【リプレイ】ケダモノオペラ「少年と絵」🐺ヴェール編

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ケダモノオペラ「少年と絵」

⚠️リプレイテキストのため、ネタバレがあります⚠️

PLとしてセッションさせていただいた際のリプレイです。
さっくりまとめたので、流し見ででも楽しんでいただけると嬉しいです。

むかしむかし

機械が空を飛びはじめ、剣と魔法が昔語りとなった頃…。
ケダモノが住処のある“闇の森”から散策にでたときのこと。
廃墟となった聖堂で、ケダモノは少年パウロと出会いました。
絵描きに憧れるパウロは、この聖堂の名高い天井画、リュミエールの『天空の世界』を見に来たのです。
天井は先日の空襲で焼け落ちてしまっていました。
少年は意気消沈。
けれどケダモノには失われたものの在り処に心あたりがありました。
人喰いのケダモノが、いったいどういう風の吹き回しなのでしょう？
ケダモノはパウロをそこまで連れて行くことにしたのです。

ケダモノ設定

ケダモノ名：ヴェール
ケダモノ種：ヤミオオカミ
権能：暴虐
伝説：人に憧れた獣
欲望：鑑賞、義侠
疑似餌の姿：長い髪の少女
住処：列車と駅舎

魂を持つ人間に憧れを持っている。ケダモノには無い魂の美しさに惹かれ、闇の森の付近の人間を観察するのが日課。
かつて、画家のリュミエールと知り合いだった。

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人間が大好きなケダモノ”ヴェール”の物語。

はじまりはじまり

◆失われた天井画

　リュミエールと知り合いだったヴェールは、彼との思い出がある聖堂を訪れました。しかし、今では戦争で廃墟と化しています。
　そんな聖堂に一人の少年が現れます。人間の気配を感じたヴェールは、疑似餌である女の子の姿を現し、友好的に話しかけます。そんなヴェールに、少年パウロは、リュミエールの天井画を見るために遠くの街からやってきたことを話します。

試練①:試練：聖堂の記憶を思い出す

【特技：影跳び】＞受難の門＞シックスセンス

　影のなかに、今思い出せない記憶を眠らせているかもしれないと思い至ったヴェール。自身の影のなかを探り、聖堂の記憶を思い出すことができました。

「”夢が流れ着く岸辺”で同じ聖堂を見た記憶がある」
「地図には載ってないけど、私なら案内できるわよ」

そうパウロに伝え、彼に天井画を見せるために闇の森を案内するのでした。

◆蜘蛛の群れ

美しい景色にはしゃぐパウロとお喋りしながら森を進みます。
「わ、うわぁー！」
パウロの叫び声が聞こえたかと思うと、闇の森に住む蜘蛛のケダモノ”アラクネ”によって、パウロの身体は空中に釣り上げられていました。

試練②パウロを蜘蛛から救う

【特技：ぺろり】＞栄光の門

「人間が来たから嬉しいのね」
「今は私が遊んでるからダメよ」
パウロを襲ったアラクネの母を、ヴェールはためらいなく丸のみします。

〈特技予言：ご馳走になってしまいました〉

母親を食べられたアラクネの子らはそれ以上に手出しをせず、捨て台詞を吐いて去っていきました。ヴェールがケダモノであることを察したパウロ。助けられたお礼を言って、「僕を食べるの？」と尋ねます。ヴェールは言葉を濁しましたが、天井画のことは嘘ではないと伝え、パウロを森の奥へ案内します。

◆あらしのなかで

体力を消耗しているパウロの身体を休ませるため、ヴェールは住処に辿り着きます。

試練③パウロの手当をする

【特技：狩人の悪知恵】＞受難の門＞シックスセンス

疲労して動けないパウロに、ヴェールは疲労回復に効果がある香草を探します。慣れないことに苦労しましたが、パウロは意識を取り戻します。

話すことができるようになったパウロは、自身の境遇を話します。
彼の故郷は戦争で焼かれたこと。
家族や友達は皆死んでしまったこと。
自分の身体にも毒が回り、命が長くないこと。

