見出し画像

新型コロナウイルスに罹患して

令和の流行り病、新型コロナウイルスに罹患しました。個人的な備忘録として、また読んでいただいた人の参考になるかもしれませんので、少しノートしてみます。

感染経路は?

 正直、どこで感染したのかわかりません。感染が考えられる期間には、会食は少人数で1回だけ。当然その方達は全く症状もなく、健康そのものです。会社ではゆったり座席でマスク着用、パテーションもしっかりしているので簡単には感染しそうもないですし、症状がある人も居ませんでした。あと考えられるのは、通勤の電車。冬になって換気は悪くなっていて、咳をしている人も増えてきていましたんで。電車で感染したならかなり運が悪い感じ。やっぱり電車かなぁ。分からないことをあれこれ推理してもどうにもなりませんね。いわゆる市中感染でしょうか。大阪市内への通勤なので、感染状況を見るとそれなりにウイルスが蔓延していたということなのでしょう。

初期症状発生

 私の場合、最初は朝起きた時に肺と喉に違和感がありました(12月19日)。体質的に喉は弱く、いつも風邪のひき始めは喉をやられるのですが、かゆいとか痛いと言うほどではなかったです。肺の違和感の方が気になりましたが、それもすぐ忘れる程度です。

 その後なんだか体が重くなり、背中や首、足等の節々が痛くなってきました。熱はまだ無かったです。たまたま土日だったので、寝っ転がって休んでいました。土日は2日間ずっと寝て過ごしましたね。

 高血圧と心臓の持病があるため、新型コロナの第二波の頃にBluetoothですスマホとつながる医療機器のパルスオキシメーターを買ってあったので最初から測定しています。スマホに勝手に記録されたデータを見るとSpO2は98%と正常範囲でした。素人判断は良くないですが、この数値がヤバい事になるとまずいですから。

平日は通勤、その後症状悪化

 月曜日(12月21日)は熱も無かったのと、土日休んだおかげで多少体が軽くなったのもあり、通常通り会社に行きました。それなりにしんどかったのですが、夜は熱燗を飲んだらいつもと変わらない感じになりました。お酒に騙されているんでしょうか。

 火曜日(12月22日)も体は多少重かったのですが熱は無く、SpO2も正常範囲なので会社に行ってWEB会議に出席するなどして通常通り過ごしましたが、全体的にしんどかったです。家に帰って熱を測ったら37.2℃、微熱でした。夕飯を済ませ、早めに床に入りました。

画像1

 水曜日(12月23日)は36.8℃の平熱だったのですが、前日しんどかったのと微熱があったので大事をとってリモートワークにしました。昼間はゆったり仕事をしていましたが、夜になると37.7℃の熱が出てきました。この頃から体の重さは逆に無くなってきています(慣れただけかな?)。熱が37.5℃を超えたので、翌日は休みの申請をし、病院に行くこととしました。

 木曜日(12月24日)の朝はまた平熱(36.7℃)。休みをとっていましたが、平熱だと発熱外来も行きにくいので、とりあえずゆったりしていました。しかし一寝入りしたら熱が出てきたので(38.2℃)、保健所と近くの病院に電話して発熱外来を予約すべく電話しました。通常の発熱外来はいっぱいなので翌日になるとのこと、また車で行けば車で診察できるという話だったので、翌25日の午後に予約を取りました。どうやらこの病は夕方から夜にかけて熱が上がる傾向があるようで、夕方38.6℃まで熱があがりました。

 金曜日(12月25日)の朝は熱は下がり(37.4℃)、予定していたWEB会議に出席しました。途中でも熱を測りましたが、38℃まではいかない微熱の状態が続いていました。

車で発熱外来へ

 微熱の状態で薬も飲んで居ないので、車の運転にも支障無く、発熱外来へ行きました。

 指定された駐車場に車を停め、病院に連絡すると、防護服を着た看護師が来て諸々ヒアリング、問診票に諸々記入し、体温測定をしました。その時の体温は36.8℃と平熱まで下がってました。少し汗かいたからかも知れません。その後医師が着て診察(と言っても問診のみ)後、抗原検査と念の為のPCR検査をするため2本の綿棒でサンプリングしました。抗原検査は10分程度で結果が出て、PCR検査は翌日結果が出るとのことです。

