2020-01-16 これが私の戦い方・勇者の生き方 Developers Boost再演イベント #DevLOVE
2020/01/16 に開催された これが私の戦い方・勇者の生き方 Developers Boost再演イベント のイベントレポートです。
●イベント概要
11月に開催されたDevelopers Boost(デブスト)の登壇者をお招きし、再演していただくイベントを用意しました。
各現場で試行錯誤しながら、実践している3人の勇者に再演していただきます。当日は講演内容を増量してお話ししていただく予定です。
ぜひ、若手エンジニアの勇者の活動を目の当たりにしましょう。
※ 今回のイベントでは年齢制限なく参加できます。30歳以上でも30歳以下でもどなたでも参加者いただけます。
-- 追記 --
このDevLOVEイベント公開後、ベストスピーカー賞のトップ3に今回登壇のお二人が選ばれておりました。受賞おめでとうございます。
ベストスピーカー賞トップスリー受賞記念回となります!
■エンジニア×〇〇 ~職種を「越境」して希少性を出すキャリア~(増量版)
池上 純平さん [株式会社プレイド]
●自己紹介
・完全SIer脱出マニュアル
きな臭いタイトルの本を書いてますw
・しがないラジオ
・KARTEのプレイド
●人生のミッション
・楽しく働く人を増やす!
●この発表で答えたい問い
・技術にもマネジメントにも尖ったものがない人は活躍できないの?
●典型的なエンジニアのキャリアパス
・技術に特化する
技術力マウントこわい
そこまで技術に尖ってないし
・マネジメントに特化する
マネジメント大変そう
マネジメントに興味ないし
-> 技術にもマネジメントにも尖っていない人は活躍できないの?
●経歴
・公務員志望だった
・自治体のシステムをつくるなら富士通に入ったら良いのでは?
・お客さんと話すエンジニアになりたかった
-> プレイドへ
●スキル
・技術力そんなにない
jsチョットデキル
docker怖い、OSSコントリビュートもしてない
・マネジメント経験はほぼない
・難しいことをわかりやすく伝えることはそこそこできる
●志向性
・プログラミングは夢中になれるほど好きではない
・人に説明して理解されるのは好き
・コミュニケーションを取るのは嫌いじゃない
●今の役割
・BtoB SaaSプロダクトを提供している会社で
Product Specialist Engineer
・サポート、技術仕様の発信
・ユーザーと開発チームの通訳
・価値を最大化する開発以外のこと
↓
・希少な価値を出せている
・お仕事楽しい
●これを満たす人は少ない
・最低限のエンジニアスキル
・非エンジニアにわかりやすく伝える
・対面コミュニケーションが苦じゃない
↓
・エンジニアリングスキルを持ったまま
他の職種をやると希少性が出る
職種を越境すると希少性が出る
●エンジニア x ◯◯ の事例
・エンジニア x 労務・総務・人事
Corporate Engineer
昔なら情シス
・エンジニア x CS
CRE(Customer Reliability Engineer)
Google発
・エンジニア x マーケティング
Marketing Engineer?
まだ名前はないけど
エンジニアリングが色々必要になってきた
CRM, BI, MA, Web接客...
USJの事例
webサイトの入場履歴を紐付け
地磁気データで位置情報を把握
時間帯や場所に応じてレコメンド
高速に仮説検証
-> エンジニアがいないと無理
・他にも色々
エンジニア x 営業、広報、人事、ライター
などなど
・可能性は無限大
エンジニア x 料理人、芸人、農家
などなど
●われわれが向かっている方向
・エンジニアリングの民主化
無縁だと思われていた職種に
エンジニアリングの波が押し寄せている
・エンジニアリングとは
不確実性を下げていくこと
by エンジニアリング組織論への招待
・プロダクト開発以外の領域でも
不確実性が無視できないほど大きくなってきた
劇的にコストが下がってきた
・キャリアの地平を切り開け!
職種の境界を越境するエンジニアが増えている
境界はより曖昧に
職種と職種の間に、新しい役割が眠っている
●越境するためのアクション案
・ベンチャーに飛び込んで手を挙げる
成長組織では役割が曖昧
・ITベンダーから入って事業会社に転職する
エンジニアがいない組織ではアウトソースされる
●非エンジニアによる越境
・こっちを加速させたほうがインパクトが大きい
slackでちょっとテキストを整形して投稿とか、喜ばれる
非エンジニアにJSを教えたら、自分でポップアップをカスタマイズし始めた
↓
・社内メンバー全員が、簡単なSQLとJSを掛けたら
仮説検証のスピードが増すのでは?
●背景
・非エンジニア向けのJS本
コーディングを隠して、美味しいところだけ説明
けっこう反響があった
使いこなせていそう
・No-Code/Low-Code なサービスが増えてきた
●やっていきたい
・コードを書かずにどこまでできるのか?
