でも書いたように、ある年のお正月、ストリップ劇場の新春ショーの前座にメンズストリッパーが登場するという異例の試みがありました。
その企画にお呼ばれしたのがメンズストリップ団体の先輩と自分で、
普段イベント出演や箱借りの公演しかしていなかった自分たちがストリップ劇場の公演に出るのは初めてのこと。
劇場特有の、というよりストリップ業界特有のしきたりというものがいくつかあり、
何も知らされていなかった我々でしたが先輩のお姐さん方や劇場のスタッフさんが都度都度教えてくれていました。
不慣れではあったものの、大体のルールは理解し特に大きなトラブルも起こさずに過ごしていたのですが……
劇場では、他の踊り子さんのステージを見学したい場合、それをお勉強と言ってご本人にお伺いを立てなければなりませんでした。
(「◯◯姐さんの舞台をお勉強させてください」と許可を取る)
劇場の楽屋とステージの間は分厚いカーテンで仕切られているので、
お勉強の際には客席から観ることになります。
そのとき自分たちもお姐さん方の舞台を勉強するお伺いを立てていました。
「全然いいですよ〜、どうぞ〜( ´ ▽ ` )」
という感じで皆さん快くOKしてくれたんです。
最初にお勉強(観劇)させてもらう姐さんのショー前、先輩と一緒に観客席に潜り込み、他のお客様の迷惑にならないよう後ろの方で待機していました。
ショーは言わずもがな圧巻で、魅せ方や表情、脱ぎ方に至るまで学べるところがたくさんありました。
1度にお勉強できる姐さんのショーは1つまでなので、一旦楽屋に戻り
「お勉強させていただきました」とお礼を言いに行きます。
そして次の部で、また別の姐さんの舞台をお勉強しに先輩と客席へ向かいます。
先ほどの凛々しい姐さんの力強い演目とは打って変わり、
こちらの姐さんはアイドルのようなキャピキャピした持ち味のショーでした。
ショータイムが終わり客席が明るくなり、
「こちらもまたいい学びになったなぁ、
さ、楽屋にお礼言いに行こう〜」
と思い客席を出ようとした矢先、
1人のお客さんが声をかけてきました。
(50代ぐらいのメガネのおじさん)
「君のショーよかったよ」なんて誉めてでもくれるのかしら?
「お前、◯◯姐さんのステージ勉強してたの?」
このお姐さんのファンの男性だろうか、と思いながら「はい。」と普通にお返事しました。
それに対し、「じゃあなんで座って観てるんだよ。立って観なきゃダメだろ」と言われました。
ゲッそんなしきたり聞いてないし………
と思いながらも、座って観ていたことは事実なので謝りました。
するとそのおじさん、
「なんでお前は座って観てるんだああああああ!!!!!!!!!!
新人の分際でええええ!!!!!!!!!
ふざけんじゃねえぞおおおお!!!!!!!!!!!!!
勉強だろおお!!!!!遊びに来てんじゃねんだろおおおお!!!!!!!!
姐さんに失礼だろうが!!!!!!!!!!
姐さんに謝れ!!!謝れよおおおおおお!!!!!!!!!!!!
俺は絶対永遠に許さねえぞおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
え…ちょ。
(ドン引きなんですけど)
どこでスイッチを押したのか自分でもよくわからないまま、
いきなり爆竹1兆個暴発ばりに怒りのボルテージを上げ続けるそのお客さんに怒鳴られるわたくし。
なんかこの他にも色々言われた気もしますが、とにかくただひたすらに謝り続けました。
だけど謝れば謝るほど逆効果。
あれ。自分の言葉って油分含まれてるのかなって疑わしくなるほど男性の怒り大炎上でした。
途中、あまりにキレ方が理不尽だったので言い返してやろうかと思いましたが、
団体の看板を背負っていると思いぐっと堪えました。
これ今思い返してもマジで偉いな自分。
ほんと褒めてあげたい。
個人で仕事呼ばれてたら確実に喧嘩買ってます。(笑)
実はそもそも、座って観ていたのには訳があります。
1回目のお勉強のとき、自分は1番後ろの壁際で立って観ていました。
(こっちが正解だったなんて!悔しい!!)
対し、先輩は自分の近くの席に座りながら観ていました。
立って観ろとか座って観ろとか言われてない自分は、先輩がやっている方が正しいと思い、
次のお勉強の際には座って観ようと思ったんです。
(1回目の時は先輩が座った時点で満席だったので自分は座れなかった)
「そうか!立って観てると場所によっては邪魔になるし、さらに後ろに人が来たらその人が見えないもんな。」←悪夢の勘違い
そう理解・判断しての行動だったのですが…
よくよく考えたらその先輩も自分と同じく劇場の公演は初なので、
団体の先輩とはいえ劇場のしきたりは知らないはずなんです。
後々聞いたらやっぱり知らないから座って観ていただけでした。くそぅ。
そんな先輩を1回目に見ていたが故に2回目には自分も座っていたのですが、こんな大目玉を喰らう結果に。
怒鳴られている間、先輩を目で探すと
アレッ!!!!
立ってる!!!!!!
自分の目論見
「でもぉ〜、うちの先輩も座って観てますよぉ〜〜?