画像4

抗原検査で陽性確定

 10分後、医師から新型コロナ陽性を告げられた。半分以上予想していた事なのでさほど驚かなかったが、面倒な話になったな、とは思いました。

 家族・会社等へすぐ一報を入れ、病院の支払い等をして帰宅。陽性確定なので、気になるところはアルコール消毒してベッドへ。保健所から連絡が来ると言うので待つ。保健所からの連絡は、基本的に登録した携帯電話(スマホ)へ来るようです。

電話連絡は効率悪いんじゃない?

 保健所からの連絡は携帯電話宛にきます。熱を出して寝ているところに電話が何度か来る状況です。症状はほぼ熱くらいだったので、軽症扱いのようでした。家族も居るのでホテル隔離という話です。一通り症状や濃厚接触者、会社の状況等を電話でヒアリングして、だいたいの日程について説明がありました。諸々説明したファイルを送るということで、メールアドレスも連絡しました。

画像2

 何度か電話連絡しているのですが、会社の電話番号のヒアリングとか、家族の名前や誕生日のヒアリングとか、電話で伝えるのは大変。しかも熱が出て寝ているところにかかってくるという状況、たまりません。

 私は仕事効率化のため、会社でも電話はできるだけしないようにしており、名刺やメールの署名から電話番号を外しています。電話は跡が残らず、読み返す事もできない、しかもメモが必要で電波状況が悪いと切れる。電波が悪く、子供の誕生日はについては4回くらい同じことを話し、ようやく伝わりました。新型コロナのオペレーションが大変だ、という状況になった第一波から9ヶ月くらいたっても何もやり方変えてないんだろうと思います。

 ほとんどの国民はLINEや少なくともメールは持っているはずで、スタンプはともかく、文字情報でやり取りするのはむしろ電話より楽になっている人の方が多いと思う。まして正確な情報を知りたいという事だったら電話よりずっと確実(ログが残る)なはずです。ほとんどの場合、決まりきったテンプレートをLINEやメールでやり取りすればそれに応えることは出来ると負いますが、未だに電話なんですね。効率悪〜。

 そんな気持ちもあってか、ファイルを送ってくるためのメールアドレスを教えたので、電話で問い合わせがあるとこちらからメールで送るよと伝えて出来るだけメールでやり取りすることにしました。みんなそうすれば良いのに、と思いながら。。。。

 もちろん、お年寄りなど電話しか伝達手段が無い人は居ると思います。でも感染者は20代、30代が最頻値で、多くは60代以下なのだから、Lineやメールが出来ない人はむしろ少ないと思います。ここを改善すればかなりオペレーションは楽になると思うのですが。厚労省あたりの指導なのでしょうか?

暗号化圧縮添付メールはやめてくれ!

 さて、メールアドレスを教えた元々の目的である、ホテルの宿泊に関する注意事項のファイルがメール添付で送られてきました。公官長でありがちの添付ファイルがZIP暗号化されているもの。デジタル庁創設設している中で大臣が止めろと言った悪名高きZIP暗号添付ファイル、そもそもセキュリティー上全くメリットがない上にサーバ上でウイルス検知出来ず、やっている感だけ醸し出すという最悪の日本文化です。遅れて解凍パスが来る。こんなものを送りつけてくるという気が知れない訳で、iPhoneで開こうとしてもそれなりに苦労します。このアホな文化は慣れているので私は何とかなりますが、スマホしか持っていないような人はどうするのでしょうか。多分開けないと思います。きっと電話で追加説明しているんじゃないかと。

 実際に開いて見てみると、内容的には全公開されてもどうってこと無い内容のPDFです。その人個人の情報もなく、誰にでも同じものを送りつけているようなものです。だったらHPや誰でもアクセスできる共用ドライブに上げておいて、ダウンロードのリンクをメールで教えりゃ良いのに、とは思います。