ヴェールはパウロの話を聞いて悲しみます。
「天井画を見たら、また元気になるはずよ」
そう励ましながらも、天井画を見た時パウロの魂がどう揺れ動くのか見たくてたまらなくなります。それは紛れもなく、魂を喰らうことへの欲望でした。

◆外つ川の氾濫

二人は再度、聖堂へ向かい歩き出します。

試練④川を渡る

【特技：狩人の悪知恵】＞受難の門

◆間奏

GM「単刀直入に、パウロ君は死にますか？」
PL「今のところ死なせたくないです」

そんなフラグを立てながら、第五章へと進みます。

◆夢が流れ着く岸辺

長い旅の末に到着した目的地、夢が流れ着く岸辺。
聖堂を探す間もなく、森中から集まったアラクネの子どもらが二人に襲い掛かります。

〈特技予言：暗闇に潜んでいたのは、あなただけではありませんでした〉

試練⑤追っ手をかわし、聖堂を探す

【特技：狩人の悪知恵】＞ 栄光の門

気配を察したヴェールは、先ほどいただいたアラクネの足を、面白がって吐き出して見せ、子どもらを狼狽させました。それを見たアラクネの子らは、標的であるパウロのことを忘れ、ヴェールに殺意を向けます。それを見たヴェールはパウロを闇に隠し、先に聖堂へ向かうように伝えます。

〈特技予言：標的を間違えました〉
〈予言：あなたはパウロとはぐれ、肝心なときに一緒にいませんでした〉

【特技：銀狼】＞ 栄光の門

アラクネの子らと闘うヴェール。あまりのアラクネの子の数に余裕が無くなりながら、爪を振るい続けます。満月のもと、月光を浴びながら戦うヴェールはその光を魔力に変え、アラクネ達を一掃しました。

〈特技予言：死にものぐるいの抵抗が、不意をつきました〉

そして、パウロが天井画を見上げる表情を見たい一心で、急いで聖堂へと向かいます。

その頃一人になったパウロは、毒によって利き手が麻痺するのを感じます。自身に死が近づいていることを理解し、彼もまた急ぎ足で聖堂へ向かいます。

〈予言：パウロの利き腕が麻痺しました〉

◆月光の天井画

ヴェールが聖堂に付いた頃には、既にパウロは毒に侵された身体を横たえながら天井画を見上げていました。

「すごい…すごいな、本当に。これがリュミエールの書いた天国なんだ」

天井画にくぎ付けで、後ろから近づくヴェールにも気がつきません。
この上ない幸福と、近づく死への恐怖を抱えるパウロ。その魂は激しく揺れています。ヴェールはその魂を前に衝動を抑えることが出来ず、気づいたときにはその頭部に喰らいついていました。

〈予言：あなたはパウロに天井画を見せてあげました〉
〈予言：天井画を見上げながら、パウロは息を引き取りました〉

期待以上の味に酔いしれるヴェールに、一つの記憶がフラッシュバックします。
知り合いであったリュミエール。
彼の事も、かつて衝動的に食べてしまったこと。
彼を食べてから今まで、独りぼっちであったこと。

〈予言：あなたは大切なことを忘れてしまった自分に気づき、おののきました〉
〈特技予言：あなたにはもう、仲間も友もいませんでした〉

ヴェールを強い後悔が襲います。この罪の意識から逃げてしまいたい。強く心から願った彼女は、無意識のうちにオペラを発動させます。

【オペラ：月喰らい】
10D100)＞12,76,11,37,27,43,47,99,91,89＞ 532

世界の時をそのまま、自分自身だけの時を532年進めます。意識を取り戻したヴェールに、先ほどまでの記憶はありません。

ここはどこ？
この首がない死体はなに？

ヴェールはこの状況がまるで分からないまま、無関心に聖堂を出ます。そして、リュミエールとの思い出がある聖堂に向かうのでした。

〈オペラ予言：あなたは月光を喰らい、時間を操りました。他者と違う時の流れが、あなたを孤独にしました〉

ケダモノオペラ「少年と絵」おしまい

伝説：繰り返す好奇心