というか先輩に倣って座ってただけだしィ〜〜。
怒るなら自分だけじゃなくて先輩にも言ってもらっていいスカぁ〜〜〜?」
と怒りの矛先を変える作戦が見事に潰されました。
この間にも、仮装大賞の得点のごとくお客さんの怒り度合いは上がっていきます。
客席全体はおろか、楽屋にまで聞こえんじゃねぇのってレベルの大声で怒鳴り散らされる自分は、目で先輩に助けを求めました。
いや、というか助けを求める前に助けろよ、先輩なら、と思いましたが(笑)、
とりあえずここで先輩に間に入ってもらえば収拾つく可能性は高まります。
すると。
野郎、ロビーに逃げやがりました。
先輩に対してなんて言い草!!!(笑)
ごめんなさい撤回します。
でもこんぐらい言いたくなるのも分かると思わない???
可愛い後輩ちゃんが怒られているのに守ることもせず逃げ出すだなんて!!!
ていうかそもそもアンタのせいでこんなことになってんだからね!?!?
怒鳴りオヤジの声と先輩の逃走にダブル苛立ちを感じながら、
とりあえずひたすら心を無にして説教(<キレ芸)を聞いていました。
ちなみに周りのおじさんたちも特に止めてくれませんでした。
(まぁいいわ無関係だし戦力外だから)
しばらくすると「もういいから出てけよ!!」と帰宅許可が降りたので
内心「いやアンタが引き止めてたんやろ」と思いながらも楽屋に戻ることができました。
楽屋に戻ってまず1番に(^ω^#)←まさにこの顔で先輩を詰めると出てきた言葉が
「座って観たらダメだったんだなぁ〜知らなかった〜〜〜」
てめぇ。(笑)
ちなみに、なんで2回目の時には立っていたのかというと、単純に席が空いてなかったからだそうですw
これ完全にとばっちりでしょ。(笑)
思えば1回目の先輩が座っていた際には注意して来るような人はおらず、
2回目の自分が座り先輩が(席がなくて)立っていた時にうっかりそのおじさんに見つかってしまい自分だけに大落雷があったのでした。
朱雀ガラティア、近年稀に見る不運ですね。
ふう〜ん。
あ、楽屋で当のお姐さんには謝っておきたいと思いましたが、楽屋に戻ってきていなかったので報告ができませんでした。
ですが、結果的に報告の必要はありませんでした。
どうやらあの後も怒りが収まらなかった例のお客さん、劇場の支配人に告げ口していたらしいんです。
それってそこまで怒るほどのこと!?
凄いです。自分のことじゃないのに自分のことのように怒れる正義感の強さ。
何が彼をそこまで執拗に駆り立てているんでしょう。
どんだけしつこいんだよ。血圧上がるぞ!(笑)
今回のことが支配人の耳に入り、踊り子各位の耳にも入り、そのお姐さん本人にも秒速で届くことになったのでした。
ですが支配人も姐さんがたも自分を咎めに来るということはなく、
支配人は「一応、劇場の暗黙の了解でお勉強は立って観ることになっていますが、知らなかったのなら仕方ないですよね。次から気をつけていただければOKです!」
当の姐さんは「私のお客さんに怒られたんだって?気にしなくていいよ。あの人ちょっと変わってるから」
うちらの一つ先輩の姐さんは「こういうのは本来、役割として私が教えなくちゃいけなかったことで…私の責任でもあります」
さらに最年長の姐さんからは「お兄さんごめんね!うちの劇場のお客さんのせいで嫌な思いさせちゃったみたいだね。深刻に考えずに元気出してね!」
と励ましの言葉をいただきました。(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
なんだかとても人の暖かさに触れることがデキタヨ。
こうして劇場の皆さんの素晴らしい人柄に救われ、単身で挑むラスボス戦前に仲間達からテレパシーが届いた主人公のような気持ちで
深く落ち込むこともなく持ち直すことができました。
先輩へのわだかまりはありますが、機嫌が良いから今回だけは許してやる。
そんなこんなでちょっとした騒動になりましたが、
そのあとポラタイムで再びステージに上がらなければならなかったので衣装に着替えてポラに臨みました。
ステージからは客席が一望できます。
あのおじさんもいました。
「うっわ、いるわ……」と思ったものの、
気にしたら負けだと考えていたので自分を撮ってくれるお客様に集中していました。
そしたら最後の方になってその人がポラを撮る番が回ってきました。
ポラは踊り子さん1人を撮ることもできれば、その日出演の踊り子さん全員を写すこともできました。
(料金が変わる)
彼の希望は踊り子全員。ただしメンズのみ抜きで。
どんだけしつこいんだよ。血圧上がるぞ!(2回目)
そこまで怒り心頭だったお客さん。
次の日も普通に来てました。
そしてポラタイム。
うちらも含めた全員で撮ってくれました。
血圧下がったのかよ。
(終わり♡)
ということで私がストリップ人生で最大にバチクソ怒られた話でした。
この事件を経験して良かったことは、
業界の皆さんの優しい励ましによって暖かい人柄を感じることができたこと、
それからやはりお勉強は立って観るというのを学べたことですね(笑)
そのお客さんに対しては恨みも感謝も特に無いのですが、
まぁ昔こんなことあったな、としみじみする時間に差し色を添えてくれるぐらいのことはしてくれたのでよかったのかな。(笑)
でも怒られてる最中はさすがに震えたよね。
「早く終わんないかなー…」って思ってた。
そういう諸々を乗り越えて今があります。( ̄^ ̄)
アレから数年経ち、キャリアも立場も変わってしまった朱雀ですが、
メンズストリップ業界のしきたりを新人君に教えるときには優しく柔らかに♂伝えようと思います❤︎
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