 ホント、暗号化ZIPファイルはデジタル庁で禁止してほしい。

ホテルへの隔離準備

 隔離されるホテルが決まるのが陽性確定翌日の夜、ホテルに入れるのはその翌日、陽性確定から中一日開けた日になるということでした。長期滞在になるので諸々準備が必要だし、ホテル割り振りや送迎やら調整が必要なので中一日はある程度妥当なのですが、陽性確定してからの自宅待機は結構しんどいです。陽性者が狭い家に居る場合、トイレや洗面所は当然共用となりますし、食事やその他で家族との接触は不可避です。家族も当然ですが、熱を出した患者としてもとても気を使います。大変なので、一時も早く隔離されたい、と思いました。

入院へ変更

 ホテルが決まる日(陽性確定日の翌日)の午前中、保健所から電話連絡があり、隔離先がホテルから病院に変更になったとの連絡がありました。隔離先を病院かホテルか決めるのは大阪府という話で、保健所はホテルじゃないかと言うことで連絡していましたが、府が最終的に入院という判断をしたようです。症状は軽かったですが、持病が考慮されたようです。

 ホテルに変更になり、今度は入院の案内が悪名高き暗号化ZIPファイルで送られてきました。ホントやめてほしい(笑。

 入院のほうが荷造りは簡単で良いので(そもそも持ち込めるものが少ない)、準備には手間がかかりませんでした。

送迎について

 新型コロナ陽性者は公共交通機関やタクシー等は利用出来ないので、隔離先まで送迎が付きます。ホテルの場合は陽性者あいのりのワンボックスカー等です。病院の場合は民間の救急車を委託しているようでした。私の場合は病院なので民間の救急車ということですが、実際に来たのは救急車とは程遠い車椅子の送迎車(軽自動車)でしたので、座るところがほんとに小さかったです。病院が近かったので問題無かったですが、遠かったらかなりしんどかったと思います。

いざ入院

 何日か分の着替えを持って、いざ入院です。病院に着くと感染症病棟に直接入りました。ビニールで囲われた車椅子に荷物とともに乗り込みます(こんなやつ)。小型の移動式園芸ビニールハウスの中に入っている感じです。

 その囲われた車椅子で最初に連れて行かれたのはCTとレントゲン室。CTとレントゲンを撮影し、再びビニールハウスへ。次はそのまま病室まで行きました。

 病室は4人部屋で、先に2名が入院していました。

画像3

入院中の生活

 入院中は心電図(3電極)と血中酸素濃度(指先)のモニターを常時着けていました。新型コロナウイルスは血栓を作りやすいということで、メディカルソックスを常時履いています。また、朝昼晩、最低3回は検温と血圧測定がありました。2日毎に尿検査、血液検査とレントゲンが来ました。血中酸素濃度を動脈血を採血して動脈血酸素分圧を測定したりもしたようです。動脈血の採血はちょっと痛かったです。

 看護師、医師等は、防護服、N95マスク、フェイスシールドを着けていました。患者はパジャマ姿なので恐らくかなり暑いんじゃないかと思います。とても大変だと思います。感謝感謝。

 入院中、病室以外は基本的にどこにも行けません。シャワー室が少し離れたところにあったので、熱が下がって安定してからはシャワーに行くことが出来ました。病室以外の移動はこれだけでした。さすがに滅入りますね。

 テレビやスマホはOKです。病院なので例にもれず、テレビはテレビカード(有料)が必要ですが。

 私の状況といえば、入院してから2・3日は朝は平熱、夜は少し熱が出るという状況が続きましたが、年開ける頃には熱は安定して平熱になっていました。入院した頃は深呼吸をするとむせる感じがありましたが(レントゲン撮影で息を吸ってー、止めてであまり吸えない)、徐々に落ち着いていきました。

薬について

 この病には通常アビガン、レムデシビルの抗ウイルス薬と、肺炎の炎症を抑えるステロイドが投与されるようです。2つの抗ウイルス薬はいずれも副作用があるので、投与する場合は医師からしっかりとした説明があります。私は症状が軽かったので投薬自体無かったのですが、隣の患者さんに説明する声が聞こえてくるので覚えてしまいました。添付文書に「投与終了後7日間まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)するよう指導すること」とありますが、その事を100歳近いおじいちゃんに説明しているのには苦笑してしまいました。