・少しコードを書くとどこまでできるのか?
・エンジニアの難解な用語を解説
自分が楽しく働ける役割を、妥協せずに探していこう
■20代でマネジメントにチャレンジするということ(増量版)
飯田 意己さん [株式会社クラウドワークス]
●自己紹介
・クラウドワークス
・アジャイルチームを支える会
●伝えたいこと
・マネジメントにチャレンジする人を増やしたい
●キャリア戦略におけるマネジメントの位置づけ
・エンジニアのキャリア
支援を受ける
自走
支援できる
・チームの中から徐々に影響範囲を広げていく
テックリード
マネージャー
スクラムマスタ
PO
・全社の責任を持つ
CTO
VPoE
VPoP
●技術的な責任を負う
・分かりやすいのはCTO
経営メンバーの中で最も技術に責任を持てる
≠ 最も技術に精通している
技術、組織、事業の観点
●マネジメントの立ち位置
・全体最適で成果に導く
・技術、組織、事業それぞれの観点を理解
・似た役割
スクラムマスター
チームの最適化
マネージャー
組織の全体最適化
・マネージャーは全員と会話する
テックリード, SM, PO, CTO, VPoE, VPoP
・フィードバックも集まりやすい
・若いうちにやると周りが話しやすい
●登り方
・僕の場合
エンジニア -> SM -> PO -> マネージャー -> 経営
・創業CTO
先に経営->各ロールは大変
経営にマインドシェアを取られてしまう
●マネージャーは批判を浴びるのは日常茶飯事
・全体最適は言い方を変えれば会社都合
・会社側の人間と言われてしまうことも
●組織の課題を解消できないと、離れていく人が出る
・理由はネガポジどちらもある
・人が離れていくことを見越して組織の持続性を考える
●ネガティブなフィードバックをする必要がある
・あえて言う必要が出てくる
・優しいだけではいられない
●市場、事業、会社の不確実性
・会社を取り巻く環境、法律など
・コントロールできない、理不尽なものも飲み込んでアカウンタビリティを発揮
●面白さ
・一人では達成できない、組織を動かす面白さ
・成長に立ち会える
・経営、労務、ファイナンスなどエンジニアだけでは触れない領域を知れる
●組織をエンジニアリングする
・事業課題を解決する
チームにどういうミッションをもたせる?
コミュニケーションの設計は?
・システムのアーキテクチャと近い
マネージャ = 組織のエンジニア/アーキテクト
●課題の乗り越え方
・組織の課題解決は対話でしかない
本音->課題->アクション
●どうやったら若いうちになれる?
・年功序列な会社だと難しい
・全体最適を追求していくと近づきやすい
自分の視座から見えない情報を、マネージャーに質問してみる
マネージャーの支援をしてみる
●不安:技術もまだまだなので
・一定量は必要
対話する相手の難しさを理解できる
対話する相手に伝えられる
・最前線である必要はない
●不安:耐えられるかわからない/コード書けなくなる
・現場に戻ることもできる
●情報の入手方法
・書籍
エンジニアリング組織論への招待
エンジニアのためのマネジメントキャリアパス
・イベント
Engineering Manager Meetup
・Podcast
EMFM
●得られたもの
・組織の変化の当事者になれた
・社外含め色んな人と議論できるようになった
・組織の問題解決になれる価値
どこでも人に関する問題は起きる
■組織にモヤっとしたら聞く話(増量版)
蜂須賀 大貴さん [株式会社IMAGICA Lab. ]
●自己紹介
・IMAGICA Lab.
PO
セールスエンジニア
コミュニケーション支援
最近は人事や労務も
働き方改革など
・社外
DevLOVE
バタフライ・エフェクト
Media-JAWS
●新井さんの話を聞いたことから始まった
・はじめはステークホルダー側だった
・新井さんのスライドに感銘を受けた
今すぐ何かをやりたい!
●第一話 アウトプットする
・その日にtwitter、ブログをはじめた
・考えていたこと
ログを残す
業界を変えるためには
自分の歩みを発信しなければ
発信する
機会が増えていく
実践する
周りを巻き込みやすくなる
●第二話 一人で始める
・一人でカンバン
・本を読んで知識をつける
・勉強会に参加
・考えていたこと
派手にはじめる
目につくように、気になるように
注目してもらう
説明する機会をもらう
実践につなげる
●第三話 巻き込まれ
・本の中の人からメッセンジャー
新手の詐欺!?