 どの薬もそれなりの副作用があるので、医師も慎重に処方しているようです。第一波の時より重症化率や死亡率が減ってきているのはやはり薬によるものでしょう。

重症化について

 同部屋の何名かは血中酸素濃度が低くなることがあるため酸素吸入をしていました。私も、また同部屋の患者さんもいずれも症状は良くなっていっていましたが、突如免疫が暴走してサイトカインストームが起こり、増悪する事があるようなので、注意が必要です。

 なお、入院時に今回入院した病院は中等症までという事で、重傷者となると転院となる旨の説明がありました。同部屋の患者さんで気管挿管まではやっていたような話があったので、ECMOは無いということなのかも知れません。

画像5

退院について

 退院については厚労省で基準がしっかりと決まっており、2020年6月に見直され、「発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過した場合」となっています。入院しているような人は基本的に入院の数日前から症状が出ていますので、症状軽快していれば10日以内で退院することも出来ます。ただ、重症化は症状が落ち着いてから突然起こる事もあるので、医師としては慎重に判断することになると思います。今回の入院ではレントゲンを2日毎に撮ったので、その状況で判断ということでしょうか。

濃厚接触者について

 豪邸でトイレも分けていて食事も時間がバラバラ、というような状況で無い限り、同居家族は濃厚接触者と判断されるのではないかと思います。

 会社等でマスクや手消毒をしっかりしてパテーションで分かれて仕事をしているような場合は、隣に座っていても濃厚接触者と判断されることは無くなっているようです。一緒にランチしているとか、帰りに一杯、というような事以外は濃厚接触者にならないようです。逆に言うと会食は濃厚接触者になります。

 濃厚接触者はPCR検査は任意のようですが、濃厚接触者となった場合、ほとんどの人が検査するようです。PCR検査が陰性となった場合でも14日間の健康観察が義務付けられており、期間中は外出制限されます(会社や学校ももちろん☓)。

 今回私が陽性となり、翌日濃厚接触者である家族がPCR検査し、うち一人が陽性となりました。前述の日程通り、陽性判定から中一日あって隔離となるので、濃厚接触者の14日制限の起算日は後の方の隔離日となります。私が陽性になった日からは16日となってしまいました。

 先の退院基準同様、発症から10日で感染リスクは無くなるわけですが、PCR検査では、潜伏期間には検出されないので、発症もしていない潜伏期間を含めて14日ということになってしまうようです。

陽性者の通常復帰より長い濃厚接触者の制限期日

 発症あるいは陽性になって隔離される期間は概ね10日です。もちろん回復が遅れてもっと長くなることもありますが。10日経過すれば感染リスクはほぼ無いという事で通常の生活に戻れます。

 しかし濃厚接触者、特に同居者は陽性者の隔離日から14日の外出制限が課されます。通常、陽性者より5日以上長く制限されることになるわけです。仲が悪い家族なら大モメになりそうな話です。私のせいで1週間も余計に拘束期間が、となるとね。発症はしたく無いでしょうが、PCR陽性になった方が期間が短くて良いのかも知れません。

 基本的に一旦PCR陰性を確認出来ている場合が多いわけですから、濃厚接触者の待機期間はもう少し短くしてほしいですね。自分が陽性の可能性があると十分意識して行動するでしょうし。症状が少しでも出ればすぐ検査すれば良いわけですし。

最後に

 PCR陽性になった、どうなるか気になる、という人に少しでも気になることの解決に貢献出来ればと思っています。

 長文になってしまいましたが、再度2つは改善してほしい点を
 ・保健所からの連絡は電話ではなく、LINEやメールでしてほしい
 ・濃厚接触者の外出制限期間はもう少し短くしたほうが良い

 市中感染は落ち着かず、じゃんじゃん陽性者や重傷者が増えてきているようです。むやみなStay Homeは必要無いと思いますが、十分気をつけましょう。目や口鼻からしかウイルスは入ってこないので、手洗いと空気(エアロゾル)に含まれるような三密では無いかということに注意すれば感染は防げるのでは無いかと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?