・勇気を出して行ってみたら
市谷さんに巻き込まれ
DevLOVEの運営へ
●第四話 巻き込み
・いろいろやった
ワークショップのエバンジェリスト活動
社内勉強会
顧客とUSM
などなど
・派手にやることで広がった
一人からチームへ
チームから他部署へ
●物語は次のステージへ
・全社の働き方改革
・インターンシップ
・新入社員研修
・社内カイゼン講師
●何故できたのか?
・すごい人でも、特別な会社でもない
・常に問い続けた
あなたは何をしている人なんですか?
●そんな中で、良いことを聞いた
・ちょっと得意なことを3つ掛け合わせると
誰にも真似できない個性になる
・自分なら
agile x 映像業界の知識 x AWSの技術
・メグ・ジェイ
20代が一番パーソナリティが変わる
ターニングポイントの80%は35歳までに来る
●とはいえ若手は自分の時間が少ない
・組織はあなたを一生面倒みてくれますか?
・まずは自分を変えてみる
●コロンビア大学の実験
・インプット:アウトプット = 3:7 が一番定着する
・まずは小さなアウトプットから始める
●ラーニングピラミッド
・聞いているだけでは 5%しか残らない
・考え、他者に教えることで定着していく
●マザー・テレサ
・思考 -> 言葉 -> 行動 -> 習慣 -> 性格 -> 運命 につながっていく
●なぜデブストで刺さったのか?
・モヤモヤしているがどうして良いかわからない人が多かったのでは
●原因は採用とのギャップかもしれない
・活躍できる、個性のある方を募集!
・入社したら
単一のトレーニング
単純作業、、、
●周りに相談できない、むしろしたくない
・圧迫 1on1
辞めます
何故1on1で言わなかったんだ!
●きっと若手は
・自分の手でどうにかできる自身がない
・直接自分ができるとは思えない
●調べたり話したりで
・いろいろ勧められるが、ハードルが高い
・最初の一歩
アウトプットをしよう
自分が何者なのか を問い続けよう
●社外にも仲間を見つけられる
・自分はコミュニティが第三の場所になっている
●若手でなくなった人が若手に出来ること
・若手をイベントに誘おう
・悩みを相談できる第三の場所に連れ出そう
■QA
●変化を嫌う人にはどうした?
・蜂須賀さん
砂山の理論
トップを上げていくと、全体が上がっていく
全員を巻き込む必要はない
トップを上げてければ良い
●変化を阻害するタイプの人には?
・蜂須賀さん
社長と仲良くなって、上下からつついた
・飯田さん
社長にスクラムマスター研修に参加してもらった
●PLAIDには Product Specialist Engineer は何人いるの?
・池上さん
3 / 150 人
名前をつけないと採用できない がきっかけでつけた名前
ラベリングしてチーム化
名前をつけると会社からも認知される
●組織を変えていく中で手応えを感じた瞬間は?
・蜂須賀さん
知ったワークショップを仲間内でやってみた
その周りから、俺もやりたいんだけど!が来たとき
・飯田さん
アンチだったけど、モブプロに巻き込まれて良さがわかった
とりあえず実験してみる、巻き込む
失敗するのは当然なので、続けることが必要
・池上さん
続けているうちに共犯者が出てきたとき
●折れずに続けられたきっかけ、マインドセットは?
・蜂須賀さん
自分はどうしたいのか?を問い続ける
芯があれば、手玉のひとつが折れただけ
・池上さん
「かつての自分が聞いたら役に立つこと」を続けている
これは他に何を言われてもぶれない
・飯田さん
他人がとらない仕事を続けていたら楽しさが見えてきた
9割はつらい、1割でつながっている
成長の実感や感謝をもらったとき
■感想
エンジニアx○○ の発想にワクワクしました!!
個人的には xTech、xOps で、プロセスとそれを支えるテクノロジーから進めて、ヒトはやるべきことに集中すれば他とスムーズにつながることを考えていましたが、ヒトから変えていくアプローチも必要ですね!
やっぱりヒト、プロセス、テクノロジーの3つそれぞれに働きかけが必要だな、と改めて感じました。
より多くの職種の視点が必要、組織構造はシステムアーキテクチャに近い、組織の課題解決は対話が基本、どれも「そうですよね〜」な共感が止まりませんでした!
はちさんのパッション溢れる越境ストーリーは、やっぱりすごいですね!「業界の働き方を変えたい」というブレないゴールと「あなたは何をしている人なんですか?」を問い続ける姿勢をセットで継続することが必要なんだな、と気持ちが引き締まりました。
採用方針と入社後のギャップは「なるほど!」でした。採用、人材育成、それぞれの重要性や難しさはよく話題になりますが、領域をまたいだ一貫性は意識しにくいのかもしれませんね。これも組織の全体最適化で理論は通るけど、一筋縄ではいかない問題ですね。
登壇者の皆さん、すてきなセッションをありがとうございました!!
いつも応援していただいている皆さん支えられています。